企業のマーケティング担当者が理解しておきたい“映像の力”とは?
第五本部 平山 敬週末の公園での出来事
公園で形鬼(「かたちおに」と読みます。皆さんご存じでしょうか?)をしている子どもたちの輪のなかに、後から来た子が混ぜてほしいと寄っていきました。しかし、後から来た子は、その遊びのルールを知らない様子です。
その子が「遊び方がわからない」と言うと、先に遊んでいた子どもたちは遊びを一時中断し、「ゆっくりやってみるから見てて!」と言い、全員がオーバーアクションで「遊びの基本的なルール」からはじまり「ピンチのときの対処方法」まで、ひと通り実演し始めました。説明し終えた子どもたちが「わかった?」と問えば、後から来た子は「わかった!!」と応じ、後から来た子を加えて再びみんなが走り回り始めました。
調査結果の紹介
話は変わりますが、このような調査結果があります。
ある事柄を「言葉や文字」と「イラストや映像」といういずれかの方法で伝えるとき、若年層になるほど「イラストや映像」による伝達のほうが理解しやすい、というものです。これは総務省が2011年に実施・公表した調査結果によります。(『平成23年版 情報通信白書』総務省)
このことは、イラストや映像などの視覚表現が持つ力とその効果、さらには年代別の特質の関係を端的に表した結果として大変興味深いと思っています。
映像の力とは何か?
では、そもそも映像(視覚表現)にはどういう力があるのでしょうか。
例えば、「1分間の映像には、文字情報に換算して180万文字分の情報伝達力がある」と言われています。これは、映像の「物事を効率的に伝える力」を表しています。さらに、映像には、物事をより多くの人に伝える力があります。これは、映像の「物事の伝達対象者を広げる力」を表しています。
さらに「文字や言語による表現」と「イラストや映像による表現」には、「時間の流れ、長さ」の視点で考えると、決定的な違いがあります。
「文字を読むとき」と「映像を視聴するとき」を思い浮かべてみてください。同じ文章を複数の人たちで読んでみればわかるように、読む速度も理解の速度もまちまちになってしまいます。文字は情報を紙面やディスプレイ上に配置し、読者がその情報を読み取りに行く必要があります。
一方、映像には「始まり」と「途中経過」、そして「終わり」があり、「時間の流れ・長さ」が存在します。DVDのように自宅で一人で視聴することもできれば、映画などのように、1カ所に複数人が集まって視聴することもできる表現方法です。
文字情報は、原則として個人として消費する行為であるのに対し、視覚情報は視聴するという体験を自分以外の人と共有できる行為です。
このことから、映像には、ある事柄を知らないより多くの人に、意図した時間で効率的に伝えることができる力があると言えます。また、映像に音声情報も加えることで、その伝達力や効果はさらに上昇させることもできます。
映像を取り巻く環境はどう変わったか
従来のPCに加え、近年、スマートフォン(出荷台数は2011年にPCを抜いています)、タブレットなどのパーソナルデジタルデバイスの出荷台数は破竹の勢いで増加しています。一方、外に目を向ければ、ビル壁面の大型ビジョン、駅構内のデジタルサイネージ、電車などの社内ディスプレイ、店舗内の陳列棚に併設してある小型サイネージなどのパブリックデジタルデバイスも増加し、映像情報を目にする機会が格段に増えています。
このことは、映像コンテンツがより消費されやすい環境が整ったと捉えることができます。
これからの企業の対応とは
上述のような「映像の力」に、従来は地理的・時間的な制限が課せられていましたが、現在では、まさにパーソナルかつオン・デマンドで映像視聴が可能な状況になっています。本来の映像の力だけでは成し得なかったことが、デバイス環境の変化によって可能になり、映像を企業によるマーケティング活動におけるキラーコンテンツにしたと言えます。
映像の見やすいデバイスは今後も増加していき、その消費対象者の主役は、現在の若年層になります。このことを考えれば、伝えたいことを映像やイラストで伝えていくことが自然と企業のとるべき対策と考えられます。
だからといって、映像表現に極端に偏り、文字情報を排除するようなことは不要ですし、これではユーザーのニーズを満たさないことになります。従来は文字だけで伝えていたことを、映像表現も採用して伝えてみること。これを小さなところ・他への影響度合いが少ないところから実践してみることが必要になっているのではないでしょうか。
また、忘れてならないのは、映像を見ることのできない方、見ることのできない状況に対し、いかなる対処をするかということです(JIS X8341-3では「7.1.2 時間の経過に伴って変化するコンテンツに関するガイドライン」が定められていて、参考になります)。今後の企業には、この対処方法を考えた上での積極的な映像活用が必要と言えます。
まとめ
ミツエーリンクスは、今回ご紹介したような「映像の特質」や「対処方法」を知り尽くした専門技術スタッフが所属しています。従来のビデオ制作サービスに加え、ビデオの活用や対処を支援できるサービスもラインナップに加えることで、お客様のコンテンツ課題対処、映像活用を支援して参ります。
これからの新しい映像制作および支援サービスにご期待ください。
Newsletter
メールニュースでは、本サイトの更新情報や業界動向などをお伝えしています。ぜひご購読ください。