私のとらえるスピード化とは
代表取締役 髙橋 仁私達の大切な顧客企業様におかれましても、正月気分もそろそろ抜ける時期ではないでしょうか? 弊社のスタッフは、帰郷して温かく出迎えた両親と共に過ごしたり、おせち料理、酒三昧とみんな楽しんだようです。
このサイトは私達のステークホルダーである顧客企業様に少しでも有益な情報をお届けしたいということが趣旨ですが、本年からは、弊社スタッフもコラムを書きたいということで、内容の幅が広がるのではと期待しています。(早速、ディレクターの田口君のコラムが掲載されました)
「スピード」というキーワードについて
今日は「スピード」というキーワードに触れてみたいと思います。スピードが勝負の時代とよく言われます。あまりかきたてられると地から足が浮きそうな気分になります。現代は本当に企業活動においてスピードというキーワードが存命に関わる特別な時代なのでしょうか? どうもそうではないような気がします。手元に「孫子」という約2500年前に書かれた一冊の本があります。その第8章「九地篇」には「兵の情は速を主とす。」つまり「戦いの実情ではスピードこそが生命である」とあります。昔の戦争を現代の企業活動と捉えると、大昔も同じことを言っていることになります。「スピードというキーワードは今も大昔も変わることのない、その時代に常に存在しており、時代を生き抜く普遍の法則であり、現代における特別な言葉ではない」と言えるのではないでしょうか。
もう少し詳しく解説します。社会生活において、大概のひとは現在と比較してより高い満足を求めます。企業活動の中心はそれに影響を受けるように、満足要因として挙げられる、より早くより便利な「道具」を他企業よりも早く市場に投下しようとします。しかし、その「道具」が世の中に浸透してしまえば、全ての人々はその「道具」を使用しますので相対的には同じになってしまい、満足度はなくなります。すると、その環境の中でもより高い満足(スピード感や便利さ)を求めはじめます。市場(ひと)は、その環境の中で他社(他人)と比較して優れていることに価値観を感じる傾向にあるようです。それに応じることのできた企業が真っ先に市場(ひと)に受け入れられますので結果として競争優位性を獲得することができる。こんな感じでしょうか。
視点を変えてみましょう。個々の人生で、社会人として活動する期間は実に限られています。その中心は20歳前後から65歳前後です。 長い人間の歴史と比較するとあまりに短く、そのサイクルタイムが理解できないので、いつの時代でも「今は特別の時代だ。スピードが勝負だ」と言っているのではないでしょうか。スピードなどは、当たり前のことでそれだけで勝負に勝てないと思うことこそ、今求められる必要な認識ではないでしょうか。
では、明日をどのように切り開くか?
このような立場に立った場合、企業活動において明日をどのように切り開き持続的発展へと導くべきかについて考えてみます。公開された情報をすばやくキャッチしても、大概のものはすでに既知の情報ですから、価値は非常に低いと見ます。他社のマネをしても追いつくことは出来ても追い抜くことは莫大なコストが必要です。どこよりも早く情報をキャッチし、どこよりも早くサービスや製品を市場に投入するにはどうすべきなのでしょう。その答えは外部ではなく内部にあるように思えます。特に「企業としての意思」がどこに向いているかということが重要だと考えます。なぜならば、情報を受信することから、発していない情報を発掘することに興味の中心が行き、他社と比較することから、自社の主要顧客の声(事実)を捉えようとすることに情報収集の中心が移るからです。
企業における最上流に視点を移動し捉えようとするならば、自社の企業としての「意思」を再点検し、その意思を行動に移すプロセスを構築しスピードを上げること。バランススコアカードの4つの視点(財務の視点、ステークホルダーの視点、人材の視点、ビジネスプロセスの視点)が偏らないようにバランスを取ること、あるいは市場変動により重心を移動できる体制を企業活動プロセスに組み込むこと。戦略実行→レビューのサイクルにおいてリードタイムを早めるプロセスを構築して、クローズド・ループ・システム(戦略実行→レビューの循環プロセス)に加速度をつけること。 私はそのように考えます。
私達のインターネットソリューションにおける考え方の中心は、企業の意思がその企業の明日を切り開くという考えに立脚しており、したがって、企業の持つ「意思=独自性」を如何に捉えて、如何に表現し、如何に高めるかということになります。スピードという言葉に安易に右往左往することなく、ひとつひとつ事実を解き明かし、真に顧客企業の持続的発展のお役に立てるよう邁進していきたいと思っています。
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