「ユニバーサル アナリティクス」移行準備のススメ
第八本部 第二部 部長 田口 公章間近に迫るユニバーサル アナリティクスの正式リリース
2012年に行われた「Google アナリティクス サミット」で発表された新しいトラッキングコード「ユニバーサル アナリティクス」。本稿執筆時点ではベータ版ですが、正式リリースが目前に迫っています。「ユニバーサル アナリティクス」とは、Google アナリティクスで使うトラッキングコードの最新版であり、GATC(Google Analytics Tracking Code)の後継版です。
GATCからユニバーサルアナリティクスへのバージョンアップにより、デバイスを横断した「個人」単位でのトラッキングや標準での広告連携、オフラインデータとの統合など、これまではできなかったさまざまな活用が可能になります。
「ユニバーサル アナリティクス」の登場によって、Google アナリティクスはこれまでの「Webのデータ計測ツール」とは全く異なる「デジタル・マーケティング・プラットフォーム」へと大きく進化していますが、いよいよそのすべての機能を使える日がやってくることになります。
ユニバーサル アナリティクス移行の注意点
今後は積極的に活用したいユニバーサル アナリティクスですが、アナリティクス ヘルプにも明記されている通り「間もなくユニバーサル アナリティクスの利用が必須になる」という点には注意が必要です。
ユニバーサル アナリティクスは Google アナリティクスの新たな運用基準で、間もなくすべてのアカウントでユニバーサル アナリティクスのご利用が必須となります。
ユニバーサル アナリティクスへの移行が過去に行われたトラッキングコードのアップデートと異なるのは、古いコードから送られたデータの処理も行うという「後方互換性」が今回は担保されない、という点です。ga.js、urchin.jsやカスタム変数といった現行機能は全てサポートが終了するので、Google アナリティクス利用者は例外なくユニバーサル アナリティクスへのアップデートが必要になります。しかも移行には期限があり、正式リリースから2年経過すると、古い技術を使って収集したデータは処理されなくなってしまいます。
Google のUniversal Analytics アップグレード センターでは「移行は4フェーズ」と説明があるので、簡単に移行が可能なような印象があります。しかし実際の移行をスムーズに進めるためには、注意すべき点がいくつかあります。
最も重要なのは、Google アナリティクスを活用されている度合いが高ければ高いほど移行対応の難易度が上がる、という点です。ユニバーサル アナリティクスが正式版になればカスタム変数やユーザー定義変数等のサポートが終了しますし、仮想ページビューやeコマースのトラッキングなどについてもすべて書式が変わります。特に複雑なことをしていなければ「プロパティのアップデート→タグの張り替え」といった簡単な手順で移行可能ですが、こうしたさまざまな機能を駆使した解析をされている環境であれば、すべて書き換えが必要だという事になります。
また、非同期コードにはga.jsだけではなく広告連携機能を有したdc.jsというコードもありますが、dc.jsの備える広告連携機能についてはユニバーサル アナリティクス ベータ版には実装されていません。そのためdc.jsをご利用中の方はユニバーサル アナリティクス正式版のリリースを待つか、あるいは新旧コードを混在させた状態で早いタイミングで移行をするか、といった検討が必要になってきます。
こうした状況を踏まえユニバーサル アナリティクスへの移行は、現在実装している機能の移設やこれまでに蓄積した過去のデータとの連続性を損なわないような施策と手順を設計し、細心の注意を払うことが重要です。正式リリースから2年以内という期限内に余裕を持ったスムーズな移行を実現するためには、現サイトの状況を棚卸し、今後のデジタルマーケティング計画を見直したうえで早めにユニバーサル アナリティクスへの移行計画を立てておくことが重要です。
「ユニバーサル アナリティクスへの移行手順 解説セミナー」のご案内
当社では来る2014年2月21日に、「ユニバーサル アナリティクスへの移行手順 解説セミナー」を開催する予定です。そこでは本コラムで触れた内容に沿って、ユニバーサル アナリティクスへ移行するための具体的な手順と注意点について、いくつかのケースに分けたうえで、デモを交えて分かりやすく解説する予定です。Google アナリティクスやユニバーサル アナリティクスの最新情報を手に入れ、皆様のサイトでの移行計画立案にお役立ていただくために、ぜひセミナーへもご参加ください。
Newsletter
メールニュースでは、本サイトの更新情報や業界動向などをお伝えしています。ぜひご購読ください。