SMX Advanced 2014 参加報告
取締役 木達 一仁6月11、12日の2日間に渡り、米国ワシントン州シアトルで開催された SMX Advanced 2014 に参加しました。SMXとはSearch Marketing Expoの略語のことで、検索マーケティングについてさまざまな話題を扱うイベントです。具体的には、検索エンジン最適化(SEO:Search Engine Optimization)やクリック報酬型広告、モバイル検索などについて、第一線で取り組んでいらっしゃる方々のお話を聞くことができました。すべてのセッションが終わった直後のタイミングで、感想を会場近くで録画してきましたので、まずはそちらをご覧ください:
若干、動画の内容を補足させていただきます。これまで私はWebのフロントエンド、つまりマークアップ言語やスタイルシート、JavaScriptといった技術で構成されWebブラウザーが処理する部分であったり、あるいはWebアクセシビリティの確保に、長く携わってきました。その間に得た知見、経験を活かすことが、顧客の皆様に対して最もより良く貢献できると信じてきたからです。
しかし、フロントエンドやアクセシビリティの専門家は、当然ながら私のほかにも数多く社内に存在し、当社の技術力の向上、ひいては成長の原動力となっています。そうした現状を踏まえ、自分は(得意分野や強みは可能な限りそのままに)デジタルマーケティング全般、さらにはデジタルメディア活用のための戦略策定に携わりたいと考えるようになりました。
そうした想いはだいぶ前から抱いていたのですが、今年度はいよいよ本格的に軸足を移すべき時期ということで、まずはマーケティング分野の基礎知識のてこ入れ、情報収集に勤しんでいます。SMX Advanced 2014への参加は、そうした変化を踏まえ決めたことで、とりわけ本イベントはSEOや検索マーケティング(SEM:Search Engine Marketing)に今後当社がどう取り組んでいくかを考える機会として捉えてもいました。ちなみにシアトルという街は、私が大学卒業後に2ヶ月ほど語学留学した思い出の地でもあります。
イベントでは以下のトラックが複数並行して設けられ、またそれぞれのトラック(1時間15分枠)においては3〜4人のスピーカーが登壇、決められた時間のプレゼンテーションを代わる代わる実施した後、最後の10〜15分程度が質疑応答に割り当てられるという形式でした。振り返りますと、自分はSEOトラックに参加する時間を最も長く割きました。
- SEOトラック
- リスティング広告トラック
- ローカル、ソーシャル&モバイルトラック(1日目のみ)
- コンテンツ&コンバージョントラック(2日目のみ)
特に印象に残ったセッションを2つ、ご紹介します。まず1日目午前のSEOトラック、ランキング要因についてのセッションのなかで、Marcus Tober氏がお話された「 Comparing SEO Ranking Factors From 2013 to 2014 」。独自の調査に基づき、2013年と2014年でランキング要因がどう変化したのかを語ったものです。
冒頭、「これからGoogleのアルゴリズムを説明するよ」という冗談で会場を笑わせたTober氏の結びの言葉は「Search Experience Optimization(SXO)」。優れたコンテンツだけでは不十分であり、利用者に発見されるための技術なりテクニックを用いることで、検索体験をより素晴らしいものにできると自分は解釈しました。またその発想を持って、当社サービスの「インハウスSEOコンサルティング」をより充実させなければ、と認識した次第です。
2つ目は、1日目午後のSEOトラック、構造化データとマークアップを扱ったセッションより、Jeff Preston氏の講演「 Happily Ever After: Open Graph, Twitter Cards, and Schema.org 」。Preston氏のお勤め先はDisney Interactiveで、『アナと雪の女王』の日本での大ヒットが記憶に新しい、ディズニーのWebサイト運営に関わられています。
氏のプレゼンのなかでは Schema.org 、 Open Graph 、Twitter Cardsの3種類のメタデータをどのように実装し、またそれらが検索結果画面やソーシャルメディアでの共有にどのような影響を及ぼしたかが、具体的な事例と共に紹介されました。ディズニーほどの優れた認知度、ブランド力を備えた企業であっても、積極的にメタデータを活用し利用者にアプローチしようとしている様には、個人的にやや感服してしまいました。
2日間のイベント参加を通じて考えたり感じたことを踏まえ、既存サービスの充実、あるいは新規サービスの開発に今後取り組んでいければと思います。
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