ニューヨークにて
代表取締役 髙橋 仁今、ある国際会議の参加のために、ニューヨークにいます。幸い東京と同じぐらいの気候で、かつ天候にも恵まれ気持ちのいい日々です。会議は3日間の日程ですが、スタッフに任せきりの傾向にあり、私といえば会場を抜け出してセントラルパークを散歩するのが案外楽しみだったりしています。
会場のホテルに宿泊していますが、部屋にネットワーク環境が整っており、日本とのアクセスは非常に楽です。それどころか、心理的な距離感がまったくなく、通常、会社の私の部屋からスタッフとメールコミュニケーションを行っているのと、まったく同じ感覚です。ニューヨークにあるホテルの小部屋の隣に、自分の会社が存在している錯覚さえしてしまいます。
わかり切ったことではありますが、いざ現実に体感してみますと、利便性という意味で感動を覚えます。反面、東京から1万km以上離れた場所にいるにもかかわらず、このホテルの小部屋にいる限り遠くに来たという感覚がまったくなく、感動さえ起こりません。実に不思議な感覚です。
もうひとつ、発見したことがあります。それは、与える側の視点と、与えられる側の視点ということです。日本において享受されるインターネット技術の多くは、海外からの輸入です。つまり与えられる側の視点に立って、ネットワーク技術を有効活用しています。与えられる側の視点では、特別な人がアッという間にインターネット技術を作りあげたと勘違いしがちです。
しかし、与える側の視点に立ちますと、成功する特別な方法などあるはずもないことが理解できます。直向きな努力と何度も繰り返される仮説と実験の延長線にこそ、世界に利便性と豊かさを提供する技術やツールができるということでしょうか。
インターネットにおける標準化に関するこの国際会議に参加して、つくづく思ったことがあります。
いつまでも与えられたものを無意識に使用するのではなく、与える側に立って、それらのメンバーとともに困難を乗り切り、よりすばらしい技術を共同開発し、国際社会に貢献できる企業になっていかなければならない、と。
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