安定運用における体制構築の重要性
執行役員 山根 健太運用業務を行なう中では、常に「当たり前のことを確実に対応する」ということを意識しています。これは作業依頼の確実な反映や、ミスのない公開作業など、一番基本的な業務を確実に対応するということを意味するのですが、人的な対応を持って管理しなくてはならない作業の比率が高くなればなるほど、ミスの発生を防ぐことが難しくなります。
様々な案件を通して数多くのノウハウを蓄積し、他案件でも流用できるナレッジは共有を積極的に行なうように努めてはいるものの、ケースバイケースでの対応を求められることも多くあるため、ミスの発生を100%防ぐことはできません。しかし、発生したミスの根本原因を追究し、再発を防止するための施策やルール作りを行なうことで、ミスの発生率を限りなくゼロに近づけることが可能だと考えております。
システム化の落とし穴
ここ数年、運用においてCMSの導入を検討される企業様の数が増えてきたような印象を受けています。これには社内対応を行なえる環境を整備することで、運用のランニングコストを削減したいといったご要望があるからだと考えておりますが、多くの場合で「ツールを導入すれば問題が解決される」といったイメージが先行しているように感じられることがあります。
弊社では運用業務においてミスが発生した場合には、原因の究明を行なったうえで再発防止のために取らなくてはならないプロセスや作業ステップを定義し、ルール化を行ないます。このルールを関係するスタッフ全員が徹底することでミスの発生を未然に防ぎ、確実な対応の実現を行ないます。要はツールに頼らなくとも、ルールの徹底によって安定的かつ効率的な運用の実現を行なうことは可能だということです。
最終的にツールを使うのは「人」である以上、CMSの導入を行なうだけでは問題は解決されず、導入した上でどのような運用スキームを構築するかを検討しなくてはなりません。明確なルールが設定されていないと誰が何をすればいいのか、何を基準として情報が公開されるのかといった基準がわからず、かえって非効率な運用になってしまう可能性があります。
このような事態を回避するためにも、運用においては社内における運用体制の構築が非常に重要なポイントです。
自社内における運用体制確立の重要性
我々が運用をお手伝いさせていただく際には、案件の専任ディレクターおよび制作チームの決定を行ない、お客さまからのご依頼に対応できる体制を整えた上で業務を開始しております。ただし、お客様の運用体制については「Webマスター」といった肩書で窓口担当として立ってくださる方がいる場合もあれば、各依頼部門のご担当者様とディレクターが直にやり取りをさせていただくといった場合もあります。
作業を引き受ける側の視点からすると、お客さまからのご要望であれば統一された窓口とのやり取りでも、複数担当からの依頼でも対応はさせていただくのは問題ではございません。しかし社内における依頼数の把握や、コストのコントロールなどについては責任を持つことができないため、このような場合にお客様の社内においても依頼ややり取りに関するルールが明確化されていることが望ましいと感じられます。
また、CMS導入にも通じる話ですが、コンテンツの作成を行なう場合にどういった社内確認のもとに情報が公開されるのか、承認フローをどのように設定するのかといったルールを設けることも、会社として出していく情報の正確性や品質を保つために重要だと考えられます。
作業を行なう制作会社と依頼されるお客様との間での業務範囲の切り分けは、業務委託である関係からも明確に設定されますが、社内における担当業務の切り分けが意外とはっきりしていない場合が多いと思われます。そのため社内における意思の疎通や承認に必要以上の負荷がかかっている状況も散見されます。極端な場合は、組織の調整など会社全体を巻き込んでの調整に発展する場合もあるため、簡単に解決できる問題ではありません。しかし、より安定的・効率的な運用およびWebサイトの有効活用を実現するためには、社内における運用体制の整備をご検討されることを強くおすすめします。
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