ファインダビリティという品質
取締役社長 木達 一仁皆さんは、Webで何か調べ物をするときなどに、目当てとするコンテンツをどのような方法で見つけているでしょうか? GoogleやYahoo!などの検索サービスにアクセスし、関連する言葉を入力して、返って来た結果の中から(上位に表示された中から個別にアクセスして)見つける、という方法が一般的ではないかと思います。
見つけたいコンテンツの時事性が高ければ、FacebookやTwitterのようなソーシャルメディアで検索したほうが望ましい結果を得やすいかもしれませんし、検索に頼らずソーシャルメディアで繋がっている信頼の置ける人物にコンテンツの在り処を尋ねる方法を好む人もいるかもしれません。
いずれにしましても、コンテンツの見つけやすさというのは、Webサイトを運用しそこでコンテンツを提供する側からしますと、極めて重要な品質と言えるのではないかと思います。 Internet Live Stats の調べによれば、Webサイトの数は2014年に10億を突破、その後も増加し続けています。
どれだけ優れた、ユーザーが必要としているであろうコンテンツであっても、見つけやすさという品質が伴っていなければ、ユーザーにアクセスしていただく、利用していただくことは叶わないかもしれません。
ところでユーザー体験(UX)のハニカムと呼ばれる、UXや情報アーキテクチャ(IA)の界隈では非常によく知られた図があります。これは昨年、当社でIAとUXに関する特別社内講演会を実施した際にお招きした講師の一人である、Peter Morville氏が考案したモデルであり、UXがどのような品質から成り立つかをあらわしたものです。実際の図は、 Semantic StudiosのサイトにあるUser Experience Designというページ でご覧いただくことができます。
このモデルにおいて提示されているのは、次の7つの品質です:
- Useful(役に立つ)
- Usable(使いやすい)
- Desirable(好ましい)
- Findable(見つけやすい)
- Accessible(アクセスしやすい)
- Credible(信用できる)
- Valuable(価値がある)
当社はかねてよりアクセシビリティやユーザビリティといった分野を強みとしており、つまり上記に挙げられた品質のうち「Accessible(アクセスしやすい)」「Usable(使いやすい)」の2つについてはそれぞれサービスメニューを豊富に整備してきました。
しかし、それら2つと同じくらい基本的かつ普遍的に求められる「Findable(見つけやすい)」、つまりファインダビリティという品質については、全く取り組んでこなかったというわけではないにせよ(例えば情報設計については専門的な部門を擁しています)、そのキーワードの下にサービス化をすることは行ってきませんでした。
そんな背景から、先週のお話になりますが、ファインダビリティ改善という名のサービスをリリース。これは、SEOクオリティ診断という既存のサービスを置き換え、リニューアルしたものになります。名称そのままですが、Webコンテンツの見つけやすさを維持・向上させるための各種施策につき、検索サービスとソーシャルメディアそれぞれへの対応にスコープを限定するかたちで、ご提供するサービスになります。
何をもってしてコンテンツが見つけやすいと定義するかは非常に難しいテーマであって、一概には定義しにくい側面がありますが、改善を施すWebサイトへの流入経路を昨今主流の検索サービスとソーシャルメディアに限定することで、取るべき対策を明確にすることはできます。
以前からよくあるSEOの内部施策や、ソーシャルメディア対策と何が違うのか……と言われれば、明確な違いは無いでしょう。しかし当社ならではの総合力を生かして、情報設計、アクセシビリティ、ユーザビリティ、アクセス解析、SEOコンサルティング、デザインガイドライン制作といった既存サービス、またそれぞれの分野の専門家を集約し、Webコンテンツのファインダビリティ品質の改善をお手伝いしていきたいと考えています。
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