Web Directions East参加報告
取締役 木達 一仁去る11月7日、弊社よりほど近いベルサール西新宿を会場に、Web Directions Eastというカンファレンスが催されました。弊社は、レセプションネーミングスポンサーとして協賛したほか、当日は私を含め6名のスタッフがカンファレンスに参加しました。既に技術評論社のサイトで「Web Directions East 2008」カンファレンス レポートが、そしてマイコミジャーナルで「HTML 5、Acid3……Web最新動向をMeyer氏が総覧 - Web Directions East」といったレポート記事が公開されており、カンファレンスに参加されなかった方でも、当日の模様やそこで話された内容を知ることができます。本コラムでは、弊社がWeb Directions Eastを協賛するに至った経緯について簡単にご紹介し、参加のご報告に代えさせていただきたいと思います。
Web EssentialsからWeb Directionsへ
Web Directionsは、オーストラリアを拠点に活動されているMaxine Sherrin氏とJohn Allsopp氏のお二人が始めたカンファレンスシリーズです。WebデザイナーやWeb開発者を対象とし、国内外を問わず招かれる優れたスピーカー陣によるキーノートやセッション、そして参加者同士のための素晴らしい交流の場を提供してきました。
近年はWeb Directions Southをシドニーで、Web Directions Northをカナダのバンクーバーで開催してきました。そして今回、新たにWeb Directions Eastがシリーズに加わったわけですが、すべての起源は2004年9月にシドニーで開催されたWeb Essentials 04にまで遡るかと思います。
コラム「オーストラリアで感じたWeb標準の潮流」に書き記したとおり、Web Essentials 04では主にWeb標準とアクセシビリティの2つの領域に特化、あるいは少なくとも言及をするセッションが多かったように思います。その翌年には、会場を同じくしてWeb Essentials 05が開催されたのですが、基本的なスタンスは同じままに、扱うトピックスやテーマの幅は広がりを見せました。これは、Web標準への準拠やアクセシビリティの重要性がある程度浸透し、一定の水準までコモディティ化した影響と認識しています。このときの模様は、コラム「Web Essentials 05参加報告」をお読みいただければと思います。
そして2006年、名前にWeb Directionsを冠しての最初のカンファレンスがシドニーで開催されます。このときも、業界動向の把握や調査研究を目的として私はシドニーまで足を運び、参加をしました。コラムというかたちでご報告はできなかったものの、社内報告会を催し共有を図りました。また、主にスピーカーとして集まったうち3人の方々にインタビューを実施、ミツエーリンクスVideocasting向けに「Meet the Professionals」コンテンツを制作しています。カンファレンス主催者の一人であるAllsopp氏にもインタビューしたのですが、実はそのとき既に氏は日本での「Web Directions East」開催の可能性に触れていました。
これ以降、Web DirectionsはSouth版とNorth版が交互に継続して開催されるようになるのですが、Allsopp氏の口からEast版の可能性を聞かされた当初は、まだそれが現実のものになるとは予想もしていませんでした。ただ、実現されればそれは非常に喜ばしいことだと思いましたし、他に類をみない「学びの場」を提供していただいてきたことへの御礼として、何かしら会社もしくは個人として協力できれば、と思っていました。
初めてのWeb Directions Eastを協賛
Web Directionsとしての初めてのカンファレンス以降、私が同シリーズに参加する機会には恵まれませんでした。それだけに、今年になって東京でついにEast版が開催されるのを耳にしたときは、たいへん嬉しく思いました。そしてその思いは、スピーカーのなかにEric Meyer氏とDan Cederholm氏のお二人の名前を見つけたとき、なんとしても日本での開催を成功してほしい、成功させたいという思いに変わります。
と言いますのも、Meyer氏やCederholm氏の著作の日本語版監修を過去に計3冊、携わってきた経緯があったからです。『スタイルシート スキルアップ・デザインブック I』『同II』(原著は『Eric Meyer on CSS』『More Eric Meyer on CSS』)、そして『Web標準デザインテクニック即戦ワークブック』(原著は『Web Standards Solutions』)の出版を通じ、お二人にはたいへんお世話になりました。
かくして、私の過去3度にわたるシドニーでのカンファレンス参加体験や、国内外より参加される素晴らしいスピーカーの陣容を基に、スポンサーとしての参加を決めた次第です。今回のカンファレンスが成功を収め、スピーカーを含むすべての参加者が共に学び、コミュニケーションを深め合う場を提供することは、業界全体にとって益のあることと信じたうえでの判断でもありました。
カンファレンスのみならず、それに続けて2日間にわたり催されたワークショップも含め、初めてのWeb Directions Eastは成功裏に終了しました。早くも来年の開催に向けて動き出しているとも伝え聞いていますが、まずは今年の開催を祝し、これに向け尽力されてきたAllsopp氏をはじめとする皆様に、改めてこの場を借りて厚く御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。
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