ClickZ Live San Francisco 2014 参加報告
取締役 木達 一仁8月12日から14日にかけての3日間、ClickZ Live San Francisco 2014というカンファレンスに参加しました。6月のSMX Advanced 2014に引き続き、デジタルマーケティングとその周辺の動向把握が目的です。期間中、概ね3ないし4トラックが並行して、都合50以上ものセッションが設けられたこのカンファレンスでは、実にさまざまなテーマの講演を拝聴することができました。まずはカンファレンス終了直後に収録した動画をご覧ください:
動画のなかでは、非常に大雑把な感想ではありますが、1)デジタルマーケティングの世界はまだまだ変化して行く、2)マーケティングと経営が表裏一体であることを踏まえて取り組む必要がある、という2点をお話させていただきました。本コラムにおいてセッション個別の感想を記すのはなかなか難しく、と言いますのも満遍なくすべてのカテゴリーに参加できたわけではありませんが、セッションには
- データ駆動マーケティング
- コンバージョン&ROI
- コンテンツマーケティング戦略
- B2Bマーケティング
- マーケティングと技術
- 地域とモバイルへの最適化
- ソーシャルイノベーション
- ディスプレイ広告
- Eメールマーケティング最適化
- 次世代検索
というように10もの分類があり、またセッションによって内容の粒度も異なったためです。セッション個別の感想については、機会があればマーケティングBlogのほうに書かせていただくとして、日単位で印象に残った講演をご紹介したいと思います。
Hackonomy: Creating Value by Breaking the Marketing Mold
初日の基調講演です。スピーカーはBonin Bough氏、昨年のアドテック東京でも同様のテーマでお話されていたようですね(自分は参加しませんでしたが)。すべてのメディアがデジタル化し、あらゆる組織文化に変化が求められている昨今、ハッカー精神をもってマーケティングに取り組むことの必要性を、非常にエネルギッシュに説いていました。
なかでも、「リアルタイムビデオクリエイション」というフレーズが印象に残りました。ごく短い時間の動画を活用したマーケティングはしばらく前から注目されていますが、顧客からのフィードバックがリアルタイム化している現在、どんどん試行錯誤を繰り返し、何が有効か(何が顧客との「距離」を縮めるか)を確認するプロセスが重要とのこと。動画に限らず、リアルタイムでコンテンツを創造し活用していく時代というのを印象づけられました。
Unlocking the Secrets to Mobile Video: From YouTube to Instagram to Vine
2日目のセッションからは、ビデオマーケティングの話題。いかにして顧客から発見され、また共有される動画をつくるか?という講演でした。動画そのものよりはサブタイトル通りYouTube、Instagram、Vineという3つのプラットフォームを活用するための内容の比重が高かったように思います。
ソーシャルメディアにおける繋がりにおいては量より質、といったお話はそれなりに参考になったのですけど、それ以上に冒頭、GoPro社の凄さに改めて気付かされたセッションでもありました。同社のカメラや関連アクセサリーの売上は極めて好調で、同社はいまや単なるハードウェアメーカーから新たなメディアカンパニーとなりつつある……というお話は、GoProのカメラで撮影された映像を比較的よく目にする個人的体験と相まって、説得力と将来の可能性を強く感じました。
Testing & Targeting: A Guide to Building Emails People Want
3日目、最終日にはEメールマーケティングのセッションを複数受講しましたが、Amazon Local担当のKatie Seegers氏によるセッションをご紹介。具体的な事例を通じ、継続的改善の大切さが語られました。冒頭、「いつEメールは送るべき?」「題名はどれぐらいの長さが良い?」等の質問を挙げては「ケースバイケース!」とし、また「何をテストすべき?」という質問に対しては「全部!」と喝破されたのは流石だなぁと思いました(きっとそういうやり取りをこれまで繰り返して来られたのでしょう)。
同じテストであっても結果は時と共に変化し得るため、テストを繰り返してはそこから改善点を見出すことを、しっかり運用に組み込む必要があるでしょう。またそのプロセスにおいて、本セッションでは「データ駆動アプローチ」の大切さが説かれました。その点は自分も同意なのですが、有効活用できないデータをいくら集めても逆にノイズになってしまいかねない、という印象も受けました。どのようなデータを、どのように活かす目的で収集・分析するか、まずはその見極めが大切であると思います。
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