2009年度CSRサイト更新にあたって
取締役 山下 徹治本日、当社のCSRサイトが更新されました。2009年度のCSR活動の報告と2010年度の目標が掲載されているので、ぜひご覧いただきたいと思います。さて、CSRサイトに掲載された報告とは別に、昨年度から今年度にかけてのCSR活動を私なりに振り返ってみたいと思います。
ISO14001認証の返上
環境に関しては、ISO14001の認証の返上が大きなトピックスに挙げられます。CSRサイト上でも今年度から環境関連の目標がなくなっているのですが、今年度からISO14001認証を継続しないことになりました。認証を継続しないことになった理由は、当社の環境マネジメントシステムは、他のマネジメントシステムと比較して、かなりしっかりできあがっていたからです。認証取得から約10年になりますが、ここ数年はPDCAサイクルを回しても回さなくても、良い意味で結果が変わりませんでした。例えば内部監査や外部の審査を受審しても、指摘を受けることがほとんどありませんでした。それであれば、環境保全の取り組みは今までどおり継続しつつも、認証維持にかかるコストを削減するという判断です。
こうした経営判断とは別に、ISO14001には個人的には色々な思い入れがあり、自分を育ててくれた規格と言ってもよく、複雑な心境であるのも確かです。ISO14001のフレームワークは非常に優れていると今でも思います。このフレームワークは今となっても色々なテーマに水平展開して活用しているほどです。また、活動の思い出としては、認証取得をした当時、弊社は規模が小さく、清掃業者に業務委託をするほど余裕がなかったため、ゴミの分別からゴミ出し、灰皿の清掃、空き缶つぶしなどをすべて自力でやっていました。手順書を作ったり、当番表を作ったり、チェックリストを作ったりと、色々と工夫や苦労をしたことは今となっては懐かしい思い出です。それから紙については初年度の取り組みでいきなり使用量が半分に減って驚いたこと。その後も削減し続けもう限界だろうと思ってからも、工夫によって20%減らすことができたことなどは、大切なノウハウとして自分の財産になりました。
マトリックス組織による品質改善活動の加速
次に、お客様との関わりの領域についてですが、マトリックス組織の強化により、品質改善活動の精度やスピードが向上したことが大きな成果だと感じています。
今までは、年度目標を設定してから具体的な施策への落とし込みまでを品質管理責任者が中心となり、プロジェクト型で進めていました。すると、いざ現場へ展開する段階で、想定していない問題が生じたり、そのアクションプランをやる動機づけが弱くなってしまうという問題が起こりがちでした。
しかし、昨年度途中からマトリックス組織を強化し、制作部門、ディレクション部門を横串で管理する担当を任命し、品質向上などのミッションを与えたところ、品質管理責任者などISO9001の推進チームと現場との関係が強化される結果となりました。横軸のマネージャーと品質管理責任者が連携しながらアクションプランを考えるため、最後に横軸に展開したあとに、想定していない問題の発生や動機づけの面で展開が遅れてしまうというケースはずいぶん減ったと思います。
昨年度の報告では、当初の目標がそのまま達成されず、形を変えて進んでいるケースが多いのは、実はこうした背景があるからです。
エチオピア5年プロジェクト
プロジェクトの概要はCSRサイトを見ていただいたほうが良いと思いますが、校舎完成後の次のステップとして、インターネット技術を子供たちに教える人材の育成が現在のテーマとなっています。今年の4月には実際に、孤児院からITに関する学位を持つWossenyeleshさん(以下ワッセンさん)というスタッフを1名派遣していただき、研修を受けてもらっています。今はちょうど研修が終了するというタイミングになりますが、ワッセンさんは非常に吸収力が高く、努力家でもあるので、短期間でたくさんのことを身につけていただくことができました。これからの支援についてもアベベチ・ゴベナさんを始めとする施設のスタッフと一緒に考えていきたいと思います。
2010年度のCSR活動について
2010年度のCSR活動のテーマの1つに「従業員とのかかわり」の分野における人材育成の強化と人事制度の見直しが挙げられます。まだ現在双方ともに設計段階にあり、詳しいことはここで書くことはできませんが、より従業員のニーズや会社が進むべき方向に合致した人事制度への転換と、基礎スキルの向上により、従業員のモチベーション向上や生産性の向上を図っていく予定です。またマトリックス組織による品質改善活動がより大きな成果を生み出すのが今年度になると考えており、さらなる生産性の向上や顧客満足度の向上が達成されると見込んでいます。
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