2005年1月 継続的改善活動のご報告
各システムの要約
- ISO14001
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フロア環境責任者向け勉強会の実施
- ISO9001
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統合したシステムで外部機関による審査を受けました
- ISO10002
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「VOCダイレクト」を新設
- BS7799
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勉強会準備と社内ネットワークシステムの変更
- JIS Q 15001
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従業員教育の見直し
- ECS2000
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緊急対応テストの是正対応が終了
- OHSAS18001
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内部監査結果への対応
ISO14001(環境マネジメントシステム)
1月は、主な活動として、フロア環境責任者向け勉強会の実施と、12月に引き続き文書・様式・記録の、他マネジメントシステムとの統合作業をおこないました。
当社ではまず環境管理責任者が、各フロアに配置されたフロア環境責任者に対して勉強会をおこない、その内容をフロア環境責任者が各フロアで水平展開する方法を採っています。勉強会は半期に一回の計画になっていますが、今回の勉強会は、この半年間に手順が変更になった箇所について再確認をおこないます。
手順の細かな部分は、日々の業務の中で頭から抜けがちになってしまうものですので、定期的な教育の場で従業員の意識を高めていきます。
文書・様式・記録の統合については、可能な範囲で徐々に統合を進めています。
各マネジメントシステムが持つ多くの文書は、無理矢理に統合を進めると各文書間で不整合が発生することがありえます。特に危険が高いのは、それぞれのマネジメントシステム間でトレードオフが発生する場合です。例えば、当社の環境マネジメントシステムでは、紙文書は廃棄せずに古紙回収でリサイクルすることになっていますが、情報セキュリティマネジメントシステムでは、機密性の高い紙文書はリサイクルせずに、読めないようにしてから廃棄することになっています。
これはあくまで一例ですが、いくつかのマネジメントシステムを組織内で運用している場合、大なり小なりこのような問題は発生します。以上のように、文書・様式・記録を統合する際は、関係するマネジメントシステム間で慎重に調整を行い、制御可能な範囲で実施することが重要だと考えています。
2月の予定
- ISO14001維持審査
- 従業員向け勉強会
- 文書・様式・記録の統合推進
ISO9001(品質マネジメントシステム)
1月は外部審査機関による審査を受けました。2003年6月から推進してきた当社の統合マネジメントシステムへの試みを、初めて第三者に検証していただく機会となりました。期待と不安が入り混じった気持ちで臨みましたが、審査が終わって受けた印象は思いのほか拍子抜けしたものでした。審査員の方が繰り返し言及されたのは、「マニュアルには、組織のルールが分かりやすく書かれていれば、それでよい。」という内容のことでした。「6つのマネジメントシステムを統合する」ということで、必要以上に身構えていたのかもしれません。マネジメントシステムの統合により、多少業務が効率化されたとしても、仕組みが分かりにくかったら統合の意味はなくなる、ということを学んだ審査でした。
審査の結果としては、4件の観察事項を受けました。すべて、マニュアルのわかりにくさ(プロセス間の相互関係が不明確)に関するものでした。
2月は審査で学んだことを活かし、いかにユーザーがわかりやすいマニュアルにできるか、という視点で改善を進める予定です。「専門用語や難しい漢字を多用していないか」という点から、「手順を調べるときにマニュアルの中で迷子にならないか」という点まで、マニュアルのユーザビリティを高めるため、総合的な見直しを実施します。
2月の予定
- 外部審査機関による審査結果への対応
ISO10002(苦情対応マネジメントシステム)
1月は、当社のお客様向けに「VOCダイレクト」という新しいサービスをスタートいたしました。
VOCダイレクト」は創業以来の「お客さまの生の声を聞く。それを真摯に受け止める。それによってサービスを変革し続ける。」というモットーを形にしたサービスです。当社のWebサイトからお客様の声をご登録頂くことにより、「質問、要望・要求、苦情、アドバイス、感謝のコメント」などを受け付け、直接当社の経営層、責任者、スタッフへ「VOC(お客様の声)」が届く仕組みです。
VOCダイレクトがお客様へのサポート強化、サービス改善活動に積極的に取り組むきっかけとなり、お客様の満足度向上につながるサービスとして大いに期待を寄せています。
2月の予定
- パフォーマンス評価基準の見直し
- 新方式CSアンケートをスタート
BS7799(情報セキュリティマネジメントシステム)
1月は、従業員教育の準備と社内システムの改善をおこないました。
従業員教育では、今まで使用していた社内勉強会用の資料を改めて見直し、現場スタッフにわかりにくい部分や、今まで曖昧な表現であった部分などを明確化することで、よりわかりやすい勉強会資料に作り直しました。スケジュールには若干の遅れが出てしまいましたが、2月上旬から現場スタッフを対象とした勉強会をおこなうことができそうです。
社内システムの改善については、データセンターの拡張と、社内で使用しているメールサーバの変更をおこないました。データセンターの拡張では、12月より準備を進めてきた結果、特に問題もなく終了し、担当者一同で「ホッ」と胸を撫で下ろしているところです。また、今回の成功を今後につなげていくために、今回の事例をできる限り手順化することで、今後の改善につなげていこうと思います。また、社内メールサーバの変更では、既存のメールシステムとはまったく違ったシステムへの変更だったため、変更後に問題が至る所で発生し、担当者が社内中を駆け回り対応に追われました。現在は落着きを取り戻していますが、今回の失敗は、システムを設計した際の検証が十分でなかったことが原因でした。そのため、BS7799の手順を改訂し、新しい社内システムを導入する際の検証手順を見直し、同じ失敗を繰り返さないように改善を図っていこうと思います。
2月の予定
- 社内の情報資産のリストアップ
- BS7799の定期従業員教育
- BS7799の内部監査
JIS Q 15001(プライバシーマーク)
1月は、従業員向けの勉強会テキストの見直しを実施しました。今までも定期的な勉強会はおこなってきましたが、管理者として、従業員教育よりもマニュアルの整備など、管理体制を作ることに躍起になっていました。しかし、マニュアルの整備もある程度進み、従業員に対して浸透を図っていける用意ができてきました。その為、1月は社内への浸透を進めていくための基となる勉強会のマニュアルの作り直しをおこないました。
- 個人情報を取り巻く社会情勢はどうなっているか?
- 本当に守ってもらいたい手順は何か?
- 手順を守らないとどうなるか?
など、今まで従業員に伝え切れていなかった部分を、この勉強会を通じて浸透を図っていこうと思います。
2月は、現在社内にある個人情報のリストアップを行う予定になっています。社内にある全ての情報資産を、画一的に管理をすることで漏洩を防止できるとよいのですが、残念ながら人員や物などのリソースや、従業員の業務の繁雑さなどの多くの要因のため、どんな管理体制をしいたとしても、情報漏洩の防止策に完璧はありません。また、その一方で「個人情報は、絶対に漏洩してはならない」という、大原則があります。限られたリソースを有効に活用するためには、情報資産に対して、的確なリスクアセスメント実施することが必要です。
現在社内にある個人情報を再リストアップし、
- 漏れがないか?
- 追加された個人情報の重要度は?
- それぞれどのような管理方法がなされているのか?
- 利用方法に収集目的との差異はないか?
などをリストアップし、リスクを測定することで、
- 今後管理を強化しなくてはならない個人情報
- 現状の管理方法を遵守していれば、漏洩する危険性が少ない情報
などを識別し、重点的に管理を行う情報の選別をおこなう予定です。これらをBS7799のリスクアセスメントと並行して実施することで、社内にある個人情報を含む、情報資産の管理を行っていこうと思います。
2月の予定
- 個人情報管理の定期勉強会
- 社内にある個人情報のリストアップ
ECS2000(倫理法令遵守マネジメントシステム)
1月は、2004年8月に実施された内部監査の結果への対応を終了する予定でしたが、予定に対してその実施が遅れています。遵守すべき法令を特定する手順の全体的な改善作業を継続しておこなっています。
内部監査結果への対応完了したものとしては、事故情報の速報体制の確立が挙げられます。
事故情報の記載場所と作業担当者を決定し、事故発生から情報開示までをおこなう手順が整えられ、マニュアルとして明文化されています。速報用のWebページの準備も完了しました。
このほか、1月はフロア倫理責任者の任命、フロア倫理責任者の責任の明確化と説明を実施しました。
2月には今年度2回目の内部監査が実施されますので、それまでには前回の内部監査結果への対応を終了させるつもりです。このほか、フロア倫理責任者向けの教育の実施、全従業員向け勉強会をおこないます。
2月の予定
- 内部監査
- フロア倫理責任者向け勉強会
OHSAS18001(労働安全衛生マネジメントシステム)
1月は、12月に実施した内部監査結果への対応を行いました。内部監査からの指摘で、一番大きなものはリスクアセスメント手順の再構築です。心と身体の健康を配慮する方針のもと、OHSAS18001独自のリスクアセスメントの構築を始めました。構築については、まず原点に戻り、リスクアセスメント方法を再勉強したり、既に運用されているISO14001やBS7799のリスクアセスメント手順書を読み込んだりしました。
特に難しいのが、心の健康に関するリスクの洗い出しです。心に与える影響というのは人それぞれであり、ひとつの出来事が心に対してどれほど影響を与えるのかを簡単には決められません。そこで参考になったのが、2004年4月のマネジメントシステム運用開始前に実施した従業員アンケートとヒアリング結果でした。自由記述で書いてもらった内容を分類し、その分類をそのまま大分類としてリスクアセスメントに使用することにしました。
リスクアセスメントはマネジメントシステム運用の基盤となります。今後も4月の実施に向けて、内容を詰めていきます。
2月の予定
- リスクアセスメント手順書作成・準備
- 労働安全衛生会議開催