自然言語処理AIの現在地とは
取締役(CXO) 第四事業部事業部長デジタルトランスフォーメーション部マネージャー 山下 徹治
ビジネスプロセスにAIやRPAなどのデジタルテクノロジーを組み込んで、どうにかして生産性をアップする方法はないか、なにか当社らしいサービスを生み出せないかと日常的に考えているので、デジタル技術については極力アンテナを立てて情報収集するように努めています。いろいろなデジタル技術がある中で注目している技術はいくつかあるのですが、特に注目しているのが自然言語処理の分野です。とりわけ2020年7月に発表されたOpenAIのGPT-3(Generative Pretrained Transformer 3) という文章生成言語モデルは評価が高く、文章作成やプログラミングコードの生成、デザインの生成など広範囲に応用が可能と言われており、海外を中心にすでにいろいろな商用サービスが立ち上がってきています。
さて、本日のコラムでは、GPT-3の実力を実際に試した結果を共有し、自然言語処理の現在地についてお話ししようと思います。まずは、GPT-3を使って作成した「2022年のRPAのトレンド」をテーマに作成した文章をご覧ください。
2022年のRPAのトレンド
RPAとは何か?どのように機能するのか?
ロボットやオートメーションは、職場においてますます一般的になりつつあります。自動化の代表的なものに、ロボティック・プロセス・オートメーション、すなわちRPAがあります。
RPAは、世界中でさまざまなタスクに利用されています。請求書発行、データ入力、文書管理など、さまざまなプロセスの自動化に活用されています。RPAは、企業のコストと時間を削減し、人間よりも高い精度を提供することが証明されています。
各業界におけるRPAの利用状況
この技術の利用は、特定の業界やセクターに限定されるものではありません。あらゆる業界の企業が、プロセスの自動化とコスト削減のための方法を模索しています。
RPAが使用されている業界には、以下のようなものがあります。
- 銀行業
- ヘルスケア
- 製造業
- 小売業
RPAを利用するメリットとデメリットとは?
長所
- 手動で行っていた作業を自動化することにより、人件費を削減することができます。
- 重複作業を排除し、プロセスを簡素化することで、効率性を向上させることができます。
- 重要度の低い作業をロボットに委託することで、企業がコアコンピタンスに集中することができる。
短所
- より多くの機密データが適切なセキュリティ対策なしにコンピュータとロボットの間で電子的に転送されるため、サイバーリスクが増加する危険性がある。
RPAの未来
RPAは今も進化を続けています。今後、産業界におけるRPAは、ワークフローの自動化と人工知能を活用した機械学習モデルの作成が重要になると考えられます。
いかがでしょうか。書きたい文章のテーマやいくつかのキーワードを入力するだけで、30秒もかからずに文章を生成し、用語の統一やくどい部分の削除など2,3分編集すればこの程度の文章は出来上がります。事実と異なるようなことは書かれておらず、一応それらしい文章をこれだけ短時間で作成できるという点では現時点でもなかなかの実力だと思います。ただ、多少なりともRPAを知っている方がこの文章を読めば全部どこかで見聞きしたような話で、2022年のRPAのトレンドという大仰なタイトルに見合った内容にはなっていません。
これは一例に過ぎませんし、あえて未来予想というAIには難しいお題を出しているのですが、このあたりが概ね現在の言語AIモデルができることです。AIが人間の代わりになって、あるいは人間以上にクリエイティブなことをやってくれるといった夢のような世界はまだ先のようです。ただ、ブログ記事の下書きレベルの文書構成をパパっと短時間で作ることや、既知の事実をまとめたりすることにはある程度使えそうだなといったように、業務への組み込み方や用途次第ではすでに有効とも言えます。
今回の文章作成も実はある海外のサービスを使って作成しましたが、いま世界中でGTP-3などの言語AIモデルを応用したサービスが次々とリリースされており、恐ろしい勢いで進化しています。引き続き情報収集のアンテナを張って実験も重ねながらサービスへの展開やビジネスプロセスへの応用方法を考えていこうと思います。
AIを使った文章の自動生成や多言語翻訳に興味がある方、Web制作プロセスの未来像に興味がある方、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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