Webサイト運用と、3:6:9の法則
代表取締役 髙橋 仁私達が計画を立てるときによく使用する、「3:6:9の法則」というものがあります。これは、プロジェクトの成熟度や、市場浸透プロセスを予測する場合、開始後、3ヶ月後、6ヶ月後、9ヶ月後という3段階のステップを経て進化していくというものです。
もともとは、人材の成長プロセスにおける時間的な法則性を発見したことがはじまりでした。
例えば、新人社員が入社した場合、最初の3ヶ月で環境に慣れ、6ヶ月で仕事に慣れ、9ヶ月後は成果を出せる段階になってきます。
例えば、ある人材に新たなミッションを提供した場合、最初の3ヶ月はミッションの理解と現実のギャップの調整期間となり、4〜6ヶ月は具体的なアクションプラン実行と成果とのギャップの調整期間、7〜9ヶ月は、試行錯誤や継続的な改善を繰り返しながらギャップを埋め、期待する成果が出始めます。9ヶ月を過ぎると成果に対してコンロトール可能な状態になり、成果が定着してきます。そして、1年が過ぎると新たなミッションを提供できる段階に達し、それらを3年繰り返すとまた新たな領域に達します。その延長線は、6年、9年と経験し、ある領域におけるプロフェッショナルとして成長していくというものです。
なぜ、多くの人材が上記のような成長プロセスを経るのか? 現状、原因特定できる段階ではありません。しかし、「与えられたミッション」と「あるべき姿」と「現状」の把握、「それらの分析」から「アクションプランの実行」、そして「成果」への道のりにおいて、各プロセスが成熟するために一定時間を要するのは事実です。また、それらは連鎖・循環し、互いに影響を与えながら、3ヶ月という一定期間を経て大きく成長していくと理解しています。
Webプロジェクトへの適用
Web運用においても「3:6:9の法則」を適用すると非常に計画が立てやすいと仮説を立てています。前回(11ヶ月前)の自社サイトのリニューアル時に、弊社の運用スタッフが3:6:9の法則で運用計画を立て実験してくれました。
結果は、概ね仮説通りであり、リニューアル後3ヶ月ごとに大きなウネリが発生しながら成長し、前月比平均120%というパーセンテージで外部からのアクセス数、PV数が増加しつづけており、11ヶ月経った現在、計画通りアクセス数が10倍近くに成長しました。また、9ヶ月以降は、新たなコーナーを新設する場合でも、そのコーナー新設に伴う運用負荷やサーバーへの負荷(アクセス数の伸び)といった結果に対して予測可能な領域に達していたため、運用面で言えばコストを大幅に削減できるという結果が得られました。
しかしそれぞれのプロセスが連鎖・循環し、お互いに影響を与え合うようになるまでの9ヶ月間は、通常の運用から考えれば、数倍の時間と手間をかけていたことも事実です。例えば、9ヶ月の間継続的改善計画を下支えしていたのは、弊社サービスでもある「ログ解析サービス」「ユーザビリティサービス」「アクセシビリティサービス」。定量的なチェックを行なうための人的リソース・時間を投入することで、サイトの10倍の成長と成果のコントロールという成功に導いたのです。
Webサイト運用と、3:6:9の法則
飛行機のなかでもグライダーは離陸するときに高度100m前後までセスナで誘導されます。その後ワイヤー切り離されると気流に乗り、自由自在に大空を舞います。Web運用のはじめの9ヶ月間はこのセスナの役割が必要なのではないでしょうか?
Web構築だけに予算をとるだけでなく、構築後最低9ヶ月間は、通常の運用コスト以外に、特別運用予算をしっかり確保し、我々のような専門企業と連携し、事実に基づく継続的改善をお勧めしたいものです。一度ご検討されてはいかがでしょうか?
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