Google Analytic Summit(Google アナリティクス サミット)2014 参加報告
第八本部 アナリスト 大里 紀雄2014年のテーマ「Data in Action」
2014年5月28日・29日の2日間、サンフランシスコで開催された「Google Analytics Summit 2014」へ参加してきました。2014年のテーマは「Data in Action」というものでした。ちなみに、2013年のテーマは「Access. Empower. Act.」、今年と昨年のテーマに共通するものとして「行動」が重要なワードとなっており、データを集めて解析するだけではなく「行動」にこそ意味があるというメッセージが込められていると感じました。
今回リリースされた主な機能
今年のサミットも様々な新しいツールや機能が発表されましたが、その中からいくつかご紹介します。
- 拡張eコマース
- データインポート(旧ディメンション拡張)
- 4種類の新しいAPI
- Provisioning API
- Management API -Adwords Links
- Management API - Filters Developer Guide
- Embed API - Overview
- ロールアップレポート※
- カスタムテーブル※
- DCM(DoubleClick Campaign Manage)との連携※
- DBM(DoubleClick Bid Manager)との連携※
- ※ Google アナリティクス プレミアム限定機能
各機能の概要については、Google アナリティクス公式ブログでも紹介されていますので、そちらをご参照ください。
特に注目したトピックス
私が今回特に注目したのは「拡張eコマース」と「Google アナリティクス プレミアム限定機能」です。
拡張eコマース
これまでもGoogle アナリティクスでは購入金額や購入商品数等にフォーカスしたレポートが提供されていました。しかし、ユーザーがサイト内で商品購入に至るまでのプロセスを計測したレポートはありませんでした。今回発表された拡張eコマースでは、購入完了時点だけでなく、購入に至るまでのプロセスを詳細に計測でき、購買行動の全体像がより詳細に把握できるようになりました。
例えば「サイト内プロモーションの表示」「サイト内プロモーションのクリック」「商品の表示」「商品のクリック」「商品詳細の閲覧」「カート追加」「カート破棄」、これらのアクションを計測することができます。さらに自身で購入完了までのプロセスを登録しておくことで、パーチェスファネル(購入ファネル)を可視化することができます。また、「返品」も計測できるようになりますので、「さらに正確な数値の取得」「返品の多い商品の把握」が可能に。返品までも含む購買プロセスのデータを活用することでマーケティング活動の効果をさらに高められるでしょう。
Google アナリティクス プレミアム限定機能
Google アナリティクス プレミアム限定機能として、レポーティングを行う際に非常に有用な機能の発表がありました。Webサイトやアプリ等の様々なデータを統合しカスタマージャーニーの可視化が可能な「ロールアップレポート」や、サンプリングされていないデータをレポート画面上へ表示可能な「カスタムテーブル」等です。また、さらにDoubleClickの機能統合が行えるようになり、広告のクリックだけでなくインプレッション(広告の表示)レベルでの分析までも可能となります。
Google アナリティクス プレミアム限定の機能が追加され、リリース当初と比べると無償版との機能的な差異がより鮮明になってきています。デジタルマーケティングを積極的に行って行きたいと願うユーザーにとっては、より精緻なデータでのレポーティングと広告プラットフォームとの更なる連携といった攻守それぞれのアップグレードは非常に有益なものになると考えています。
行動に繋げる
今年も様々な発表がありました。昨年から言われている通り、もはやGoogle アナリティクスはWebサイトのログデータの解析を行うだけではありません。様々なプラットフォームやオフラインデータとの連携、eコマース機能の大幅な機能拡張、充実したAPIなど、ますます多くの機能を備えるGoogle アナリティクスを、単なるアクセス解析ツールとして捉えるのは非常に「もったいない」と私は思います。なぜなら、Google アナリティクスは驚異的なスピードで進化しており、やりたいと思い描いていたことが、実際にできることに変化しているからです。
しかしながら、Google アナリティクスの持つポテンシャルを十分に引き出すことができずに単なるアクセス解析ツールとして利用している方は多いのではないでしょうか?さらには、Webサイトを解析しても、改善するための「行動」まで結びつけられてない方も多いのではないでしょうか?
これまでのGoogle アナリティクスの進化の過程から推察するに、今後も機能は進化を続け、広告プラットフォームの連携も広がると想像できます。しかし、どんなにツールが進化しても「行動」しないことには各機能がもたらすメリットや機会を受け取ることはできません。
当社の主な事業内容はWebサイト制作ですので、分析の結果を受けたサイト品質の向上を具体的な行動として起こしやすい形でソリューションを提供することができます。さらに自社内でシステム開発・広告運用も可能なため、やりたいと思い描いている大抵のことは、施策として実行することが可能です。いまひとつ行動に移すことができないと悩んでいるのであれば、当社にご相談ください。
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