Googleのコア ウェブ バイタルが2024年3月に変更
取締役(CTO) 木達 一仁先日開催されたGoogle I/O 2023では、さまざまなアップデートが発表されました(10 updates at Google I/O - Chrome Developers参照)。なかでもWeb担当者、とりわけSEOに熱心に取り組んでいらっしゃる方には要注目の発表が、コア ウェブ バイタルが2024年3月に変更されるというものです。
目下、コア ウェブ バイタルとしては、以下の3つの表示パフォーマンス指標が定義されています。
- LCP:Largest Contentful Paint(もっともサイズの大きなテキストのブロックまたは画像要素が画面に表示されるまでの時間)
- FID:First Input Delay(ユーザーが最初に行った操作に対しWebページが実際に応答するまでの時間)
- CLS:Cumulative Layout Shift(ページの読み込みが開始されてから発生したユーザーの予期しないレイアウト変化の累積値)
このうち、Webページの応答性に関する指標であるFIDが、INP(Interaction to Next Paint)という別の指標に置き換えられる予定です。
INP自体は決して目新しい指標ではなく、1年近く前に発表されていたもので、FIDからの置き換えも、概ね予想されていたことです。ともあれ、実際に置き換わる2024年3月まで時間がありますから、たとえ現時点でINPが良好でなくとも、対応は十分可能でしょう。
置き換わる、という表現からお察しのとおり、INPはFIDと同じくWebページの応答性をあらわす指標です。ただしFIDに課せられていた2つの制約、具体的には最初のインタラクションに限定されていた点と、入力遅延のみを計測対象としていた点が見直されました。
ミツエーテックラジオの#35「新たなパフォーマンス指標 Interaction To Next Paintとは」においてINPとは何か、どうすれば計測できるかをやさしく解説しています。早速INPを改善したいとお考えのWeb担当者の皆さまは、ぜひご覧ください。テックラジオのなかではINPの計測手段として
の3つを紹介していますが、より簡易的にはChrome拡張のWeb Vitalsをご利用いただく方法があります。また、今年後半にはSearch Consoleのレポートに追加される旨が予告されています(Introducing INP to Core Web Vitals | Google Search Central Blog | Google Developers参照)。そうなれば、Web担当者の皆さまにはよりINPの良し悪しを把握しやすくなるでしょう。
どうすればINPを改善できるかは、現時点では日本語訳が提供されていませんが、How to Optimize Interaction to Next Paint (INP)とそこからリンクされている各リソースが参考になります。また、テックラジオの#36「RAILモデルとINPの改善」も参考になるでしょう。
INPを、コア ウェブ バイタルを改善したからといって、必ずしもGoogle検索結果のより上位に表示されるわけではありません。しかし、コア ウェブ バイタルは依然としてページ エクスペリエンスの一部であり、Googleのコア ランキング システムに関連付けられています。
そもそも、優れた表示パフォーマンスは、優れたUXにとって不可欠な品質です。日常的に意識されていない方がもしいらっしゃれば、今回の発表を機に、表示パフォーマンスの継続的改善に取り組み始めてはいかがでしょうか。
なお、来たる7月6日、オンラインで表示パフォーマンスとコア ウェブ バイタル 解説セミナーを開催します。コア ウェブ バイタルに興味のある方、表示パフォーマンスの改善に取り組もうとお考えのWeb担当者の皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。
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