今、問われる顧客に対する企業姿勢
プランナー 川島 彩香「がんばっぺ、いわき!!」
私の向けるカメラに多くの人がメッセージをくれました。
実は先日、プライベートで福島県のいわき市を訪ねる機会がありました。インターネットを通じて、被災地の人たちの元気な声を動画で発信していくというNPO法人の企画に共感し、カメラマンとしてボランティアに参加させていただいたのです。
IT業界に携わる者として、ITを通じて日本を少しでも元気にできるのならこれほどうれしいことはありません。
丸2日間、道行く方にお話を伺いながら、動画撮影をしていきました。都市部では元気な方もいらっしゃったものの(当日がイベントだったからというのもあるかもしれませんが)、沿岸部に行くとまだ震災の爪痕も色濃く残り、身内を亡くし残された方たちの悲痛の声に身につまされる思いでした。
個人から発信される情報の魅力と脆さ
取材していて強く感じたのは、人それぞれの情報発信レベルの差です。マイクを差し出すとすぐに適当なコメントを語れる方は一握り。多くの方は「何を言えばいいのか?」「他の人はどういうことを言っているのか?」と、こちらのファシリテーションなくしては語れませんでした。ブログやFacebook、Twitterなどを通じて個人が情報発信できるようになって久しいですが、まだまだ個々の発信力には未熟さを感じずにはいられませんでした。
一方で、1週間のテレビ視聴率のランキングでワースト記録が生まれたと話題になっていました。1位の番組の視聴率が18.1%しかなく、テレビというメディアが登場して史上最低なのだそうです。
参考までに、私がテレビにくぎづけだった1993年放送の「ひとつ屋根の下」の平均視聴率が37.8%というのですから、愕然としますよね。メディアが多様化し、情報がますます氾濫する中でテレビ離れが進み、反比例してソーシャルメディアの価値が高まるのを身に染みて感じます。
インターネットはもはや「個」のメディアとも言えますが、当然ながら一般の人は情報発信のプロではありません。前述の通りファシリテーションがないと自らが上手には情報を発信することができないのです。一人一人が情報の発信者になる時代は近づいてはいるものの、本来の「個」のメディアを実現するには大きなハードルがまだあるようです。
個人個人の意見を集約し、発信する場を提供する、それが今メディアに求められている最大の役割なのではないかと考えます。
今後のメディアの役割のヒントが垣間見えたボランティアの2日間でした。
ソーシャルメディアの価値を高めるためにも
それでは、企業はこれからメディアを使ってどのような戦略を立てていけばいいのでしょうか。
昨今のトレンドはすっかりソーシャルメディア一色で、私たちも企業様から「ソーシャルを使って"何か"できないか?」というご相談をよくいただいております。競合他社が次々とソーシャルメディアを立ち上げる中、自社でも何かしなければいけないのかという企業様の焦りにも似た感覚が蔓延しているようです。
ソーシャルメディアを活用するのはそれ自体が目的ではありません。新しいツールを使い、お客様とどういった形で新たなコミュニケーションが取れるのか?考えるべきはその点であり、それは今も昔も変わることのない、「企業として顧客とどう向かい合っていくのか」ということに集約されるのではないでしょうか。
自社メディアは自社の姿勢の鏡であるべきです。普段から消費者と関わるビジネスをされている企業は、常日頃顧客と接している姿勢そのものをWebでも体現させればよいのですが、そのような取り組みをされていない企業は、これを機に考える必要があるでしょう。
メディアの在り方がめまぐるしく変わっている今だからこそ、企業はどう顧客と向き合い、どのようなコミュニケーションを取っていくのか、ということを改めて考える良い機会だと感じています。
企業の顧客に対する姿勢の確立とそれを生かせるWeb戦略が相まったとき、一番良い形のWebコミュニケーションが生まれるのだと確信します。
私が所属する顧客開発部では、未取引の企業様に向けて、正しいWeb戦略が行なわれているかどうかという第三者視点からの簡易的な診断を、無料で行なっております。
この機会に自社のメディア戦略を見直されたい企業様は、ぜひ私たちにご相談ください。
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