全社で取り組むマネジメントシステム
プロセス改善室 室長 谷生 雄介従業員の認識が変わった2006年度
弊社では、1999年度のISO9001取得を皮切りに、7つのマネジメントシステムの取得・運用を行なってきました。初期には、それぞれの規格が意味する(目的とする)ものについて、従業員の認識が薄く、経営に役立つマネジメントシステムとは言えませんでした。
それが変わりだしたのが、2006年の事務所移転です。事務所が大きくなり、それに比例し従業員数が大きく増加しました。新しい従業員がどんどん増えると、品質低下や今まで社内で培われてきた社内文化が薄くなっていきます。そこで、全社的にマネジメントシステムの価値が再認識され始めました。
種を撒いた2007年度とその成果
事務所の移転から1年が経過した2007年度、上記の反省点を活かし、それぞれのマネジメントシステムで様々な取り組みを開始しました。例えば、今まで事務局が主導で更新をしていた手順書を、各事業部長に更新の責任者を変更しました。この結果、各事業部でマネジメントシステムの参加意識が高まり、頻繁に更新が行なわれるようになりました。また、ISO9001(品質)では、いくつかの品質改善のプロジェクトが現場主体で立ち上がりました。これらの活動の特徴としては、すべて従業員の発案又は要望で立ち上がった活動だということが挙げられます。マネジメントシステムの事務局もこれらのプロジェクトを後押しする形で参加いたしました。これらのプロジェクトの成果として、2008年10月にMJLのリリースや、バージョン管理ツールの社内導入など大きな成果を得ることができました。
この1年間で学んだこと
日頃、弊社代表の高橋から口癖のように、「改革ではなく、改善を目指せ」と指示をもらいます。ここで言う改革と改善は次のことを指しています。
- 改革
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現状を否定し、手順などを根底から変更し、品質を向上すること。
- 改善
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現状を受け入れて、小さな手順変更などを積み重ねることで、品質を向上すること。
私がマネジメントシステムの運用担当になった当時、小さな問題が繰り返し起こると、改善ではなく改革ばかりに目がいってしまう時期がありました。その結果、思うような成果が出せず、また従業員の負荷ばかり増えてしまう結果になってしまったことがありました。
今回、大きな成果を挙げることができた要因として、
- 全従業員の参加意識を引き出せたこと。
- 問題点を絞り、小さな改善を繰り返すことで、成果に結びつけたこと。
- ボトムアップ型の改善活動ができたこと。
などが挙げられます。いずれも従業員一人ひとりの協力があればこその成果だと思っています。
改善活動の根幹とは
ようやく改善活動が定着しつつあるマネジメントシステムですが、まだまだいくつも問題があります。その一つが、従業員のマネジメントシステムへの参加意識のさらなる向上です。従業員に対し、改善活動によって得られるメリットについて適切に情報提供し、協力を得る。その結果さらに改善活動を行なう。それによって、さらに従業員の参加意識が高まり…
これこそが、マネジメントシステムの求める改善活動だと思います。
今後、今まで以上に着実に「全社で取り組むマネジメントシステム」を改善に結びつけ、今まで以上のサービスを提供することができるようなマネジメントシステム体制を構築し、改善を加えながら、組織の持続的成長を支援していきたいと思います。
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