効率化の先に目指すもの
ディレクター 大木 恵美ディレクション業務の効率化
現在私は、ディレクター業務を効率化するためのプロジェクトに携わっています。我々のような制作会社において、効率化とはどのような状態を指すのでしょうか。
「毎回お客様のご要望は異なるのだから、決まりきった作業ではない。大切なのは納期短縮だけではないし、そもそも、効率化って何だろう?」そんなモヤモヤしたところからのスタートでした。
- 新人ディレクター一人一人の能力を向上させる。
- ルーチン作業を自動化させる。
- 一つ一つの作業スピードを向上させる・・・etc.
これらも結果の一つではありますが、最も大切なのは「最小限の労力で『何度でも同じ結果を出せる』しくみをつくること」。今はそのようにとらえています。
バラつきの影響
しくみを整えたりフローが統一されたりすると「サイトに個性がなくなってしまう」と思われるかもしれませんが、バラつきと個性は違います。撲滅したいのはバラつきです。
私個人の経験でも、手探りながらもうまく進められたケースと、残念ながらそうではなかったケースがあります。この差はどこからくるのでしょうか。
うまく進められなかったケースをふりかえると、感覚に頼った部分が多かったように思います。何か大切なフローや視点が抜けてしまっていたようです。その「何か」が同じことであれば次から気をつければ良いのですが、毎回異なるのがむずかしいところです。
進めている時は、お客様のほうを向いて都度検討している気になっているのですが、軸がないとその検討はただの迷いであり、思考のバラつきでしかないのかもしれません。
フローでも思考でも、バラつきほど効率を下げ品質を低下させてしまうものはありません。
10%のプロセス 90%の自由
これはミツエーリンクスで定着している、私も大切にしている言葉です。Webサイトが出来上がるまでには、途方に暮れるほどの膨大な量の情報を整理していく必要がありますが、一方で、実はやるべきことの9割は決まっているようにも思います。これこそが、ミツエーリンクスがこれまでお手伝いさせていただいた年間3,000本のプロジェクトを通して培ったナレッジです。
そう言うと、「90%のプロセス、10%の自由」と言われてしまいそうですが、そうではありません。言葉遊びのようですが、10%のプロセスを守ることで、やるべきことの9割はカバーできると感じています。そして、残り1割の工程に思う存分アイデアをひねりだすことで、90%の独自性(自由)につながるのではないでしょうか。この1割の工程に少しでも多くのエネルギーを集中させることができるよう、9割の効率化に力を入れていきたいと考えています。
私たちのとりくみはまだ始まったばかりですが、今後も、個人のスキルや経験だけに依存せず、一定のクオリティをお約束するためのしくみづくりを続けていきたいと思っています。
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