調査で判明、Webサイト構築で重視することは?
株式会社ミツエーリンクスTSDプロダクトマネジメント部 プロダクトマネージャー 榛葉 裕幸
オフィスに出社して、集まって会議をして、取引先に足を運んで……これまで当たり前とされてきた働き方はコロナ禍を機に大きく変わりました。
非対面の常態化で、取引先、株主や求職者など様々なステークホルダーとのコミュニケーションを担う「コーポレートサイトの見直し・強化」に多くの企業が取り組んでいます。
企業のWeb担当者は、コーポレートサイトを構築するとき、どのような点を重視しているのでしょうか。
Web構築で重視したことTOP3
Webサイトの開発・構築の際に重視する点は何かをたずね(複数回答可)、2012年の前回調査と比較しています(※ IPA 独立行政法人 情報処理推進機構の調査報告書より)。
「費用(66.4%)」「運用時の利便性・拡張性(65.1%)」「セキュリティ(41.2%)」が前回調査と同様に上位3項目となり、重視されていることがわかります。
最新調査で特徴的なのは、「費用」が6.9ポイント減らした一方で、「セキュリティ」は12.6ポイント増えていることです。Webサイトの「安全性への意識の高まり」は、企業サイトを狙ったサイバー攻撃など、相次ぐセキュリティインシデントの脅威が背景にあるものと思われます。
また、「運用時の利便性・拡張性」も1.7ポイント増えています。CMS(コンテンツ管理システム)の導入など、自社でWebサイトを運営する「内製化ニーズの堅調さ」がうかがえます。
IPAの調査は小規模サイトを対象としたものですが、「経済性、利便性、安全性」は企業により順番や強弱の違いはあっても、どんな企業サイトでも意識される点ではないでしょうか。
トレードオフを解消する発想法
しかし、すでにお分かりかもしれませんが、一般に「経済性、利便性、安全性」の各項目はトレードオフ(何かを得るために何かを失う)の関係にあります。経済性を追求しながら利便性もセキュリティも確保するのは容易ではありません。相反する流れの最適なバランスを探る発想が必要です。
企業がコーポレートサイト構築でこれらの相反関係をバランスさせるには、Webサイト運用における「業務課題やニーズの解像度を上げる」のが近道です。
ひと口にコーポレートサイトといっても、業種・業界、運用体制、運用部門がカバーする業務範囲の違いなどによって企業が抱える課題は様々です。例えば、「B2Bか、B2Cか」「ひとりWeb担か、100名超えの組織的な体制か」「広報・IRが主業務か、デジマやDX領域を含むか」などで、業務上の課題やニーズは大きく異なります。
課題が異なれば、その解決を支援するITニーズ=CMSなどシステムに求める機能性やセキュリティ対策も変化し、費用対効果の考え方も違ってきます。“the right tool for the right job”という言葉の通り、その仕事に適した道具を選べるかがトレードオフ解消の鍵となります。
失敗しないCMS選びのコツ
もとよりコーポレートサイトの構築では「CMS導入」が盛んですが、残念ながら、Webサイト運用の業務上の「課題」解像度が低いために、CMS選びに失敗する事例が後を絶ちません。
CMSとひと口にいっても、用途もライセンス体系も異なる製品が1,300以上あるといわれ、企業用途に限っても、CMS製品が想定する「業務ニーズの違いで多様な選択肢」が存在します。しかも、CMSの選択しだいで「セキュリティ対策や保守・メンテナンスのしやすさ」が変わり、構築時のイニシャルだけでなくランニングを含めた「トータルコストに大きく影響」します。
経済性・利便性・安全性がバランスする「自社にとって最適なCMS」を選ぶには、CMSが想定する業務ニーズと自社のそれが適合するか、フィット&ギャップの巧拙がポイントになります。
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