アナリティクスで「よい顧客体験」を創造する
第一本部 第二部 部長 田口 公章BtoBビジネス向けWebサイトの抱える「よくある課題」
ビジネス用のWebサイト、特にBtoBビジネス向けのWebサイト運用において、次のようなお悩みや課題に思い当たる節のある方は多いのではないでしょうか。
- 質の高い見込み顧客が欲しい
- 問い合わせ・資料請求の獲得がWebサイトの目的
- 見込み顧客を具体的な商談フェーズへ転換させたいが、なかなか思うようにいかない
- 検索エンジンからの流入が多くを占め、会社名や商材名といった指名ワードからの流入が大半
- リピーター獲得が思うようにできていない
- 広告はまったく使っていない
- 広告を使っているが、アナリティクスツールとは連携させていない
- アナリティクスツールは入れてみたもののあまり使っていない
- 解析レポートを受け取ったあと、具体的な改善はしていない
- 解析に基づく改善はしたが、その後の効果検証はしていない
こうして列記してみると、ずいぶんと課題が多そうです。売りたい気持ちは満々だけれども、来ていただくための工夫や来ていただいた後の接客はそこそこ。お客様の行動観察はなんとなくしているものの売り場の改善にはあまり積極的ではない…。これではなかなかお客様が来てくれなさそうですし、せっかく来ていただいたお客様もリピーターにはなってくれないかも知れませんね。
これは特定のお客様の具体的な話ではありませんが、私どもが日々お客様とお話しさせていただく中での「よくある話」です。普段からいろいろなお客様とお話をする中で、こうした悩みをお伺いすることが多いように感じています。
顧客視点で考える
これらの課題に共通する大きな問題があるとすると「顧客視点の欠如」ではないでしょうか。データに基づくWebサイトの運用を何のために行うのか?それは「よい顧客体験を創造するため」だと言えるでしょう。ここを忘れてしまうと、顧客のニーズを知り自社のサービスとのギャップを特定して改善するというサイクルを開始することができません。自社の商材を売る事ばかりに夢中になって顧客の姿を見ないようだと商売がうまくゆかないというのは想像に難くないでしょう。サイト来訪時のCVといった短期的な成果は重要ですがそれだけを追い求めるのではなく、中長期的に顧客とコミュニケーションし続け信頼関係を構築するという考え方を持つこともまた重要です。私どもは「運用ファースト」をスローガンに掲げて日々お客様のお手伝いをしています。「運用ファースト」とはつまり、Webサイトの運用を通じて顧客との中長期的な信頼関係を築くことだと言えるでしょう。
では「よい顧客体験」を実現し信頼関係を構築するためには何をすればよいでしょうか?やはりWebサイトを改修する必要があるでしょうか。質の高い潜在顧客と出会うためには、広告での集客やSEOに取り組めばよいでしょうか?ソーシャルメディアはどうでしょうか?Facebookだけではなくインスタグラムなども利用すべきでしょうか?リピーター獲得のためにはがんばってブログを更新し続ければよいでしょうか?よい顧客体験を実現するためにはどのような手段やプロセスが必要か?その答えを導き出すためには、まず何といっても「顧客のことをよく知ること」が最重要なのではないかと思います。
ツールを組み合わせて顧客ニーズに迫る
では最新のアナリティクスツールを使ってWebサイト等の解析をすれば、顧客ニーズが明らかになりこれらの課題が解消されるでしょうか?実はここが難しいところで、私どもが普段活用しているGoogle アナリティクスにせよ他のツールにせよ、特定のツール単体ではどうしても得られる情報が断片的になりがちでなかなか顧客ニーズが把握しきれない、というのが正直なところだと思います。
そこで最近進められているのが、各種データやツールの連携です。ここ数年、社内外に存在する各種マーケティングデータを集めて分析をするためにプライベートDMPとBIツールを活用しようという流れがありますし、そこまで大きな話ではなくWebサイトひとつを考えてみても、顧客ニーズを把握するためにはサイト内の行動データだけではなくアンケート調査やインタビュー、あるいはユーザーテストが必要かもしれません。いずれにしても、あらゆる手段を使って顧客の声を聞き取ろうとする熱意と努力が必要です。
これをツール側面から考えますと、さまざまなソリューションやツールを連携させることでツール単体で使う時よりもより多面的に顧客ニーズに迫ることが可能になります。Google アナリティクスを基盤考えますと、例えば次のような組み合わせが考えられます。
- Google アナリティクス×ヒートマップ
- Google アナリティクス×企業情報
- Google アナリティクス×Webアンケート
- Google アナリティクス×A/Bテスト
- Google アナリティクス×広告プラットフォーム
- Google アナリティクス×オフラインデータ
また、さまざまなツールを組み合わせることによって得られたデータを読み解くにあたってはレポートの自動化ソリューションを併用することも効果的です。これによって素早く傾向を把握してアクションし、アクションの結果を観測するといった高速PDCAサイクルを形作りやすくなります。
こうしたツール連携や高速PDCAサイクルの運用は、Google タグマネージャのような管理ツールを併用すれば効率的かつ継続的に実行することが可能です。Google アナリティクスや各種ツールとタグマネージャ、そして顧客のことをもっとよく知りたいという情熱さえあれば、目の前の課題を乗り越えて「よい顧客体験」を作り出すことができ、ひいては「ビジネス上の利益の最大化」という成果を出すことができるでしょう。
Google アナリティクスをいまいち役立てられていないとお感じのみなさま、ひょっとしたらまだまだ使いこなせていないのかもしれませんよ!当社でもサポートしておりますので、お気軽にご相談ください。
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