新卒研修「Webの品質とは何か」
エグゼクティブ・フェロー 木達 一仁今年は過去最多となる43名の新卒新入社員が、4月1日に入社しました(広報Blog「MITSUE COLORS」の記事、祝!24新卒 入社式を開催参照)。現場への配属に向け、約1カ月半にわたる新卒研修の真っ最中です。
その新卒研修で数年来、私が担当している講義があります。それが、本コラムのタイトルにあります「Webの品質とは何か」と題したものです。
新入社員の多くが、それまでの実務経験の有無はさておき、入社を機にアマチュアからプロフェッショナルへと立場を変えます。プロとアマ、両者の違いは諸説ありますが、1つには品質に対する意識の差があると私は考えています。
加えて当社は、高い品質と、それを具現化するための技術力にこだわりを持つWeb制作会社です。入社してすぐの時期に、自らの制作物が備えるべき品質について考える機会を提供することは極めて重要と考え、この講義を設けるようにしました。
内容は大まかに2部構成で、前半はトレンドについてお話します。Webデザインにおいて、最近のトレンドにはどのようなものがあるのか。そもそもトレンドとは何か、それは何によってもたらされるのか。Webがこれまでどう変化してきたか、今後どう変化し得るかにも触れます。
そして、後半がいよいよ本題となる、品質についてのお話です。Webのユーザーにとって、本質的かつ普遍的に必要とされる品質には何があるのか、また当社が重点的に取り組んでいる品質を列挙し、とくにアクセシビリティには時間を割いて解説しています。
途中、ちょっとしたグループディスカッションの時間を設定していることもあり、どうしても終盤が駆け足になりがちなのですが、最後に例年お願いをしているのは、常に品質について考え続けようということです。
Web技術がコモディティ化し、また生成AI技術が普及した結果ますます、単にWebサイトを制作するだけなら専門知識を持たずとも誰もが可能な時代を迎えています。それを踏まえWebに、社会に、私たちがプロとして提供できる価値とは、その価値をもたらす品質とは何かを問い、講義を終えています。
上記の問いに対する唯一絶対の解は、ありません。あるとすれば、思考停止に陥ることなく、常に考え続けること。そして、そのときどきの最適解を社内に、業界内に、最終的には社会に実装し続けることでしょう。
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