Reel Video Summit 2014 参加報告
第五本部 プロデューサー 田中 紘介今年のReel Video Summitは、2014年7月24日から25日まで、アメリカのサンフランシスコで開催されました。この都市特有の夏季の霧も見られず、快晴の中、YouTube、Vimeoなどオンラインビデオのキープレーヤーたちが登壇し、豊富な事例を題材としてさまざまな議論が交わされました。
直感的で、短く、シェアしたくなるコンテンツ
今回のサミットでは、いまインターネット上で急成長を遂げている「バイラルメディア」が大きく取り上げられました。バイラルメディアとは、動画や画像を中心としたブログ形式のメディアサイトです。コンテンツをソーシャルメディア経由でユーザーに提供し、短期間でより多くのトラフィックを獲得する手法で、感動モノ、動物や子供の画像、まとめ系コンテンツなど、思わず誰かにシェアしたくなるような内容が多くなっています。
バイラルメディアは、2013年の後半から米国で爆発的な成長を見せており、日本においてもそのトレンドが波及しつつあります。今回のサミットでは、月間訪問者数が1億3000万人を突破したBuzzFeedのゼネラルマネージャー、Jonathan Perelman氏が登壇し、事例紹介が行われました。
BuzzFeedのトップページにはキャッチーなタイトルと、写真や動画のサムネイルが並んでいて、思わずクリックしたくなる構成となっています。テキストを読ませるよりも、直感に訴えかけることが重視されていることがわかります。
バイラルビデオ
こういったキュレーションメディアに掲載され、多くのバズを獲得しているバイラルビデオですが、どうすれば作れるのか、完璧なレシピがあるわけではありません。また、いかに拡散されたとしても、自分にとってのターゲットに届かなければ、効果のないものになってしまいます。
直感的で、短く、シェアしたくなるコンテンツは、ともするとエンターテインメントとして消費され、忘れ去られていってしまいます。やはり基本に立ち返り、映像制作のROI(Return On Investment)は、ターゲットである顧客のエンゲージメントを考慮していく必要があると思います。
マイクロビデオ
バイラルメディアの隆盛と並行して急成長の「マイクロビデオ」も今回のサミットで取り上げられました。マイクロビデオアプリとは、6秒から15秒ほどの長さのビデオを撮影・共有することが可能なスマートフォンアプリで、代表的なものとしてVineやInstagramなどがあります。すでに米国では多くの企業がマイクロビデオの活用を始めており、今後もさまざまな領域に広がっていきそうです。
マイクロビデオはバイラルビデオのように「素人っぽさ」すらもコンテンツそのものの魅力に転化できると言う点で、デジタル化により、一般に大きく門戸を開かれた映像メディアがより一層「手軽、かつ身近な」方向に進みつつある一つの証左と言えるかも知れません。
マイクロビデオの場合、撮影や編集のクオリティは、必ずしも重要なことではなく、コンテンツそのものの魅力の方がより大切であることも1つの特徴であると言えます。
米国のソーシャルメディアマーケティングを専門とする会社、Socialbakersの調査結果によれば、Facebookにポストするビデオは、21秒以下であると完了率が高いというデータがあります。こういった場合、マイクロビデオは1つの有効な表現手段となるかも知れません。
Reel Video Summit 2014に参加して
直感的、短時間、シェア、手軽さ、素人っぽさなどが今年のサミットで多くみられたキーワードでした。バイラルビデオ、マイクロビデオが取り上げられたことを思えば、当然の結果ですが、これが時代の趨勢であるとも思います。しかしながら、これらの動きもまた一時的なものとなるかも知れません。オンラインビデオはいまだに進化の途上であり、今回のReel Video Summitもまたその手探りの空気を映し出したものとなりました。
会場の参加者は、旧来の映像制作から新しい表現であるオンラインビデオの変革に自らも関わっていくという意欲に溢れており、私自身も大きな刺激を受けました。
ミツエーリンクスではこれからも最新の情報を活かしながら、お客様にとって効果的なオンラインビデオのソリューションを提案していきます。
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