MJLのメンテナンス/提供終了について
取締役 木達 一仁2008年10月のリリース以来、長きにわたり継続してきたMITSUE-LINKS JavaScript Library(以下「MJL」)のメンテナンスと提供を、このたび終了することにいたしました。本コラムでは、その背景や今後の予定につき、お知らせいたします。
誕生から今日までの経緯
MJLとは、JavaScriptで実現する機能のうち頻繁に利用されるもののみから構成した社内標準のライブラリで、開発した最大の目的は業務効率化でした。社内での利用のみならず、GNU GPL Version 3ライセンスのもと広く一般向けにも提供した結果、リリースからほどなくして一部メディアに取り上げていただくなどしました。MJLの提供する機能は
- ロールオーバー
- Adobe Flash 機能拡張
- 新規ウインドウ
- タブ
- スタイルスイッチャ
- 高さ揃え
の6つのみ。以来、JavaScriptの検品状況を通じどのような機能へのニーズが多いかを定期的に把握、一定のニーズが認められた機能についてはMJLへの追加を検討してきました。実際、ライトボックスやモーダルダイアログ、カルーセルといった機能の追加を検討しましたが、いずれも仕様を共通化することの難しさなどに起因し、実現には至りませんでした。
新機能こそ追加してこなかったものの、新しいWebブラウザが登場するたび、既存の機能に問題が生じていないかどうかの検証と、また必要な対応は可能な限り継続してきました。その結果、昨年11月リリースのバージョン2.2.8では
- Mozilla Firefox 25.0
- Mozilla Firefox 26.0 Beta 1
- Microsoft Internet Explorer 6
- Windows Internet Explorer 7
- Windows Internet Explorer 8
- Windows Internet Explorer 9
- Windows Internet Explorer 10
- Windows Internet Explorer 11
- Apple Safari 6.0.5
- Apple Safari 7.0
- Google Chrome 30.0.1599.101(Stable Channel)
- Opera 12.16
という多種多様なブラウザで動作確認を行なっています。ほかにも、これまで
- Internet Explorer 8以下をサポート外とすることで軽量化できないか?
- 機能ごとに分割しておき、必要なものだけでビルドするようにできないか?
- シェアが低く、レンダリングエンジンも変更されたOperaをサポート外にできないか?
- 利用頻度の下がった機能を削除することで軽量化できないか?
といった対応を検討してきました。しかし、スマートデバイスの台頭に代表される閲覧環境の多様化、そしてそれに伴うJavaScript要件の変化、また社内的な体制変更を踏まえ、いずれも実現することなく、MJLのメンテナンスと提供の終了という結論に至りました。
MJL非依存に向けて
MJLが提供してきた機能のうちタブ、スタイルスイッチャ、高さ揃えの3つについては既に代替スクリプトとして社内独自のjQuery 2.x 用プラグインを開発済みであり、そちらの利用を推奨しています。代替スクリプトを開発しなかった機能については、それぞれ
- ロールオーバー
-
タッチスクリーンの普及や表示速度高速化へのニーズを踏まえ、必要であればCSSによる実装を検討
- Adobe Flash 機能拡張
-
Flashコンテンツへのニーズの低下を踏まえ、必要であればobject要素や別のスクリプトによる実装を検討
- 新規ウインドウ
-
もとよりユーザビリティ的に議論の余地のある機能であり、必要性を個別に再考
といった方針で、MJLへの依存を無くすよう社内向けに周知徹底を図っています。既に新規構築案件でのMJLの社内利用は原則禁止としたほか、積極的なメンテナンスも停止。本日時点では当サイトを通じダウンロード可能としていますが、今年9月末には公開も取りやめる予定です。
MJLを現在ご利用中のお客様へ
過去、当社が構築ないしリニューアルをお手伝いさせていただき、その経緯から現在もMJLを利用されているお客様につきましては、お急ぎになる必要は無いものの(MJLは生成コード・内部利用仕様のWeb標準準拠が特徴の一つです)、次回のリニューアル等の機会には別のスクリプトへの乗り換えをご検討いただけますよう、お願いできればと思います。また本件に関するご質問、ご相談がございましたら、担当の営業やディレクターを通じてお気軽にお寄せください。
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