電話応対とブランディング
代表取締役 髙橋 仁3週間程前になります。「電話応対に関して改善を!」と顧客企業担当者様より、お叱りの声を頂きました。実は私も少し気になっていた部分でもあり、「自分がダメだと思っているようなことは、お客様が納得するわけがない」と改めて反省いたしました。
三井住友カードの電話応対の素晴らしさ
1ヶ月前、タクシーに財布を忘れてしまい(後で発見されました)、カード関係をストップするために各カード会社に電話をしました。そのときの私の心理状態は、まずカードをなくしてしまったことに対して少なからず動揺があること、カードをストップするというさらにめったに起こらない事務手続きへの不安がありました。その2点を完璧に対応してくれたカード会社が1社ありました。それは三井住友カードです。言葉遣いが良いということは勿論ですが、私の心理的な動揺や不安を察知しているかのように、会話の合間でさえも、「勿論○○○の点に関しましてもご心配いりません」と言葉をかけてくるのです。カード会社は皆同じと思っていたそれまでの印象とは違い、三井住友カードは安心できるいい会社だ!と思ってしまいました。
ポイントは何か
私が何故、そのような印象を受けたか、整理すると下記のようになります。
- 同時に他のカード会社に電話をかけていたので、比較しやすい環境にあった。
- 事務的手続き内容は全社共通だった。しかしそれ以外の部分で、プラスαの非常に良い印象をもった。
- 私の不安や不明な点に関して、質問する前に、回答が用意されていた。
- 私が質問する前に、その回答がタイミングよく説明され、私の心を読んでいるという印象を受けた。
キーワードは、「比較」、「プラスα」、「先読み」、「タイミング」、「心を読んでいる」となります。
私が感動したプロセスは、他社と比較して明らかな違いを感じ、その違いとは、よく私のことを理解しており、タイミングよく私に語りかけたということになります。
実は、2月24日号の日経ビジネスに三井住友カードのコンタクトセンターが紹介されており、「ハイテクも大切だが、オペレーターのささやかな気配りが成否を決める」とありました。なるほどと思いました。私に対応してくれたコミュニケータがたまたま良かったのではなく、全社的なサービス基準があり、血のにじむような努力と研究がなされ、そしてしっかりとした教育システムの上に成り立っているサービスであることを理解しました。
「ファン」そして「ブランディング」
最初に戻りますが、お叱りを受けた企業は、私が最も尊敬する企業の一つであり、世界的企業でもあります。ご指摘を頂いたお礼と、お詫びのメールを私から差し上げましたら返信を頂きました。「お取引き先様との関係の中で、良い関係を築き、少しでも○○○ファンになって頂く事も私の使命と考えています。私もミツエーリンクスファンになりたいと思います。」と。ありがたい言葉を頂いたと思っております。
振り返ってみますと、今まで私の頭の中に「ファン」という言葉は存在していなかったように感じます。また、三井住友カードの紹介記事でも「ファン」という言葉が使用されていました。
顧客企業様のご指摘と、三井住友カードの電話対応で多くのことを学びました。会社のイメージを良くしたいと考えるととかく宣伝や力以上の表現をしたくなってしまいます。またそれがブランディング戦略と勘違いしてしまいそうになります。しかし、「ファン」という視点で捉えると表面的なものだけではブランディングが成立することはなく、「貴方に興味があります、そして理解したいと思っています。」という気持ちをいかに形に表し、そして実行しつづけることによって成立するものだと思います。また、それには裏に隠れた地道な努力と研究が無ければ生み出せないものだとも考えます。そしてそうした積み重ねこそ真のブランディングと化していくものだと改めて認識しました。また、私達のビジネス領域であるWebサイトの構築、運用に関しても共通点があるように感じます。
この機会に電話対応でも最高レベルまで引き上げようと全スタッフが活動を開始致しました。皆様のご期待にお応えできるよう継続的改善を図って参りますことを宣言いたします。
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