ユビキタス社会で活躍する
ビジネス推進室 室長 服部 栄二郎サーバーの中の表現をどう届けるのか
文章を書く、写真を撮る、語り・対話・議論を録音する、音楽を作る、絵を描く、ホームビデオで録画する、映画を作る。こういった結果を皆がインターネット上に置く。
この事で何が起こるのかを議論していたのがインターネットの勃興期1990年代の議論であり、
「普通の人が何かを表現したって、誰にも届かない」が当時の結論。
であった。また、「1998年創業のGoogleが始めた検索エンジンが普及し、Google社の株式公開(2004年)により(グーグル)検索が一大ブームとなり、ネット業界には、それまでと違った大きな動きが出てきました。
「何かを表現したって誰にも届かない」から「何かを表現すればそれを必要とする誰かにきっと届くはず」という希望にわろうとしている。
とも書いてあります。
- ※ 梅田望夫氏「ウェブ進化論」P13-14(ちくま新書)より引用
このことは、「サーバーの中にある」コンテンツの表現行為について日々考えている我々にとっては、とても重要なことです。インターネットに接続する人は、今も日々増え続けています。不特定多数無限大の「インターネット」というつながりのある人々に対して、どのような手段を使い、サーバーの中にある「表現行為」を伝えることができるのか。とてもチャレンジングでエキサイティングな課題です。
ユビキタス社会の到来
2006年頃、「ユビキタス社会」という言葉が「未来社会を語る言葉」としてもてはやされ、報道各社は随分とこの言葉を使ったものです。ウィキペディア「ユビキタス社会」の項には、
ユビキタス社会とは「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」がコンピューターネットワークを初めとしたネットワークにつながることにより、様々なサービスが提供され、人々の生活をより豊かにする社会である。
「いつでも、どこでも」とはパソコンによってネットワークにつながるだけでなく、携帯情報端末をはじめ屋外や電車・自動車等、あらゆる時間・場所でネットワークにつながる事であり、「何でも、誰でも」とはパソコン同士だけでなく家電等のあらゆる物を含めて、物と物、人と物、人と人がつながることである。
と書かれています。
先日、総務省が発表した「電気通信サービスの加入契約者数等の状況」※によると、「日本の携帯電話の端末数は人口を上回るレベル」であり、「その携帯電話や端末の扱える情報量は、90年代にオフィスで扱っていたインターネット用の端末よりも大きくなっている」とのこと。気が付けば、我々はこの「ユビキタスの社会」の入り口を、既に経験してしまっていると言えます。恐らくこの後、僅か数年もすれば生活の中に溶け込んでしまう形でインターネット「ユビキタス社会」は、我々の生活様式の一部になっているのでしょう。
- ※ 総務省2012年2月21日発表、「電気通信サービスの加入契約数等の状況」における2011年12月末時点の値
ユビキタス社会は「物と物」「人と物」へ
ユビキタス社会を説明する言葉にある「物と物、人と物、人と人がつながること」の「人と人」の部分はまさにFacebookやLinkedInを代表とするソーシャルメディアの台頭そのものと受け取れます。ウィキペディアによると、Facebookが始まったのは2004年、LinkedIn(リンクトイン)は、2003年5月にサービス開始と記載されています。彼らは、まさにユビキタス社会の一部を先取りした起業家であることがとてもよくわかります。
そして今後は、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」のユビキタス社会の中で、既に台頭している「人と人」のつながり以外の部分、パソコン同士だけでなく家電等のあらゆる物を含めたつながりが整備されていくのでしょう。「物と物」「人と物」がインターネットと端末でつながるための準備と実行部分が、今までにない勢いで大きなうねりとなって表面化するのだと考えられます。
Webサイト構築に携わる当社は、ウェブインテグレーションの専門家集団としてインターネットでつながろうとする数多くのビジネス機会に遭遇することになるのは必至です。
次世代に向けて
これからインターネットでますますつながっていく本格的な「ユビキタス社会」。そこで求められる情報、流布する情報とは、どのようなものなのでしょう。
年表的に時代を振り返りつつ、次世代を眺めてみます。
- 1980年代 = 表現したいものをデジタル的な信号で作り出し始めたワープロ時代
- 1990年代 = 皆がインターネット上に置いた「表現行為」をメールやリンクで湯水のごとく金を使って広めた時代
- 2000年代 = 検索を使って個人的に欲しい情報を自ら探す時代
- 2010-11年 = 人がつながり、情報を「共有」する時代
- 2012年~ = 「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」つながる、本格的なユビキタス社会の時代
「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」つながるためには、「情報伝達手段」「情報発信方法」やその「仕組み」がキーになってくることが考えられます。こういった時代で、「やらなければならないこと=ユビキタス時代の課題」を「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」簡単にやり遂げるための仕組みや方法論を考えれば、インターネット領域のビジネスでは確実に成功に近づくのではないかと思えます。
我々ミツエーリンクスは、300人のブレインとそのネットワークとしてのつながりから得られる世界の知恵を結集して、このつながる時代をリードすることでしょう。
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