企業のオンライン動画コンテンツ制作のポイント
第五本部 映像制作部 ディレクター 宮野 光輝企業動画の実態
突然ですが、あなたの会社では動画コンテンツを活用されていますか?
そして、その動画はきちんと役割を果たしていますか?
YouTubeでの再生数が2桁の企業ビデオ(おそらく視聴の9割が社員)になってしまっていませんか?
動画視聴の1ユーザーとして、コンテンツが増えるということは純粋に喜ばしいのですが、作って満足してしまっているものや目指す方向性が間違っているものが少なくないのが実感です。
動画もWebと同様に決して安くないお金をかけて制作するものです。視聴者に嫌われるという悲惨な事態を避けるために、何に気をつければよいのか。私が実案件でいただいた質問をもとに、ポイントをいくつかご紹介させていただきます。
大長編は誰も幸せにならない
動画制作のご依頼をいただいて、はじめに認識を擦り合わせるのが動画の長さです。1から10までを動画で説明しようとして、10分〜15分と長い動画を希望される企業様が多いと感じます。
長尺の動画のデメリットとして「長くて見ているのが辛くなり、視聴者が途中で離脱してしまう可能性」があります。自身が視聴者になったことを想定していただけると分かりやすいかと思いますが、片手間が難しいという動画の特性上、よほど興味のあるものでないと、長時間視聴させ続けるのは難しいでしょう。また、興味喚起されない動画を見たことにより「視聴者が企業にたいしてネガティブな印象を持ってしまう」おそれもあります。企業側としても「伝えたいことが、ぼやけてしまう」「コストと時間がかかる」などが挙げられ、制作する側からしても「限られた時間でかけるべきパワーが散漫になってしまう」など、多くの場合、どの立場から見ても決して幸せとはいえない結果が待っています。
もちろん、ドラマコンテンツや学習用コンテンツなど長い時間をかけるべき動画もあります。しかし大抵、視聴者はそれを望んでいません。私達と同じで、つまらなそうだと思ったら10秒で再生をやめてしまいます。調査報告を見ても2分で60%が離脱してしまうのが実態です※。
残念ながら動画は、ほうっておいても顧客を捕まえてきてくれる営業マンの代わりではありません。あくまでイメージや概要を端的に訴求して「もっと知りたい」と思わせることができる営業ツールである、という認識で制作されることが有用な動画制作の第一歩ではないかと思います。
カンペはアリか ~「言う」と「伝える」~
企業様の映像を制作させていただく時に、よく社員の方のインタビューも撮影させていただきます。その際に「カンペを読みながら喋ってもよいか」という質問をいただきます(「カンペを読む」とは出演者の前に原稿を広げて、それを読みながら話すことです)。
確かにカンペを読んだほうが失敗しにくく、確実にスマートに言うことできます。ですが「想いを伝える」コンテンツの場合は、カンペを見ずにお話しいただくことも是非、検討いただきたいと思います。
動画はその文章の意味だけでなく、それを話している時の顔や身振り手振り、勢いなどから、話し手の気持ちや熱量まで伝えることができるツールです。むしろ、そこがテキストや写真、Webとの1番の差だともいえます。
絶対に間違えられないセリフや時間の縛りがある時などカンペが必要な場面はもちろんあります。淀みなく一言一句間違えずに話す映像も、もちろんスマートでよいですが、多少拙くても一生懸命ご自身の言葉で話されたほうが、伝わるものになることもあります。
まずは試しにカンペを見ずに話してみてください。どうしても難しい場合はカンペを使えばよいですし、絶対に間違えられない一発本番のものと違って、何度でもやり直せるのも動画の強みですので。
以上、動画制作時のポイントについて、お客様からよくいただく質問を現場の視点で解答するかたちでご紹介しました。
一概にはいえない部分も、もちろんありますが、今後の動画制作にむけて少しでも参考になれば幸いです。
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