「音」という大いなる表現力
代表取締役 髙橋 仁スタッフから、「自社サイトのトップページにサウンドロゴを入れましょう!」と提案され、「頼むよ!」と任せていましたら、素晴らしいものができあがりました。確かに企業イメージを伝えるためには音は有効だと感じました。私は、12年前通信分野において視覚表現に音声表現方法を加えることによって、新たな付加価値を提供することをビジネスモデル化した人間ですので、もともと音は大好きです。今日は、私の好きな音声表現について触れたいと思います。
「音」の歴史
通信分野で「音」の話をする場合、ボイスメール(人間の音声によるメッセージをファイルとして蓄えることにより、各種サービスを提供するシステムのこと)の話をしないとはじまりません。日本で初めてボイスメールの導入・商用化を実現したのは、日本ボイスメール(設立1984年-現丸紅テレコム社)であり、すでに20年近い歴史があります。当時人間の音声をデジタルファイル化するにはかなり大掛かりなシステムが必要でした。私も見学させていただいたことがありましたが、ビルのワンフロアーを全て使用するようなコンピュータシステムでした。また、このような大型コンピュータシステムを使用したサービスは、その後、1992年に先端情報サービスを手がけるリクルート社が「デルタメール」として展開していった経緯があります。他にも1990年を境にして、音声圧縮技術やダイアロジックシステム社(現インテル社の子会社)が代表するように音声ボードの性能が急激に高まり、小型の音声応答システムが市場に出て行きました。日本IBM、NEC社等大手企業が参入するスタイルと、当時ベンチャーの雄といわれたチェスコムインターナショナル社等、先進的なベンチャー企業が市場を開拓して行きました。またこれらの市場は、1990年7月にNTT社によって本格サービスが開始されたダイアルQ2サービスのインパクトも加味し、市場が一気に拡大していくことになります。
ITを利用した新たなコミュニケーションツールはこの1990年前後を境にして時代に大きなインパクトを提供し、その後の流れは、ファックス応答システム、パソコン通信、インターネットというように道具は変化するものの一連の流れは真っ直ぐに進んできたと私は認識しています。
この歴史の流れの中で、ミツエーリンクスは、既存テクノロジーを使う単なるクリエイティブ・制作会社ということではなく、時代の先端テクノロジーを表現手法として機能させビジネスへの最適化を進める「無から有」を生み出す研究をしつづけてきました。
「インターネットさえ、時代の一コマよ!」と割り切って言ってしまうのは、歴史の一連の流れは事実として真っ直ぐに進んでいるという実感があるからです。また、「時代は連鎖と循環を繰り返す」とよく社内で言い切ってしまうのは、それぞれのテクノロジーの市場浸透は、不思議な位同じプロセスをたどっているからです。
「音」の魅力
音の魅力は、左脳で理解させる文字とは違い右脳に直接刺激を提供するところにあります。勿論先進的なデザイナーはグラフィックに動きを加えた右脳を刺激する視覚表現を行っています。しかし、人間が外部から情報を得て対象物を理解し、行動にアウトプットするプロセスを考えた場合、ある一定の法則が存在します。それは非常にシンプルな法則で「ひとは、より多くの感覚で脳に刺激を受けたほうが、情報に影響を受け行動を開始しやすい」というものです。つまり、視覚と聴覚というように同時に2つの感覚を刺激した方が、情報行動に大きな影響を与えやすいということになります。
実際実験的に行っているデータを紹介いたしますと、弊社の採用ページに音声メッセージを入れたとたん、3つの変化が現れました。1つは、応募者が約1.5倍増えました。さらに、エントリーの平均年齢が2歳若くなりました。今までにはなかった変化としては、求人サイトからの応募ではなく自社サイトからの直接エントリーが1/3を占めるようになりました。改めて、聴覚に訴えかける音の影響力を理解した次第です。
インターネットでは、音を使用したサイトが増える
インターネットの技術革新は、世界の先進的企業群によって素晴らしい領域まで達したと思っています。しかし、そうした技術のビジネスへの応用という領域では、潜在能力をまだまだ引き出せていない(使い切れていない)というのが実感です。またそれらは私達が努力し、研究し、実証しなければならない領域だとも認識しています。そのためには、技術革新だけに目をやるのではなく技術統合に着目し、より効果的な表現手法を達成する必要があります。
動画という素晴らしい表現手法もあります。しかし、運用コスト、制作時間の長さを考えますと、音声とシンクロナイズドマルチメディア技術を使用することで、大きな経営的インパクトを提供できるサービスが可能だと考えます。
効果的な販売促進ツールとして使用できる音関係のサービスを現在5商品開発中です。近々サービス化するためにスタッフが気合をいれております。ご期待ください。
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