属人的なプロジェクトマネジメントからの脱却
取締役 山下 徹治もう3年以上前になりますが、「大型化するWeb構築プロジェクト、失敗は誰のせい?」というコラムで、組織的なプロジェクトマネジメントの必要性について書きました。その頃、社内ではPMO(Project Management Office)というプロジェクト支援担当を大規模のWeb構築プロジェクトにアサインすることが始まり、個の能力に依存したプロジェクトマネジメントからの脱却を目指しました。
PMOという言葉自体は、「組織全体のプロジェクトマネジメント(PM)の能力と品質を向上し、個々のプロジェクトが円滑に実施されるよう支援することを目的に設置される専門部署」(@IT 情報マネジメント用語辞典より引用)と定義されており、どうやらミツエーリンクスにも必要そうだということは誰もが理解できるのですが、個々のプロジェクトの中で、具体的に何をやるのかについてはどこにも明確な定義がなく、プロジェクトごとにどうやって支援するのが適しているか考えるといった次第でした。従いまして、支援されるプロジェクトのメンバー達もPMOとしてアサインされた支援する担当者も最初は戸惑いながら手探り状態でした。それでも1年経ち、2年経つと次第に形ができあがってくるもので、最近ではミツエーリンクスのPMOとしてある程度標準化されたものができあがりました。
PMO活動から生まれた成果
試行錯誤しながら3年間PMO活動を継続していく中での主な成果としては
- 定例ミーティングの開催によるプロジェクトメンバー全員の認識のすり合わせ
- タスク管理ツールの運用によるタスクの見える化や定例ミーティングへの残タスク情報の提供
- プロジェクト終了後にふりかえりを実施し課題を抽出。その後の改善への流れの構築
- プロジェクト計画書、スケジュール表など重要なプロジェクト管理ドキュメントの標準化
が挙げられます。
PMO活動における今度の課題
しかし、当初の目的・目標であった、個の能力に依存したプロジェクトマネジメントからの脱却は達成できたのかという点では、まだまだ道半ばといったところです。
現在の課題としては
- 要件定義フェーズがブラックボックスになりやすく、スケジュール遅延が起こっても把握しにくい
- プロジェクトが抱える問題をPMOが発見してもエスカレーションがうまくいかない
などがあります。
現在は、これらの課題を解決すべく新たな手法やツールを導入し、チャレンジをスタートしました。
また数年後、これらの課題が解決できたことを報告できると思います。
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