2006年4月〜6月 継続的改善活動のご報告
各システムの要約
- ISO14001
-
消灯ルール再徹底
- ISO9001
-
維持審査で受けたマイナー指摘を是正
- ISO10002
-
新たな試みの中で
- BS7799
-
ISO27001移行準備
- JIS Q 15001
-
間接収集の手順を再徹底
- ECS2000
-
報告相談窓口を活用してもらうために
- OHSAS18001
-
スタッフとともにおこなう運用活動へ
ISO14001(環境マネジメントシステム)
5月に帰宅時の消灯ルールの見直しを図りました。
以前は部署内の最後に帰る人が消灯し、チェックシートに名前を記すというルールでした。
しかし、電気が2つの部署をまたいでいて、消灯責任がどちらの部署にあるかが明確になっていなかったことと、実施をプッシュしていなかったため、定着していませんでした。これを改善するために、「環境☆組」という電気の配置ごとのグループを作りました。どこの電気を誰が消さなければいけないかということを明確にし、毎日各組の実施の有無をメールで送信しました。
新ルールでの実施率は5月が80%、6月が77%といずれも目標の90%には届きませんでした。
今後もメール送信の継続と、実施率の低い組には口頭で実施を促すなどして、目標の達成を目指します。
6月には手順の確認を目的としたテストを全社員におこないました。
点数が80点未満のスタッフと未提出のスタッフには勉強会を実施しました。
テストでは、管理責任者の変更がいきわたっていないという問題点が明らかになりました。今後掲示板を利用し、周知徹底を目指します。
7月〜9月の予定
- 維持審査
- 内部監査
- 緊急事態テスト
- 法規制の見直し
ISO9001(品質マネジメントシステム)
5月に品質管理責任者が変更になりました。責任者の変更後は、主に、目的のルールや記録にたどり着く時間を短縮するために、マニュアル・記録体系を整備しました。また、外注業者の評価が確実に記録されるようなフローを構築しました。前回の維持審査でマイナー指摘を受けての改善です。具体的には、外注業者の評価を記録しないとその後の処理が中断してしまうようにシステムに制限を設け、記録の漏れを防止しました。是正処置後は、記録実施率が飛躍的に向上し、外注業者の評価と記録維持を本来の姿に近づけることができました。
今後の活動としては、品質目標の計測結果を現場へフィードバックする活動を強化する必要があると考えています。ISO9001を維持・管理するという視点をベースにしつつ、具体的に品質を上げていくプロジェクトをどんどん打ち出していきたいと思います。
7月〜9月の予定
- 2006年度年間目標の測定、公表開始
- 文書体系の再構築
ISO10002(苦情対応マネジメントシステム)
前任のスタッフから引き継いで4月3日より担当になりました。
新しく苦情対応マネジメントに携わることになり、毎日が勉強です。苦情対応のための国際規格ISO10002が社内で維持される環境づくりを精一杯がんばっていきたいと思います。
6月の運用からいくつかのプロジェクトが始動しています。
最大のトピックとしては新体制の構築です。品質マネジメントシステムと共通した組織体制のスタッフ間で、苦情対応マネジメントの認識がやや薄く、連携がとりにくくなっていました。これにより2005年度の組織体制見直しが課題になりました。
2006年度はこれまでの部署ごとの苦情対応担当者に加え、部署とは別のプロセス改善を専門におこなう部署からも担当を選任しました。この双方で連携をとり、スパイラルアップ委員を編成し、苦情対応マネジメントの社内浸透も図ります。活動を開始したばかりですが、双方が連携を進めることにより、徐々に効果が出てくると確信しています。
始動したばかりの組織体制で開催した第1回スパイラルアップ委員会の議題として、社内での苦情対応マネジメントの定着が課題として挙げられました。4月からの増員により、現在スタッフが180名に増えています。新スタッフの苦情対応への理解を得るには、より効果的に社内浸透を図ることが必要になります。同時に、すでに苦情対応マネジメントを理解している勤続年数の長いスタッフには認識をさらに深めるために、苦情対応についてのメールマガジンを週2回のペースで配信することにしました。毎週火曜日には苦情対応マネジメントシステムの国際規格というものがどのようなものであるか理解を深めてもらうことを目的としてFAQを掲載します。毎週木曜日には、CS訪問やCSアンケートで得たお客さまからの声をまとめ、学ぶべきポイントを事例として紹介していきます。週2回のメルマガ配信をおこなっていくことで、苦情対応マネジメントシステムが社内に定着するよう啓蒙活動を推進していきます。
7月〜9月の予定
- スパイラルアップ委員会
- 社内でISO10002:2004の週2回のメルマガ配信
- パフォーマンス評価
- 定期教育の実施
BS7799(情報セキュリティマネジメントシステム)
4月から6月にかけて、BS7799からISO27001への移行審査の準備をおこないました。移行の準備として、リスクアセスメントの実施や文書の見直し、記録の整備などの諸作業やリスクアセスメントの結果を受けて「経営層による見直し」も実施しました。
6月には、マネジメントシステム教育の会社より、ISO27001の審査機関として登録するために、審査をさせて欲しいとの要望がありました。弊社にとっても、ISO27001移行の準備状況を確認する良い機会でしたので、審査をしていただきました。まだ文書審査が完了した段階ですが、準備不足の点が数多くあり、今後文書審査での指摘内容を改善していこうと思います。
また、社内ネットワークシステム面では、いくつかのサーバのスペックが不足してきたため、これらの改善計画を立てました。今後、これらの計画を実施していく予定です。
7月〜9月の予定
- ISO27001移行審査
- 社内ネットワークサーバのスペック改善
- 内部監査
JIS Q 15001(プライバシーマーク)
4月から6月にかけて、お客さまより個人情報をお預かりした場合の手順の再徹底を図りました。弊社の場合、社内にある個人情報の多くがお客さまよりお預かりした個人情報です。ご依頼いただいているお客さま側で、個人情報の保護に対する意識が低い場合、弊社担当者も手順を遵守しないケースが見受けられました。その問題点について、今後監視をおこない、担当者からお客さまに、個人情報の保護を働きかけられるように、スタッフ教育をおこなっていきます。
Operaの最新バージョンであるOpera9には、ファイル交換技術が組み込まれています。ファイル交換技術自体には、何ら違法性はないのですが、悪用すれば著作権の違反や、情報の漏洩などのリスクがあります。弊社では、2002年ごろより、ファイル交換ソフトはすべて社内利用を禁止してきました。しかし、Operaは主要なブラウザーの1つでもあるため、早急にOperaのファイル交換技術を検証し、ファイル交換技術を全社一括で無効化する方法を確立し、社内でも導入を検討していきます。
7月〜9月の予定
- 内部監査
- 間接収集の手順の徹底
ECS2000(倫理法令遵守マネジメントシステム)
4月に報告相談窓口の再設定と全社への告知をおこないました。
この報告相談窓口は法令、コンプライアンスマニュアルなどから逸脱した行為を見聞きした場合や、セクシャルハラスメント、パワーハラスメントなどを受けたり、身の回りで見聞きした場合などを対象としています。
報告先は、コンプライアンス責任者、副責任者、また人事と連携をとる必要があるため、人事担当の3名であることを明確にしました。3名のみ加入している専用メーリングリストや、それぞれの個人宛への電話、メールなど多数の窓口を用意し、直接経営者とのみやりとりができる専用Web掲示板も案内しています。
また、下記のスタンスも明記しています。
- プライバシーを保護します。
- 報告相談をおこなったからといって不利益になることはありません。
- 報告相談対処後に、加害者からの報復行為は一切禁止とします。
しかしながら、7月1日時点でスタッフからの報告相談は1件もありません。これは社内のコンプライアンスが整っていることを意味するのではなく、報告相談のフローがスタッフに認知されていない、もしくは利用しづらいことが考えられます。
その改善策として、利用できる機会を意識的に作ることにしました。弊社では、2003年度よりOHSAS18001の活動で心の健康状態を調べるアンケートを毎月実施しています。そのアンケートに、社内のセクシャルハラスメントやパワーハラスメントの発生状況を調べる項目や、法令などの遵守状況を調べる項目を追加し、さらに報告相談窓口の案内も掲載しました。7月よりアンケートを実施しています。アンケートがスタッフから報告相談を吸い上げる方法として定着するよう、アンケート回答率のアップを目指していきます。
7月〜9月の予定
- 月間アンケート開始
- 意識調査アンケート実施
OHSAS18001(労働安全衛生マネジメントシステム)
4月は労働安全衛生委員の見直しと2006年度の従業員代表の選出をおこないました。
現在、労働安全衛生委員は前年度の委員に継続しておこなってもらっています。これは、OHSAS18001の運用が定着するまで、OHSAS18001を理解しているスタッフに協力してもらいたかったためです。しかし、運用も今年で3年目を迎え、運用の形式が定まってきたため、2007年度から委員は1年で交代とし、より多くのスタッフにOHSAS18001に携わってもらおうと考えています。
従業員代表は、運用開始から任期は1年としています。労働安全衛生委員が決まったあと、委員から募集します。従業員代表は、経営層と担当役員との会議に出席する唯一の委員になります。全社目標や部門プログラムの承認をおこなったり、計測結果に対する施策を決定したりする重要な役割を担います。そのため、事務局側から推薦をおこなったりせず、委員の自主的な意欲に任せています。2006年度は制作スタッフから1名立候補がありました。会議への出席だけではなく、改善テーマについて話し合うなど意欲的に参加してもらっています。
5月11日から2006年度の全社目標達成度の計測、部門のプログラムを開始しました。2005年度と同様、残業時間の削減、作業負担の平均化、心のコミュニケーションの活性化をメインテーマとしています。労働安全衛生委員から部門スタッフへ勉強会を開催してもらい、目標とプログラムの周知徹底をおこないました。今後継続的に計測をおこない、改善を図っていきます。
また、5月には心の健康診断(EAP)を実施しました。現時点で結果はまだ出ていません。スタッフが自分の心身の健康を見直すきっかけとなるよう心の健康診断を活用していきます。
7月〜9月の予定
- 月間アンケート開始
- 第2回労働安全衛生会議開催
- リスクアセスメント実施
- 緊急事態テスト