全社で取り組むデザインスキルアップ
アートディレクションチーム エグゼクティブアートディレクター 遠藤 真由美現在ミツエーリンクスではデザインスキル向上のために数多くの施策を行なっています。本日はその中から「デザイン実績共有会」についてご紹介いたします。
デザイン実績共有会とは
デザイン実績共有会は全社のデザイナー向けに2018年度から開催されている勉強会で、今年で3年目を迎えました。1回あたり1時間で、3人の発表者がそれぞれのデザイン実績を10分ほどで紹介し、参加者からコメントをもらう形式です。約3ヶ月に1回開催し、数多くのデザイナーの話が聞けるようにしています。全社向けに実績の概要を共有する仕組みは別にあるので、デザイン実績共有会はデザインフェーズに限定した詳細な話ができる場として棲み分けました。
開催の背景
この会を始めた最も大きな理由は、部署を越えてデザイナー間の交流を深め会社全体でのスキルアップができるようにするためです。以前は今より人数や実績数が少なかったこともあり、概要+αの共有の仕組みや日頃の会話の中で意見交換ができましたが、人数増加に伴い部署も増えたことで、だんだんと「他の部署が何を作っているか」が見えづらくなってきました。しかし逆に人数が多いからこそ連携を強める仕組みを作れれば、お互いに新鮮で刺激のある勉強会を継続できるのではと考え開催に至りました。そのため、共有会では1年で全部署が発表できるようにしています。
目的
- お互いに「良い刺激」になること
- デザイナー同士の交流
- デザインを伝えるスキルの向上
特に3つ目が特徴で、お客様にデザインの意図をお伝えする際に話すスキルも重要と考えて設定しています。
運営のポイント
参加率を高く維持し定期的に開催するためのポイントとして以下の3つを押さえています。
- 開催後に必ずアンケートを採る
- 開催して終わりにならないよう良かった点や改善点を拾い上げます。
- 参加した人にとっても感想を言語化することで学んだ内容を整理する機会になります。
- 発表側、参加側双方の負担にならない時間配分にする
- 忙しさなどが理由で勉強会が自然消滅しないよう継続のための重要なポイントとして位置付けています。
- 適切な時間設定は難しく年度ごとに調整を図っています(その際アンケートが非常に役立ちます)。初年度は全体で1時間半だったのを1時間に短縮したのに対し、1人あたりの発表時間は長くして満足度が上がるように変更しました。
- 1人の発表のあと参加者から都度コメントをもらい参加者全員に共有する
- 全体で共有すると1つのコメントから話が広がって新しい学びにつながることがあります。
今年度の工夫
昨年度出てきた改善点への対応に加えコロナ禍ゆえの工夫も必要でした。リモート開催になって今までのような盛り上がりがなくなるのではないかと危惧しましたが、結果的にはかえって良くなった面も多くありました。
例えば場所や時間、職種を問わず参加しやすくなり実際に参加人数も増えたことが挙げられます。発表へのコメントを付箋ではなくオンライン上でもらうことでリアルタイムでの反応が見られたり、全員で見返しやすいという発見もありました。
また、今年度のテーマとして特に「デザイン制作にあたって何をどう考えたか」という思考面の発表が中心になるよう運営側から発表者へお願いしました。お客様のご要望をふまえてどのようにデザインを形作るかや、既存のガイドラインをどのように捉えて新しいページを作るかなど、日頃デザイナーが苦心する点に対して具体的に知ることができる密度の濃い場になりました。
開催後のアンケートやコメント
多く聞かれるのは普段話す機会が少ない人の発表が刺激になったというコメントです。発表にもそれぞれ特徴があり、凝ったスライドで印象的な発表をする人やトーク上手な人など内容以外にも個性を垣間見ることのできるおもしろさがありました。このような機会を通して各デザイナーの人となりがわかると今後同じ案件に関わることになった場合に全くの初対面よりも話しやすくなる効果があると思います。また、自分と同じ考えや課題意識を持っている人がいて共感できたという声も多く、そこにも大きな価値を感じています。
今後に向けて
個人が持つノウハウそのものにも価値がありますが、こういった仕組みづくりを通して全社に拡散・浸透させていくことでデザインの品質を高めていけると考えています。今後も私たちデザイナーにとって何が必要か・学びたいかをキャッチし、勉強会を運営していきたいと思います。
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