Digitalコミュニケーション時代
執行役員 芳賀 穣多くの企業は4月から新年度がスタートしましたが、入社式や人事異動の時期でもあり、働く環境が変わり、コミュニケーションの対象が変わる方も多くいらっしゃるかと思います。
3月31日にWeb広告研究会のWebサイトに第23回WABフォーラムのレポートが掲載されました。パネルセッションの発表は、Digitalコミュニケーションの時代が、企業とユーザーのコミュニケーション方法や企業のWeb戦略に大きな変化をもたらすことを感じさせる内容になっています。
Digitalコミュニケーション時代で起きる変化とは
では大きな変化とはどういったものでしょうか。
Digitalコミュニケーションにより、ありとあらゆるものがインターネットを通じてつながり、限りなくリアルとネットの境界線がなくなっていきます。そしてスマートフォンやスマートパッドが軸となり、ユビキタス化が進んでいきます。企業のマーケティングは、One to Oneマーケティングが更に進み、販売促進から購買支援やライフスタイルの提案に変わっていきます。一方、ユーザー(生活者)はよりパーソナライズされたサービスを受けられるようになります。
個人と企業の対等な関係性
ソーシャルメディアでよく語られるキーワードとして「エンゲージメント」があります。5年以上前に「顧客接点としてのWebサイトの活用」というコラムでエンゲージメントに触れさせていただきましたが、当時はリアルとWebの距離がかなりありました。しかし今後、前述のような変化は、Digitalコミュニケーションのプラットホームであるソーシャルメディアが中心となり、次々に実現していくと考えています。
また、対等な関係性は、ユーザーを企業から与えられた商品・サービスを購買するという受け身の立場からエンゲージメントが強い企業を使い、商品・サービスを開発するといった主体性を持つ立場に変えていくはずですので、企業はユーザーとのコミュニケーションを通じて、さまざまなデジタルデータを活用する「ナレッジ」「知恵」も必要になってきます。
重層的なコミュニケーションと豊かな関係
ナレッジや知恵を創出するため、コミュニケーションをどう捉えるかについては、二律背反のようですが、Digitalコミュニケーション時代だからこそアナログな、人間対人間のコミュニケーションの重要性が増すように思われます。
野中郁次郎氏監修、リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所著『日本の持続的成長企業—「優良+長寿」の企業研究』では、持続的成長企業が備える三つの組織能力を挙げています。
- 実行・変革力「徹底した行動とたゆまぬ自己変革」
- 知の創出力「重層的なコミュニケーションや豊かな関係性による知の創出」
- ビジョン共有力「ぶれない軸を意味レベルで共有」
知の創出力とは、まさにナレッジや知恵を創出するための力であり、重層的なコミュニケーションや豊かな関係性とは、組織の壁を超えた連携、経営層と現場の間、職場内、個人対個人などさまざまな階層での意思疎通、日常的な情報共有など、人間対人間のコミュニケーション、関係性のことを言っています。
われわれもコミュニケーションをデジタルとアナログで対立させて考えるのではなく、融合させて考えることで、各企業様のDigitalコミュニケーション時代に対応したメディア戦略をご支援できるよう、今後もさまざまなソリューションを提供してまいります。
Newsletter
メールニュースでは、本サイトの更新情報や業界動向などをお伝えしています。ぜひご購読ください。