「継続的改善」と言いつづける理由(1)
代表取締役 髙橋 仁今日は2月14日、バレンタインデーです。コンビニでは入り口にチョコレートが山積みになっていました。毎年毎年同じ行事をこなしながら、ひとの営みは連鎖し、循環しているといつものように思ってしまいます。
なぜ、継続的改善と言いつづけるのか?
私は、このサイトで、何回「継続的改善」という言葉を使用していることでしょう。なぜそこまで徹底して執拗にこの言葉を言いつづけているのでしょうか。今日は私が「継続的改善」に執着するきっかけとなった2つの衝撃的な体験について触れたいと思います。
1.ある方の言葉
10年近く前の話になります。ある外資系証券会社に在籍しておられた方が独立されました。その独立自体が有名なビジネス月刊誌で大きく取り上げられるほどその世界では名の知れた人でした。いまでも天性のマーケッターと呼ばれているようです。その方が20代の時に、ある企業の資産運用で数百億の損害を出したことがあったと雑誌に紹介されていました。また、たった一件の取引で100億近い収益を上げた実績があるとも言われています。
たまたま、その方の会社と取引きをさせて頂いたことがありました。内容は経済情報を音声サービスで提供するというものでした。ある時、その案件を担当されていた方から以下の話を聞きました。
「弊社のトップはいつもこう言っています。『資産運用でもうけることは簡単だ。しかし、もうけ続けることはあまりにも難しい。だから、1円2円でも日銭になるものを大切にしていかなければならない。』」と。なんと素晴らしい言葉を聞くことが出来たのかと私は感動しました。数百億円のお金を右から左に瞬時に動かす人でも、継続的に入る1円2円の価値の大きさが絶大であると思っていること自体、私にとって驚きでした。その後、「ビジネスは、一瞬の成功は比較的簡単であるが、継続的に成功し続けることはどんな天才でも難しい」ものであることを心にきざむようになりました。
2.プロセスマネジメントから学んだもの
弊社では、 ISO9001・14001、BS7799、ISMS、JIS Z 9920、ECS2000という様々なプロセスマネジメントの手法を導入しています。面白いもので、新たなプロセスマネジメントに取り組むと、必ず新たな発見をします。
弊社にとって最初のプロセスマネジメントへの取り組みとなったISO9001の導入を通じて、私はプロセスマネジメントの継続的改善の仕組みに納得しました。続いての取り組みとなったISO14001では、目標管理の仕組みに感動した一方で、根底に流れる継続的改善システムの仕組みはISO9001とまったく同じであることに気づきました。
続いてBS7799に取り組もうとしましたが、まだあまり情報がなく、どのような仕組みなのか不安がありましたが、コンサルティングをお願いした方からお話を伺うにつれ、やっぱりそうかと確信しました。つまり、全てのマネジメントシステムは、「継続的改善」システムであり、継続的改善という行動プロセスを実行する結果として、企業を「持続的発展」へと導こうとするシステムだったのです。その瞬間、私は世界のトップ企業群がなぜプロセスマネジメントの導入を考えるのかが理解できました。つまり、どんな大企業であっても明日の成功が約束されているわけではないということであり、企業が発展し続ける可能性を最大化するのは、「継続的改善」の思想を組織に浸透させることなのだということです。
スクラップ&ビルドから、継続的改善へ
スクラップ&ビルド(古い組織や制度の解体や廃棄と新しい組織や制度の建設を同時に行う経営手法 )という考え方が日本に入ってきて、それが正しいという風潮があります。確かに、システム等、技術革新が激しい分野ではスクラップ&ビルドの考え方の方が割安になる場合もあります。しかし、ビジネス領域において明日が読みづらい今日、現状の事実を捉えながら明日に向かって継続的改善を繰り返すという思考は、より速いペースでの企業収益アップに繋がると私は考えます。また、継続的改善を前提にするスタイルであれば、どこよりも早く手を打てる(実行することが可能)というメリットがあり、競争優位性において重要なキーワードである「スピード」対応も可能だと信じます。私は、一見地味な「継続的改善」という言葉こそ現代にマッチする最先端のキーワードだと考えます。さらに、強い日本を復活させる重要なキーワードであるとも思っています。時代を象徴するインターネットの領域においても例外ではなく、「継続的改善なくして企業無し、継続的改善無くしてWeb運用無し」というのが私の理念です。
継続的改善の仕組みを取り入れた弊社のサービス
- Web運用/サポートサービス
- Access Doctor(アクセスログ解析)
- Usability Doctor(ユーザビリティチェック)
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