会社の文化を変えるために7カ月でやったこと
取締役CISO 山下 徹治Mitsue-Links2.0の旗振り役に任命
当社代表の髙橋による新年のご挨拶にあるように、昨秋、Mitsue-Links 2.0というコンセプトが社内に発表されました。シンプル化、フラット化、チームコミットメント制、見える化、リーンという5つの企業文化改革の方向性が示され、私がそのコンセプト実現の旗振り役に任命されました。会社の文化を変えるというのは果てしない話ですが、まずは自分が考え方を変え、行動を変えなければ何も始まらないと思い、髙橋が感銘を受けたというmovingimage社を見学に行き、 Management 3.0 という考え方を学ぶことにしました。2015年11月に社内の2人の外国人と共にドイツへ飛び、Management 3.0の2日間のワークショップの受講とmovingimage社の訪問をしてきました。
Agile Beacon Team(ABT)の発足
ワークショップでは近い未来でさえ予測がつきにくい現代社会において、どのように企業をマネジメントしていくのがよいかということをディスカッションやゲームを通じて学ぶという非常に刺激的な時間を過ごしました。
翌日にはそのワークショップで知り合ったドイツ人が勤めるゲーム会社 Wooga 社と movingimage 社の2社を訪問しました。アジャイルな企業の職場環境、見える化の仕組み、社内のコミュニケーション方法などを見学し、我々3人はたった3日ですっかりアジャイルなマインドセットに切り替わりました。帰国後、まず自分たちのチームの名前を決め、ビジョンとミッションとバリューを明文化しました。
- チーム名
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Agile Beacon Team(ABT)(beacon=灯台、会社が進むべき方向を自ら示そう、皆が迷ったときの拠り所になろう)
- チームビジョン
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アジャイルの手法でコミュニケーションの質と量を増やし、自律したチームを作り、顧客により良いサービスを提供する
- チームミッション
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フラットな組織づくり、見える化を推進、チームに権限を与える、良い職場環境をつくる、チームの効率化を助ける、アジャイルマインドセットを広める、自己組織化を発展させる
- チームバリュー
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オープンマインド、皆を信頼する、批判を受け入れる、お手本になる、見える化する、情報は共有する
Mitsue-Links 2.0の実現方法
ドイツでの体験を通じ、Mitsue-Links 2.0のコンセプトの実現の方法がおぼろげに見えてきました。何よりも大切なのは、スタッフが役職や職種に関係なく自由に自分の意見を言えるようなフラットな関係性を作ることです。フラットな関係性であれば、仕事の進め方やチームの課題について意見が言いやすくなり、チームコミットメントやリーンに向けてチームが自律的に考え始めるようになります。しかし、チーム内が今までのヒエラルキーな関係性からフラットな関係性に変化するのは容易ではありません。フラットな関係性作りのためには職場環境をもっとコミュニケーションを取りやすくしたり、チームの状況を見える化し、その情報を皆が一緒に見ながらコミュニケーションを取る習慣や仕組みを用意したりすることが必要だと思いました。
コミュニケーションしやすい職場環境づくり
今までは窓際には本部長がずらりと並び、ヒエラルキー組織の象徴のようないわゆるひな壇席がありましたが、1月にそれを全て撤去し、カラフルなカーペットとソファを置きました。本部長たちもスタッフと横並びで座り、フラットな関係性になっていこうというメッセージを出しました。次にホワイトボードを大量に導入し、壁もホワイトボードとして使えるようにしました。他にもコーヒーメーカーやサッカーゲームを導入するなど、従業員がフラットな関係性の中でコミュニケーションが取りやすい環境づくりを進めました。
フラットなチーム作り
2016年1月、2月はMitsue-Links2.0のコンセプトを草の根的にスタッフに広める活動を行いました。社内のテックラウンジというイベントで「Mitsue-Links 2.0って結局何なのさ」を話したのを皮切りに、Management 3.0のワークショップで学んだモチベーションカードゲームやデリゲーションポーカーを色々なチームで行ったり、アジャイルの考え方やコミュニケーションの重要性を知ってもらうためのワークショップを開催したりしてMitsue-Links 2.0のコンセプトの理解者・賛同者を少しずつ増やしていきました。
また、会社の文化を変えるためには、まずは役職者間のコミュニケーションのあり方を変える必要があると思い、今までの部長会議のスタイルをがらりと変え、コミュニケーションを活性化することを目的として様々なワークショップを行いました。
3月にはチームコミットメントについての説明会をタウンホールミーティング形式で3回行い、見える化、コミュニケーション、素早いPDCAサイクルの重要性について説明するとともに、質疑応答の時間を多くとり、皆の疑問に答えていきました。
4月の新年度の始まりには組織編成を変更し、階層を浅くし、一つのチームは3人から8人になるように設計しました。
5月はWebインテグレーション事業の各チームに対してスキルマップを作ろうという働きかけを行い、自分はファシリテーター役としてチームの皆とゲーム感覚でスキルマップを作り、チームのスキルを見える化しました。見える化すると、自分たちでどうやってスキルを上げていくか目標設定や計画を立てられるようになること、トップダウンとは違って腹落ちしやすいしモチベーション向上につながることを体験してもらいました。チームが自己組織化する第一歩のアクションになったと思います。
6月は、社内にMitsue-Links 2.0サポーターサークルという我々ABTの活動の手伝いや、現場の意見をフィードバックしてくれるサークルが発足しました。とても熱意のあるメンバーが集まっており、Mitsue-Links 2.0の会社全体への浸透に向けて大きな味方を得た思いです。
Mitsue-Links 2.0のこれから
我々ABTは、上述したようなMitsue-Links 2.0を全社的に推進する活動を行いつつ、いくつかのチームやプロジェクトのスクラムマスターの役割として参加し、チーム単位でのMitsue-Links 2.0の成功体験を増やすことに取り組んでいます。まだ我々自身がスクラムマスターとしての経験が浅く、試行錯誤を重ねている状態ではありますが、自分たちで勉強会を開いたり、外部の研修に積極的に参加するなどして、我々自身のスキルアップとモチベーションアップに励んでいます。
アジャイルらしく、一歩先の目標を設定し、ステップ・バイ・ステップで前進していますが、ドイツに行ってからたった7カ月しか経っていないのかと思うほど、色々な前進が見られたと思います。
今後の活動については、社内だけにとどめず社外にも情報発信していこうということで、この度Blogを開設することにしました。Agile Beacon Teamの3人で更新していきますので、よろしければ購読していただければと思います。
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