サステナビリティ経営時代のWeb品質
取締役(CTO) 木達 一仁オミクロン株の流行により、新型コロナウイルスの感染拡大はいまだとどまる所を知らず、私たちの生活はさまざまな場面で制約がかけられたままです。加えて、ウクライナ情勢はかつてないほど緊迫しており、先行きの不透明感はますます、世界的に強まっています。
この局面においてサステナビリティ、持続可能性が、社会のあらゆる分野で試されていると感じます。
昨年6月に書いたコラム「DX&SXの時代」ではデジタルトランスフォーメーション、つまりDXとサステナビリティ・トランスフォーメーション、SXはどちらも等しく重要というニュアンスで記しました。その重要性のバランスが、昨今サステナビリティに傾きつつあるとも感じます。
直近の数週間の社会情勢を抜きにしても、企業においてはますます、環境・社会・経済の持続可能性に配慮した、サステナビリティありきの経営が求められてきました。具体的には、短期的思考から長期的思考へのシフトや、本業と社会課題解決の「同軸化」が求められています。
そうした経営の「あるべき姿」の変化に対し広報やIR、マーケティングなどでWebサイトを運用する担当者はどう応えるべきでしょう? 自社の事業継続に貢献し得るWebコミュニケーションを実現するのは大前提として、やはり社会全体の持続可能性に配慮したWeb活用が、必要ではないでしょうか。
鍵はWebコンテンツそのものの質もさることながら、それがどのように実装されているか、その品質にあると私は思います。社会のサステナビリティに資する品質でコンテンツが実装されていなければ、いかに内容が良くても自社の経営方針と矛盾を生じかねません。
では、サステナビリティ経営の時代に、Webコンテンツの実装に求められる品質とは、具体的に何でしょう。
第一には、アクセシビリティが挙げられます。2015年に国連で採択された持続可能な開発目標、SDGs(Sustainable Development Goals)は、その中で誰一人取り残さないことを誓っています。アクセシビリティ品質の向上が目指すのはまさに、ユーザーの誰一人として取り残さないことです。
また、Webを介したコミュニケーションは、少なからず電力を必要とします。従い、コンテンツの安定した表示が高速に完了し、またユーザーからの入力には俊敏に応答できる、表示パフォーマンスに優れた実装は脱炭素に、サステナビリティに貢献し得ます。
ほかにも、ユーザーの効率的な目的達成に貢献する品質は、それだけWebコミュニケーションに要する時間を減らし、かかる消費電力を抑制、ひいてはサステナビリティに貢献し得るでしょう。その論で言えばユーザー視点でのわかりやすさ、ユーザビリティ、ファインダビリティ(コンテンツの見つけやすさ)なども、重要な品質と言えます。
例外はあるにせよ多くの企業サイトの場合、ユーザーがWebサイトを訪問する真の目的は、そこにあるコンテンツを閲覧することではありません。商品購入にしろ資料請求にしろ、コンテンツを閲覧したその先に真の目的があることを、忘れてはなりません。
そうした品質のご提供をパッケージとして表現したのが、昨年リリースした「サステナブルWebデザイン ソリューション」です。リリースから一年あまりが経った今、改めてその要諦をお伝えする必要を感じ記したのが本コラムであり、また来る4月20日に開催を企画したサステナビリティ経営時代のWeb品質 解説セミナーです。
サステナビリティ経営を実践されている、ないしこれから実践しようとお考えの企業のWeb担当者の皆さまと、ぜひ直接お話ししたいところですが、コロナ禍ゆえオンラインのセミナーとせざるを得ないのは個人的には大変残念です。ともあれ、興味・関心をお持ちの方、ぜひお気軽にご参加ください。
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