CSUN 2010参加報告
アクセシビリティ・エンジニア 辻 勝利開催地をこれまでのLos Angelesから、同じCalifornia州のSan Diegoに移して開催された、世界最大級のアクセシビリティに関する国際会議、CSUN2010に参加してきました。記念すべき25回目となる今年のカンファレンスは、3月22日から27日までの間、Manchester Grand Hyatt Hotelで開催され、私は3月23日から参加いたしました。
CSUNとは
すでに、私の昨年のコラムを含む多くの記事の中で触れておりますが、The International Technology & Persons with Disabilities Conferenceは、主催であるCalifornia State University, Northridge(California州立大学ノースリッジ校)の頭文字をとって、CSUNと呼ばれています。本年から、この世界最大級のアクセシビリティに関する国際会議は、California州San DiegoにあるManchester Grand Hyatt Hotelで行なわれることになりました。今年も、期間中は300以上の発表が行なわれ、会議には世界中から多くの方々が参加されました。
今年はこれまでのカンファレンスと違い、複数のホテル間を移動する必要はありませんでしたが、すでにCSUN参加レポートの中でも触れておりますように、ホテル内の歩き方のオリエンテーションに参加しなければならないほど会場が広かったことが印象的でした。
充実していたさまざまな情報
今年のCSUNの特徴は、参加者向けの情報がこれまでよりも充実していたことだと言っても過言ではないほど、カンファレンスが開始される前から多くの有益な情報をインターネット経由で入手することができました。すでにCSUN参加レポート1の中でご紹介しましたが、これまでは参加受付を済ませるまで読むことのできなかったカンファレンスの資料が事前に入手できたことはもちろん、CSUNの公式Twitterアカウントからは、会場のどのフロアに、どのような会議室があるかなどの有益な情報が発信されましたし、Twitterのハッシュタグ、#csun10では、カンファレンス終了から2週間ほど経過した今でも、発表スライドやカンファレンスの感想などのさまざまな情報が発信されております。
ユーザー参加型のTwitterのアクセシビリティに関する発表
CSUN参加4年目となる今年は、期間中に20余りの発表を聞くことができました。その中から、今年特に印象に残った発表をご紹介します。
3月25日の早朝に行なわれた、Twitterのアクセシビリティに関する発表、「Accessibility of Twitter for Mobile, Desktop and Web」では、私がこの4年間に参加した発表の中で、もっともユニークな取り組みが行なわれていました。Twitterサイトのアクセシビリティ対応状況に関するコメントや、よりTwitterのアクセシビリティを向上させたいという思いから立ち上げられたaccessibletwitter.comに関する発表ももちろん興味深かったのですが、発表の合間に紹介されたTwitter利用者からの意見も興味深いと感じました。この意見募集は、事前にContribute to Twitter Presentation at CSUN10というBlogエントリー上で行なわれ、Twitterを使って利用者が回答するというものでした。行なわれた質問は次の二つで、数多くの回答の中で、プレゼンテーションの中では私の回答も紹介されていたのがうれしい出来事でした。
- Twitterにどのような手段でアクセスしているか
- Twitterはあなたの生活をどう変えたか
CSUN参加を終えて
もし私が、今年のCSUNのキーワードをあげるとすれば、「コミュニケーション」ではないかと思います。今年はTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを利用することで、カンファレンス開催期間中にとどまらず、参加者同士が情報交換をできるようになったことがすばらしいと感じました。
そしてもちろん、これらのソーシャルメディアのアクセシビリティを高めていくことが、多くの人たちのコミュニケーションを活性化させることにつながるのではないかと感じました。
今後も、このカンファレンスで学んだことや、今年出会った人たちとのネットワークを生かして、Webアクセシビリティの向上に取り組んでいきたいと思います。
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