2005年4月〜6月 継続的改善活動のご報告
各システムの要約
- ISO14001
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環境に配慮した事務所移転の計画を立案
- ISO9001
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統計的手法を駆使して年度目標を立案
- ISO10002
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2005年度のマネジメントプログラムがスタート
- BS7799
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事務所移転によるセキュリティ強化
- JIS Q 15001
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内部監査の実施
- ECS2000
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2005年度目標、年間教育計画を決定しました
- OHSAS18001
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新たな体制で新年度のプログラムが始まりました
ISO14001(環境マネジメントシステム)
2005年度の上半期の大きなトピックスは8月1日の事務所移転です。4月〜6月までの活動は例年ですと、大枠のPDCAサイクル計画や環境目標を立案・承認というプロセスを実施することになりますが、今年はそうした例年の活動に加え、環境配慮の側面から事務所移転を計画する必要があり、充実した3ヶ月となりました。
たとえば、引越しで生じる大量の事業系廃棄物や家電を適正に破棄、またはリサイクル処理する計画の立案、また新オフィスに導入するオフィス家具を選定する際に、環境配慮型の製品を購入するように提案したりという具合です。
事務所移転というイベントがなければ手をつけられないような大規模な環境側面の見直しができたという点でも実りの多い3ヶ月でした。
7月〜9月の予定
- 新事務所での環境影響の測定
- 手順書の見直し
- 維持審査
ISO9001(品質マネジメントシステム)
5月に大きな事故が起きました。お客様の要求事項を満たすことができず、スケジュールどおりに納品ができないという事故です。
こうしたトラブルが起こらないように品質管理を徹底するという目的でISO9001を導入したにも関わらず、このような事態に陥ったことを恥じるとともに、再発防止を徹底する所存であり、その対策に着手しました。
品質マネジメントシステムのPDCAサイクルの中では、トラブルやCSアンケートの回答を統計的に分析することをまず行いました。続いて、その結果をもとに経営層による見直しを実施し、今年度の品質目標を設定しました。今年度の目標は、スケジュール管理の徹底、業務の効率化、人材育成のスピードアップ、納品物の品質向上が大きなテーマとなっています。
事務局側では、是正処置の完了率の向上を目標として掲げました。
これらの目標を単なるスローガンで終わらせないために、目標達成に向けて一歩一歩前進していきたいと考えています。
7月〜9月の予定
- 維持審査
- 是正処置の推進
- 品質目標の進捗管理
ISO10002(苦情対応マネジメントシステム)
新たな年度が始まりマネジメントプログラムを策定しました。
2004年度のトラブル・クレーム、社内からの是正指摘をまとめ、経営層への報告を終えました。現象別に分類すると出来映えに関するクレームが36%、スタッフの対応に関するクレーム28%、その他36%。これらをさらに詳細に分類していくと、今取り組むべき課題が明確になりました。 品質維持向上のため、ISO9001と連携を図り、2005年度の新たな取り組みに盛り込んでいきます。
また、5月にはある1件のトラブル報告から該当する案件について全調査したところ、社内体制の一部に脆弱性があることが判明しました。
報告がなければ調査することもなく、新たなトラブルが起こるまで発見できなかったことです。1件のトラブル報告から多数の潜在的問題に対応でき、予防処置がとれたことはとても有意義でした。
新たな組織体制になり、当初はトラブル報告やお客様の声の吸い上げが困難になるかと懸念しましたが、現在のところスタッフの理解とサポートでカバーできています。
しかし、実際のところ全ての部門でトラブル報告があるわけではなく、部門により偏りがあるのが現状です。
苦情対応活動の重要性の認識を高めていき、部門間のばらつきをなくすことが今後の課題であり、マネジメントシステム(MS)本部のミッションでもあります。2004年度以上のパフォーマンスを出せるよう努めていきます。
7月〜9月の予定
- 是正処置の推進
- 内部監査への対応
- 第三者監査の準備
- パフォーマンス評価結果の社外公開
BS7799(情報セキュリティマネジメントシステム)
8月1日付けで当社は西新宿の新事務所への移転を行います。情報セキュリティ委員会では、移転後のインフラ整備およびネットワークの見直しを急ピッチで進めております。例をあげますと、10年ほど前に導入した古いネットワーク機器で、設定内容などの記録が残っていなかったため設定を変更できないものがありました。事務所移転を機にそのような機器を交換してしまおうと計画しています。いわゆるレガシーとなってしまっている資産が切り捨てられる機会はそうありませんので、この機会を有効に使おうと考えています。
また、4月には2月から実施していた内部監査が完了しました。
内部監査では、「ミツエー社内で作業する派遣社員等の外部業者に対するセキュリティ教育の手順を確立してください。」や、「引越し後を想定した鍵の管理の徹底を盛り込んだ手順を確立してください。」など、今までの業務の中では、想定していなかったリスクへの対応や、引越し後のセキュリティ維持などの計21点の指摘を受けました。5,6月は、これらの指摘への対応などを含めて、セキュリティ体制の見直しを行っております。
7月〜9月の予定
- 維持審査(8月下旬)
- 社内ネットワークシステムの変更(〜8月末)
- BSの手順書見直し
JIS Q 15001(プライバシーマーク)
2005年度第一四半期は、新拠点への移転準備に追われてしまい、JISQ15001の活動がやや停滞してしまいました。もちろん新拠点に移転することにより、物理的なセキュリティ対策や社内ネットワークシステムの改善など、個人情報の漏洩対策は強化されますが、肝心の運用部分に重点を置くことができませんでした。第二四半期は、これらの反省を踏まえ、改善はもちろんのことですが、運用に重点を置いていきたいと思います。
また、第一四半期には、2月から実施していました内部監査が完了しました。
BS7799の監査と連動しているため、個人情報の安全管理策について特に比重が置かれた監査となりました。次回の監査では収集や利用についての監査項目を強化してもらい、個人情報の入手や破棄が手順どおり行われているかどうかなど運用面に比重を置いた監査をしてもらおうと検討しています。
7月〜9月の予定
- プライバシーマーク更新審査
- 内部監査手順の見直し
- 事務所移転にあわせた手順書の見直し
ECS2000(倫理法令遵守マネジメントシステム)
まずは2004年度の内部監査で指摘され、作業が完了していない是正項目を処理していくところから始めました。細かい調整業務が主な内容ですが、きちんと整備した上で新しい年度へ移行することが出来ました。
2005年度の活動として、まず新しい年度目標を設定しました。現状の体制をさらに強化していく必要があると感じており、目標はECS2000の運用面、社内への浸透に的を絞った内容としました。
同時に年間教育計画を改訂しました。社内への浸透を心がけ、定期的に各部門で行われる勉強会、月に一度の啓蒙メールの配信などを計画へ盛り込みました。少しずつではありますが、ECS2000を土台とした企業文化の形成に貢献できるよう努力していきます。
7月〜9月の予定
- 年間教育計画のタスク実施
- 倫理プログラムの策定
OHSAS18001(労働安全衛生マネジメントシステム)
2004年度からOHSAS18001の取り組みが始まり、今年の3月で一旦全作業結果をまとめ、4月に経営層への報告、資料の全社報告をおこないました。平均年間残業時間の減少など取り組みの結果が目に見える形で表れ、活動の効果を実感いたしました。心の健康アンケートでは「業務が忙しい」という回答が多い反面、「現在の仕事が自分にあっている」「やりがいを感じている」など、職種に対して高い満足度を感じていることが分かってきました。
4月〜6月は、2005年度のOHSAS18001活動を推進するにあたって必要な事柄を整備し、全スタッフへの定着を図りました。まず、経営層との協議のもと2005年度OHSAS18001全社目標を決定し、その目標を達成するために各部門でどのような取り組みが出来るのかをそれぞれが考え、アクションプランを構築しました。現在はそれらのプログラムを運用し、毎月計測をおこなっています。
また、OHSAS18001の取り組みを各部門レベルで積極的に推進する役割を担う「労働安全衛生委員」の組織を見直し、勉強会の実施などを通して昨年にも増してより一層スタッフへの浸透を図っています。さらに、昨年から毎月おこなっている「心の健康アンケート」も継続して行っており、貴重なデータを毎回収集しています。
7月〜9月の予定
- 心の健康アンケートの継続
- 各部門プログラム計測
- リスクアセスメントの実施