デザインと「おもてなし」の気になる関係
デザイナー 前嶋 康秀職業柄、Webに限らず色々なものを観察するのが好きです。
何を観察しているのか?といいますと、まずデザインを見ます。さらに掘り下げて「使いやすさ」・「わかりやすさ」(あれば「使いにくさ・わかりにくさ」もですが…)を観察しています。
そして、デザインの中にある「おもてなし」を発見するわけです。
人間というのは不思議なもので、無意識に使えるものや、使い慣れているものに関してはデザイン上の創意工夫をあまり意識しない傾向があるようです。でも、そういった創意工夫(=おもてなし)こそデザインの魅力であり、私自身仕事をする上で気を使うところでもあります。
フォークとiPhoneから感じる「おもてなし」
例えば、フォークを使うとします。
普通のフォークであれば手に持ち、口に食べ物を運ぶ際にもあまり違和感はありません。それはメーカーが「どうすれば持ちやすいのか?」「どうすれば口に入れやすいのか?」という創意工夫のもと作っているからだと推測されます。
私は自分の娘(1歳半)に赤ちゃん用のフォークを使い、ご飯を食べさせる機会があります。
そのフォークは全体的に角が取れていて、親が子供に食べ物を食べさせやすいようにカーブが付いています。当然サイズも小さいですし、あまり尖っていないので誤って口の中を傷つけることもありません。プラスチックでできていて、落としたり、テーブルをフォークで叩いたりしてもあまり心配になることはありません。テーブルは汚れてしまうのですが…(笑)
きっと、昔は赤ちゃん用のフォークなんて無くて、親が食べさせるときに(大人用)フォークのサイズが大きくて口に入れにくかったり、尖ったフォークで口の中を傷つけるのではないか?と心配をした親がいたのかもしれません。
そこでメーカーは「赤ちゃんのために」フォークを作ったのだと思います。
それは言い換えれば、「使うユーザーのために工夫をされたデザインをした」ということだと思います。
困っている親子に対して、デザインが「おもてなし」をしたと感じるわけです。
話はかわりますが、今更ながらにiPhoneを使っていると、デザインができることは沢山あると感心させられます。プロダクトデザインとして優れていますが、インターフェースの使い勝手さえもデザインが向上させ、演出をしているからです。
例えばアイコンを指で動かしたときの動作は楽しかったり、優しかったり、使うユーザーに感動を与え、しかも使いやすいと感じます。
これもデザインができる「おもてなし」の1つと感じるわけです。
赤ちゃん用のフォークもiPhoneも、既製品として存在したフォークや携帯電話に何らかの創意工夫(=デザインができるおもてなし)をして沢山の人に使われています。2つのおもてなしは種類に多少の違いがあるにせよ、世の中にある製品には多かれ少なかれ「おもてなし」が加わっていると思います。
近年、Webサイトにも同様の「おもてなし」が求められているように特に感じます。
見ていてワクワクするような楽しいコンテンツを求められたり、難しい契約内容をアニメーションを交えてわかりやすく入力していけるようなコンテンツを作りたい、といった要望もいただきます。
それではそのような魅力的なコンテンツを作るにはどうすれば良いのでしょうか?
それに必要なのはサイトに「おもてなし」を加えていく作業であると思っています。
当社にはアートディレクターがいますので、お客様のご要望をヒアリングさせていただき、「おもてなし」の心で、「おもてなし」の詰まったサイト構築のお手伝いをさせていただければと思っています。
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