Webサイト運用、クローズド・ループ・システムの構築(企業経営層向け)
代表取締役 髙橋 仁クローズド・ループ・システムは、企業経営層にとって極めて重要なキーワードですが、なかなか説明し難いことばでもあります。そこでまず、引用文から紹介します。
自転車を上手に乗ることと、経営を長期にわたってうまく管理すること---どちらもその秘訣は「クローズド・ループ・システム」にある。これは、自転車の乗り手や経営者に内部および外部の情報(「フィードバック」もしくは「刺激」)を提供することで進路変更や姿勢の制御を可能にし、成功へと導くシステムである。優れたクローズド・ループ・システムは、曲がりくねった道や不安定な経営環境でも十分機能する。だが、自転車の練習が、どこの校庭でも見られるありふれた光景であるのに比べると、企業経営はそれよりはるかに複雑な活動だと言える。子供達が手放し運転やスタントマン並みの「離れ業」をとっくにマスターした頃になっても、経営者の方は、いまだふらつきながら、行く手にカーブがないことを祈りつつ、覚束ない足取りで前進しているのだ。」
シックスシグマウエイ
いかがでしょうか? 企業の規模に関係ない経営そのものの本質が見え隠れしています。
クローズド・ループ・システムとは?
クローズド・ループ・システムは、世界的な経営革新ツールとして有名なシックスシグマ・システムのキーコンセプトの一つでもあります。精度の高いクローズド・ループ・システムの構築こそ、業績をアップし、ビジネスを成功に導くという考え方をしています。
クローズド・ループ・システムとは、戦略決定→実行→結果→見直し→改善決定→実行→・・・・のような循環システムを意味します。ISOでいう、継続的改善システム(PDCA)と非常に似ています。PDCAは現場が行う「行動プロセス」に近く、クローズド・ループ・システムは、意思決定機関が持たなければならない「思考プロセス」に近いものがあると私は考えています。この循環システムの精度を上げるために、シックスシグマは、科学的なツールにより、戦略決定がより正しい方向性に向かうための支援を行います。
Webサイト運用に正解なし
企業経営の本質は、砂利が引かれた夜道をふらつきながら自転車を前進させるようなものであり、まっすぐの道を前だけを見て進めるものではありません。最高の経営システムとは、曲がりくねった道を転ばぬよう、道から外れぬように戦略決定→実行→結果→見直し→改善決定→実行→・・・・を繰り返すことができる循環システムを構築することです。そして循環システムのばらつきを減らし、加速させ続けることにより経営をコントロールする。これこそ答えなのではないかと思っています。
Webサイトを企業戦略の一環と位置付ける企業経営層が存在するならば、また、戦略的Webサイトを成功へと導きたいと考えるならば、Webサイトの構築に力を入れるのは勿論のこと、それ以上に「運用」に力を入れるべきであり、その運用方法に「高精度のクローズド・ループ・システム」を構築することです。
幸い、企業経営よりWebサイトの運用ははるかにシンプルであり、「クローズド・ループ・システム」を構築するための素晴らしい環境が整っています。例えば、結果がリアルタイムでフィードバックできます。アクセスログ等の数値データも非常に精度の高いものが入手されます。また要員も数十名という大規模な組織を作る必要がなく身軽な組織で運用可能です。このような好条件をうまく利用し、素晴らしい循環システムを構築できたとき、貴社のWebサイトは戦力として変貌します。
Webマスターにもっと権限と、責任を!
多くの企業においてWebは、企業活動全般の鏡になっており、その役割は重大です。広報、ブランディング、カスタマーサポート、営業活動、管理、CRM・・・・・・さらに社内のナレッジ・マネジメントさえ受け持っています。多くの企業はWebマスターに優秀な人材を配置されていますが、その扱いは劣悪であり、予算不足、業務の兼務、権限不足、責任も不明解という状況が非常に多く存在します。
企業経営層様に申し上げたいのは、Webマスターを経営層の直轄とし、Webマスターにもっと権限と責任と予算を提供することです。そしてできれば専任として、機能していただくことです。もし、高精度の「クローズド・ループ・システム」が構築できれば、Webサイトは戦力として機能し、5倍、10倍、100倍の経営効果を生み出すことでしょう。
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