Internet Explorerのサポートポリシー変更
取締役社長 木達 一仁各所で周知ないし報道されていますように、1月12日(米国時間)にInternet Explorer(以下「IE」)のサポートポリシーが変更されました。本稿執筆時点において、マイクロソフトより技術サポートやセキュリティアップデートが提供されるIEは、以下の表にある通りです(なおWindows 8のサポートは終了、Windows 8.1へのアップデートが必要となっています)。
Windows OS | サポートを受けることのできるIEのバージョン |
---|---|
Windows Vista SP2 | Internet Explorer 9 |
Windows 7 SP1 | Internet Explorer 11 |
Windows 8.1 Update | Internet Explorer 11 |
Windows Server 2008 SP2 | Internet Explorer 9 |
Windows Server 2008 R2 SP1 | Internet Explorer 11 |
Windows Server 2012 | Internet Explorer 10 |
Windows Server 2012 R2 | Internet Explorer 11 |
この変更により、バージョン8以下のIEが完全にサポートの対象外となりました。開発元からサポートを受けることのできなくなった、セキュリティ上のリスクを有する旧バージョンのIE(以下「旧IE」)をWebサイトがサポートし続けることは、旧IEユーザーにとってもWebサイトを運営する側にとっても、デメリットしかありません。
当Webサイトでも、サポートポリシーの変更に先立って、旧IEからのアクセスが十分に減少していることを確認のうえ、旧IE向けのサポートを昨年末に終了しました。具体的には、HTML5の新要素を表示できるよう、html5shivと呼ばれるスクリプトを旧IEに条件分岐コメントで読み込ませていたのを止めています。
旧IEへのサポートを取り止めるのみならず、これを機にWebサイトの表示や動作を確認ないし保証するIEのバージョンを9以上に引き上げることを検討されているWeb担当者の方は、少なくないでしょう。
どのバージョンをベースライン、つまりサポート対象の最低ラインとして定義すべきかは、既存のWebサイトであればアクセスログ解析結果から直近の状況を把握のうえ検討することになります。今後新規に構築するWebサイトであれば、Windows Vistaが2017年4月11日にサポート終了を迎えることを踏まえ、バージョン11をIEのサポート対象とすることも、現実的な選択肢となります。サーバー用のWindows OS環境からアクセスされるというのは、あまり一般的ではないでしょうし。
より新しいバージョンのIEをWebサイトのサポート対象とすることで、HTML5に代表される最新のWeb技術を使った機能や表現が採用しやすくなります。また、IE以外のWebブラウザー(モバイル端末上で動作するものを含む)との互換性を確保しやすくもなるでしょう。最新のWindows OSであるWindows 10には、IE11もインストールされていますが、規定のブラウザーとしてIE11ではなくMicrosoft Edge(以下「Edge」)が設定された状態で販売されています。
サイト固有の事情や傾向によりけりな部分はあるにせよ(特に旧IEのシェアが高い国や地域向けのコンテンツを有するグローバルサイトでは要注意)、Web標準により一層準拠したEdgeが今後はIEに代わりシェアを伸ばしていくでしょうから、中・長期視点では尚更、早い時期にIEのサポート対象バージョンを11に引き上げる判断が必要と考えます。
最後にお知らせです。日本マイクロソフト株式会社より春日井良隆氏、物江修氏を講師にお招きし、Web担当者の皆様に知っていただきたいIEとEdgeの最新情報、また周辺動向を解説するセミナーを、来る2月24日に開催いたします。マイクロソフト製のWebブラウザーに関して情報収集をされている方、またサポートブラウザーの見直しに関してお悩みの方などは特に、ご参加いただきたいセミナーです。ご都合がつくようでしたら是非、Web担当者の知っておくべきIE&Microsoft Edge最新情報にお申し込みください。
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