2006年1月〜3月 継続的改善活動のご報告
各システムの要約
- ISO14001
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法規制の遵守確認の頻度と方法を変更
- ISO9001
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指示や依頼には時系列性を持たせること
- ISO10002
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BetterTomorrow対応/障害者雇用の目標達成
- BS7799
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内部監査および維持審査の実施
- JIS Q 15001
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ファイル交換ソフトへの対応に関して
- ECS2000
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セクシャルハラスメント・パワーハラスメント対応体制の確立計画
- OHSAS18001
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心の健康アンケートバージョンアップ・EAP(従業員支援システム)導入準備
ISO14001(環境マネジメントシステム)
2月に維持審査がありました。結果はマイナー指摘が1点。その他オブザベーションが4点(内1点がGood Point)でした。マイナー指摘は法規制の遵守管理表のメンテナンスについてで、更新が手順どおりなされていないということについての指摘でした。
手順が決められている以上は、その手順を守るのがISOの決まりごとです。しかし、そもそもIT業界に関わりのある法規制は少なく、さほど頻繁に変更されることはないので、手順を守る意義、意識が薄れてしまっていました。
改善策としては、遵守チェックの頻度をもう少しゆるやかにする一方で、遵守チェックの方法は単なるチェックリストの管理ではなく、簡素化と実証性を両立するものに改善しました。一例をあげると、廃棄物に関する法規制の遵守状況はデジカメで定期的にゴミ箱を撮影し、そのデータ自体を記録としました。
2006年は引越しがどれだけ環境負荷にプラスの影響を及ぼしたのか真価が問われる年です。前向きに次年度の活動を計画し、実行していきたいと考えています。
4月〜6月の予定
- 環境影響評価の実施
- 2006年度マネジメントプログラム設定
- 勉強会実施
ISO9001(品質マネジメントシステム)
3月に継続審査がありました。継続審査ということで、丸々2日間かけ、全部署がISO9001への適合性と業務への適応性の審査を受けました。
結果は、マイナーが1点。オブザベーションが12点でした。さすがに継続審査なので指摘の数は多かったです。
マイナー指摘はもちろんですが、オブザベーションの指摘も的を射たものが多く、今後の課題として非常に参考になるものばかりでした。
特に痛感するのは、指示や依頼に時系列性を持たせるようにすべしということ。実は常日頃、弊社代表からもよく指摘されることで、頭では理解できていても、こうやって指摘されてしまうということは、まだまだわかっていないということです。頭の回路にきちんと組み込みつつ、この指摘を二度と受けないような仕組みを事務局側で作っていきたいと考えています。
4月〜6月の予定
- 環境影響評価の実施
- 2006年度年間目標の設定
- 内部監査
- 勉強会実施
ISO10002(苦情対応マネジメントシステム)
弊社では「顧客満足のために」という基本姿勢のもと業務改善のアイデアを募る「BetterTomorrow」というシステムがあります。
BetterTomorrowには顕在化している問題だけではなく、潜在的なリスクを早期に見つけてトラブルやクレームの防止を図ると同時に顧客満足(CS)活動に役立つ情報を集める目的があります。
このシステムにはスタッフの視点からさまざまな意見が寄せられ、すぐに対応が可能なものとそうでないものがあります。その中で、かねてから対応の必要性を感じながらもなかなか達成することが難しかった「障害者雇用」という目標を達成することができました。
弊社はWorld Wide Web Consortium(W3C)という組織の会員であり、「W3Cの理念を十分に理解し活動するには、障害者をスタッフに迎えたい」というスタッフからの意見はもっともなものでした。しかしながら、職場の環境や人事的な側面の問題に加え、求める人材のスキルは高く雇用が進まない実情がありました。
しかしこのたびようやく雇用が決定し、アクセシビリティの実装や社内啓蒙活動に活躍いただくため、4月からWeb開発チームの一員としてメンバーに迎えることができました。
道のりは長かったのですが、BetterTomorrowに寄せられたアイデアに対応できたことで、お客さまに満足いただけるコンテンツを提供できる準備の第一歩となったことは大変喜ばしいです。これからもお客さまの声に耳を傾けるのは当然ですが社内スタッフの声に耳を傾け、昨日よりも今日、今日よりも明日が良くなっていくよう取り組んでまいりたいと思います。
4月〜6月の予定
- 2006年度計画の策定
BS7799(情報セキュリティマネジメントシステム)
1月にBS7799の定期内部監査を実施いたしました。今回の内部監査では、計25件の不適合が発見されました。
25件に関しては、文書に関する軽微な不適合がほとんどでしたが、数点大きな問題も発見されました。例えば、社内に複数台のサーバがありますが、それらのログインパスワードの変更が予定よりも遅れているものがありました。また、紙媒体のセキュリティ施策において、重要度に応じた処分・閲覧資格を定めていましたが、現状にそぐわない等の問題が発見されました。
今後、内部監査で発見された問題に対して、是正処置をおこなっていきます。
2月には、BS7799の維持審査がおこなわれました。結果として、指摘事項(メジャー)0件、(マイナー)0件、観察事項3件(内1件はGood Point)で、無事に認証を維持したことをご報告いたします。観察事項の内訳としては、弊社のBS7799管理外にある常駐型プロジェクトにおいても、常駐スタッフへの教育等をおこなっている点に関して、評価をいただきました。反面、弊社から協力企業およびパートナーに業務を委託する際に、秘密保持契約を締結しておりますが、機密性という点では問題ないものの、完全性・可用性に関しては盛り込まれていなかったので、その点を指摘いただきました。今後、指摘いただいた点を改善につなげていきたいと思います。
今回、内部監査でほとんどの指摘が出尽くしていたため、審査では軽微な不適合が2件となりましたが、今後は内部監査の指摘が出る前に、改善をおこなうことができるよう、アグレッシブな運用を心がけていきたいと思います。
4月〜6月の予定
- 情報資産のリスクアセスメントの実施
- 内部監査であがった不適合および審査結果への対応
- 社内インフラの整備
JIS Q 15001(プライバシーマーク)
1月から3月にかけて、新しくパートナー契約を締結させていただいた協力会社に対して、内部での個人情報の管理体制のヒアリングシートを送付させていただきました。その結果から、やはり社会的に関心が高いことから協力企業内部でも、適切な個人情報の管理をおこなっていることを確認しました。今後、既存の協力企業に対しても、ヒアリングシートを送付させていただき、個人情報の管理が行き届いている企業さまとは、今まで以上に緊密なパートナーシップを結んでいきたいと思います。
また、1月から3月にかけて、ファイル交換ソフトであるWinnyを使っての情報流出が社会的な関心事になりました。その関係から、弊社にも顧客企業さまよりWinnyなどのファイル交換ソフトの使用禁止の徹底に関する依頼等が数件届きました。
弊社ではBS7799取得直後より、全社的にファイル交換機能を含むソフトウェアの使用を禁止しております。また、社内LANにつながる全てのPCに関しては、インストールされているソフトウェア情報を収集・分析することで情報の流出に対して、牽制をおこなってきました。今後もこれらの対策を維持するとともに、より情報の流出という事態へ対策を徹底していきたいと思います。
今後に関しては、3月には4月に予定している個人情報の棚卸しの準備をおこないました。5月に個人情報の棚卸し結果からリスクアセスメントをおこない、今まで以上に個人情報の管理を強化していきたいと思います。
4月〜6月の予定
- 個人情報の棚卸しの実施とリスクアセスメント
- 手順の徹底・改善
ECS2000(倫理法令遵守マネジメントシステム)
毎月新しいスタッフが何名も入社し、全スタッフ数も160名を超えました。フロアで出会っても名前や部署がわからない人と出会うことも珍しくなくなってきました。社内全体が見渡せなくなると、セクシャルハラスメント・パワーハラスメントが発生した場合、発見ができない確率が上がります。
今までにも報告相談窓口の設置、専用メールアドレスの作成、セクシャルハラスメントガイドラインの作成など対応体制を確立してきました。しかしながら、社内啓蒙が弱く、新しいスタッフへの教育、弊社のセクシャルハラスメント、パワーハラスメントに対する対応姿勢を明確にする必要があります。
2006年度は、
- 報告相談窓口の再告知(外部相談窓口を含む)
- 報告相談対応フロー確立
- セクシャルハラスメント・パワーハラスメントに関する勉強会の実施
- ガイドラインの更新
を、倫理プログラムとして作成し、実施していく予定です。
また、社内の状況の把握、監視プログラムのひとつとして、セクシャルハラスメントのアンケートを毎月実施します。スタッフの負担軽減も考え、OHSAS18001で実施している心の健康アンケートに項目をのせておこなう予定です。セクシャルハラスメントは表面化しづらく適切な対応が必要な問題であるため、啓蒙、対応の迅速化を目標に取り組んでいきます。
4月〜6月の予定
- コンプライアンス委員選出
- 法規制登録簿の見直し
- 全社従業員意識調査実施
- 報告相談窓口の再告知
OHSAS18001(労働安全衛生マネジメントシステム)
3月に2005年度の活動のまとめとして、労働安全衛生委員会を開催しました。
労働安全衛生委員会は、各部門のスタッフから選出された労働安全衛生委員、従業員代表、労働安全衛生担当役員、労働安全衛生担当責任者が出席しておこなわれます。
今回の委員会で議題としてあがったのは、心の健康アンケートの回答率です。
心の健康アンケートは、OHSAS18001運用開始した2004年11月から毎月スタッフのストレス具合を計るために実施しています。この結果を受けて、フロア変更時に全社の椅子を疲れにくいものに変更したり、スタッフの息抜きとしてミニパーティを開催したりしています。しかしながら、アンケートの回答率は40%から50%と低く、2006年度は結果の信頼性をあげるためにも70%以上を維持したいと考えています。
委員から
- 毎回同じ項目であきてしまう
- 項目数が多くて手間がかかる
- 社内改善に利用されることを知らない人が多い
といった意見が出ました。
この議題を、代表取締役、労働安全衛生担当役員、労働安全衛生担当責任者でおこなわれている労働安全衛生会議にインプットし、
- アンケートの項目数を減らしスタッフの負担を減らすこと
- 労働安全衛生委員からも各部門にアンケートの実施を呼びかけること
が決定しました。
項目数は毎月変化しやすい、心理的ストレス、身体的ストレス項目に絞りました。
その他、仕事に関する負担度、対人関係などに関する項目は2006年度から実施するEAP(従業員支援システム)でフォローする体制としました。
これまでの心の健康アンケートでは全体的な傾向のみとらえており、個別対応はできていませんでした。今後はEAPで分析結果を個別に知ることができ、また会社を通さず個別に医師やカウンセラーに相談できるため、今まで以上にスタッフが安心して働ける体制を整えることができます。
形は変わりましたが、今後もスタッフの心のバロメーターとして、心の健康アンケートを利用し、社内改善へと役立てていきます。
4月〜6月の予定
- 2006年度従業員代表選出
- 労働安全衛生会議開催
- 労働安全衛生委員会開催
- 部門勉強会開催
- 全社リスクアセスメント実施
- EAP開始