2008年度CSR活動のご報告と、今後の展開
取締役 兼 プロジェクト推進室室長 山下 徹治2008年度CSR活動終了まとめ
マネジメントシステムを複数運用している弊社では、毎年3月から5月にかけて目標達成状況のまとめから経営層による見直しの準備と実施、次年度目標の設定を一気に片付けなければならず、マネジメントシステムの管理責任者たちにとっては慌ただしい日々が続きます。6月に入りようやく落ち着きましたが、7月にはISO9001、14001の統合審査、ISO27001の維持審査、プライバシーマークの継続審査が連続し、その準備が控えているのであまりホッとしている場合ではないというのが実情です。それはさておき、本日、2008年度のCSR活動のまとめと2009年度の目標が当社CSRサイトに公開されました。主な成果を一つひとつ取り上げてご紹介していきたいのですが、膨大な量になってしまいますので、中でも特に私がピックアップしたい「大型Web構築プロジェクトにおけるプロジェクトマネジメントの強化」についてご紹介したいと思います。
組織的なプロジェクトマネジメントの成果
以前のコラムで、組織的なプロジェクトマネジメントの取り組みを始めたということについてはお知らせしていましたが、昨年の後半から開始したこの活動も、現在までに6件のプロジェクトが終了しました。終了した6つのプロジェクトの全てが何事もなく終わったわけではありませんが、まずまずの成果がでていることを実感しています。成功したプロジェクトでは、プロジェクトを計画し、変更を管理し、コミュニケーションが必要なだけ行なわれ、決めるべき事を先送りしないといったプロジェクト進行の基本が守られていたように思います。多少進行が怪しくなってもすぐに補正がかかるというのも特徴的でした。一方、綱渡りになったプロジェクトでは、プロジェクト進行の基本のどこかが抜けていたり、おざなりになっていたように思います。その大きな要因としては、案件のメインの担当者が自らの作業で手一杯になり、プロジェクト全体を見通す余裕がなくなってしまうという傾向があります。今後はそういう兆候を早期に察知し、自分の作業で手一杯にならないように予防するためのモニタリングの工夫やてこ入れのノウハウ開発が課題になってくると考えています。
また、プロジェクト管理の標準化についても成果が出始めています。これまでディレクターが各自で作っていたプロジェクト定義書を標準化し、雛形化できたことや、いままでのプロジェクトで使ったドキュメントの共有などが行なわれています。今後は、プロジェクトの最後で行なっている「振り返りミーティング」で生まれたプロジェクトごとのナレッジを一般化し、次のプロジェクトへの参考情報として活用できるようにしていこうと思っています。
CSR活動の今後の展開について
さて、話は大きく変わるのですが、先日CSRの先進的な取り組みをしている企業の事例を紹介するあるセミナーに参加し、大変参考になりました。切り口としては、企業がCSRの取り組みで事業活動のマイナス側面(環境対応やリスク対応など)をある程度減少した後、引き続き経営にインパクトを与えられるようなCSR活動をどのように展開したら良いのかというものでした。
結論としては、マイナス側面を減少し続ける活動は継続しながら、他社との競争優位性を築くことを目的としたCSR活動を戦略的に推進していくのがよろしいという話でした。これを戦略的CSRと定義しておられました。
そして、どのようにしてCSRで他社との競争優位性を築くかというと
- 社会課題に対応する事業
- CSRリスクを克服する(リスクをチャンスと捉える)
- 戦略的社会貢献
この3つを軸にビジネスケースが見いだせる領域を特定し、CSR活動として展開するという考え方でした。
この話を聞くまでは、CSR活動の進むべき方向性はこちらだと漠然とわかっていましたが、さてどうやって進んでいったらよいのかについては考えあぐねていました。しかし、今回のセミナーを通じて大分考えが整理されたように思います。またたくさんの事例を伺うことができ、ヒントと刺激をたくさんもらうことができました。
CSR活動を何か特別な事業活動と捉えず、他社との競争優位性を高めるための活動と捉えれば、当社で取り組んでいる様々な施策のいくつかはCSR活動として捉え直したほうがよいものもありそうです。そうすることで、社内外にうまくアピールすることができたり、目標を設定して活動にドライブをかけたりすることもできるでしょう。
このセミナー参加を通じて学んだことを活かし、当社のCSR活動をさらに進化させていきたいと思います。
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