リニューアルを成功させる制作会社のスキルセット
取締役(CTO) 木達 一仁本日、株式会社ビッグローブ様が主催、当社の共催によるオンラインセミナー「コーポレートサイトリニューアル、誰に頼む?何を使う? 成功のための制作会社とツールの選定ポイント」が催されました。そのなかで、私は第1部「リニューアルを成功させる制作会社のスキルセット」を担当・講演させていただきました。参加された皆様、そして運営に携わられた皆様、ありがとうございました。
本コラムでは、セミナーに参加されなかった方に向け、私の講演内容の一部を簡単にご紹介したいと思います。
リニューアル成功のポイント
企業のWebサイトにとって、あるいはWeb担当者の皆様にとって、リニューアルの「成功」とは何でしょうか。私の講演は、その問いかけからスタートしました。見た目が古臭くなってしまったのでリニューアルしたい、といったご要望はRFPで実際よく見かけます。では、サイトの見た目が今風になれば成功でしょうか?
それも「成功」のひとつに数えられるでしょうが、しかし企業Webサイトで本質的に求められるのは、ビジネスへの確かな貢献のはず。であるならば、リニューアルが成功したかどうかを、その直後に判断することはできません。一定期間KPIを計測し、リニューアル前後でデータを比較して初めて、成否は判断できるでしょう。
そもそもリニューアルした直後とは、「こういうコンテンツを用意すればコンバージョンが上がるだろう」とか、「こういう機能があればもっとサイトを活用してもらえるだろう」といった、さまざまな仮説に満ちた状態。個々の仮説に一定の根拠は存在するにせよ、仮説が当たったかどうかはリニューアル後にしか分かりません。
すべての仮説が的中して欲しいところですが、誤った仮説が確認できたら、悲しむ間も無く速やかに改善に取り組まなければなりません。仮説の当たり外れによらず、結局のところリニューアル後の運用を通じたWebサイトの継続的改善は欠かせません。その意味では改善のしやすさ、手の加えやすさこそ、リニューアル成功のポイントと呼べるのではないでしょうか。
これは、コラム『運用ファースト』を掲載した7年前の当時から一貫した考えであり、引き続き当社の掲げるスローガンでもあります。
制作会社が提供すべきスキル
ここまで書いてきた内容を踏まえるなら、制作会社が備えるべき、そして顧客企業に提供すべきスキルには、根拠に基づき仮説を立案するスキルと、仮説を検証のうえKGI/KPIを改善するための施策を継続的に実行するスキルの2つが挙げられます。
加えて、顧客企業と確固としたパートナーシップを構築するためのスキルも、制作会社には必要と考えます。パートナーシップを通じビジネス、ユーザー、そしてWebという、サイトの構築や運用において理解の欠かせない3つの分野すべてをカバーすることが肝要です。
というのも、上記の3分野を共同・連携してカバーできなければ、確かな仮説の立案、確かな継続的改善は困難と考えるからです。当然、同じ制作会社がリニューアル後の運用に携わる(=パートナーシップを維持・強化する)ことができれば、より効率的・効果的なサイト運用と、その先にあるビジネス貢献が可能でしょう。
また、さまざまなツールやサービスが進化し、ただ単に作るだけなら専門的知識を持たずとも、今や誰でもWebサイトを作れる時代。そんな時代にあって、アクセシビリティや表示パフォーマンスなどについては特に、高い品質の制作物を提供できるスキルが必要なのは、言うまでもありません(コラム『レディメイドとオーダーメイド』参照)。
Webサイト構築・運用のプロフェッショナルとして、お客様から安心してパートナーに選んでいただけるよう、また継続的なパートナーシップなり信頼関係を構築できるよう、社内スタッフと共にスキルを磨き続けなくてはと思います。
Newsletter
メールニュースでは、本サイトの更新情報や業界動向などをお伝えしています。ぜひご購読ください。