Adobe MAX 2015 参加報告
インタラクティブ・コンテンツ デザイナー 裵 鴻禧2015年10月5日から10月7日にかけてアメリカのロサンゼルスにて開催された Adobe MAX 2015 に弊社のエンジニアの大室と共に参加してきました。
Apps Blogでは現地での様子を紹介していたので(レポート1、レポート2、レポート3)、併せてご覧ください。
このコラムでは、Adobe MAX 2015で紹介された、Adobe製品の新しい機能や、Adobeの取り組みなどについてご紹介します。
コネクテッドワークフローの実現
Adobeはここ数年、
- いかにクリエイターが、クリエイティブに集中できるか
- 場所やデバイスを問わないクリエイティブワークフロー
という2点に重点をおいて、ツール開発を行っていました。
Adobe MAX 2015では、Adobe Creative Cloudで提供されているツール間やデスクトップ・モバイルなどの作業環境、他クリエイター間のシームレスな連携ができる「コネクテッドワークフロー」を提案し、自動で同期を行う技術のことを「Creative Sync」と呼んでいました。
Creative Syncは、デスクトップ・モバイルアプリ同士での、ファイル・写真・ベクターグラフィックス・フォントなどのデザイン要素を最小限のタイムラグで同期するので、各クリエイターは自分の好きな環境で、いつでもどこでも思いついた時に、クリエイティブ活動を行うことができます。
また、Creative Cloud Librariesを活用することで、大人数や離れている場所でのプロジェクトでも、メンバー間でのやり取りが非常にスムーズにできることも紹介されていました。
このコネクテッドワークフローを実現することで、デザイナーはこれまで以上にクリエイティブに集中でき、クライアントにもエンドユーザーにも価値のあるデザインの提供が可能になると思います。
UI/UXデザインの分野にも「Adobe Magic」を
今回のAdobe MAXでひとつ特徴的だったのが、AdobeがUI/UXデザインツールに力を入れ始めたことでした。
基調講演で発表された Project Comet をはじめ、Photoshop CC 2015のDesign Space (Preview)など、今回のAdobe MAXでのセッション内容にも過去にないほどUIデザインやUXに関するものが多くありました。同時に、それらのセッションは高い人気がありました。
私も実案件でUXを考慮したアプリケーションのUIデザインをしていますが、デザイナーの理想に近いUI/UXデザインツールにはまだ出会っていないと感じています。
まだ少し先の話にはなりますが、Adobeのコネクテッドワークフローを基盤としたUI/UXデザインツールや機能が開発され、正式にリリースされれば、より質の高い画面設計やプロトタイプが作れるかも知れません。
Adobe Typekitに「モリサワフォント」が追加
これまでTypekitには日本語書体の提供はありませんでしたが、今回の基調講演で 「モリサワ」との提携 が発表されました。
正直なところ、まだフォントの数が少ないので、現場ですぐ使えるとは言えませんが、Typekit自体は非常に便利なものなので、これからが楽しみなもののひとつです。
参加してみた感想
Adobeの新製品や新ツールなど刺激的でワクワクするものがたくさんあり、とても貴重な経験ができました。何より世界中の同じ仕事をしているクリエイター達と交流できたことが私にとって大きな収穫でした。
同じことで悩んだり喜んだりする反面、セッション中にスピーカーが話している最中でも気になることを質問する積極性や、初対面同士でも気軽に情報交換するなど、日本のカンファレンスとは違った雰囲気が新鮮で、胸が高まりました。
来年は場所を変えて、サンディエゴで開催されますが、Adobeがまたどんな新しい発見を経験させてくれるかが楽しみです。
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