新年のご挨拶
代表取締役(CEO) 髙橋 仁
新春を迎え、謹んでごあいさつを申し上げます。年初に際して、日頃よりミツエーリンクスをご愛顧いただいている皆様に厚く御礼を申し上げます。
お陰様で当社は創業33年目を迎えております。会社の寿命は30年あるいは30年続く確率は0.021%と言われますが、幸運にも2000年代のITバブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災をくぐり抜け、いまだに続く新型コロナ感染症に至るまで、我々は大きな試練に遭遇しながらも何とか乗り越えて参りました。何とも感慨深いものがあります。これも優れた従業員の存在と、温かく見守ってくださった顧客企業様や社会の存在の賜物と感謝申し上げます。
我々はいま、次世代に向けて、大きな変革期に差し掛かっています。
一見、「品質」「技術」にコミットする組織力のある企業に思われるかもしれません。しかし、当社の真の強みは「ユニークで大胆な発想と行動力のある、イノベーション気質の高い人材が豊富」であること。言い換えれば「個人力の強い集団」であることです。これらの人材達がいま次世代の創造に向けて動き出しています。
これからさらに面白くなるミツエーリンクスにご期待ください。
本年も引き続き変わらぬご支援をお願い申し上げますと共に、末筆ながら皆様のご繁栄とご健勝を祈念申し上げます。
取締役(Co-CEO) 藤田 拓
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
2022年は東ヨーロッパの紛争や米国のインフレ、急激な円安等からもVUCAを感じる1年でしたが、そんな中、ミツエーリンクスは33期目をなんとか歩み続けております。これはひとえに関わっていただいている様々な方々のお力添えがあったからこそであり、ただただ感謝しかございません。
ミツエーリンクスの創業は1990年7月ですが、その当時、創業者の高橋は牧野昇氏の著書である「全予測90年代の世界 (ダイヤモンド社)」を読み、「メディア複合化時代のコミュニケーション形態」という章に刺激を受けたそうです。かいつまんで引用させていただきますが、その章の出だしでマスメディアが強固に存在し消費者のニーズが比較的均一である点について述べられた後、下記のように続きます。
しかし、成熟社会に移行し、消費者の価値観、行動が多様化するに伴って、ニーズも個別化しており、よりきめ細かな情報提供の必要性が高まってきた。これはよりパーソナルな形態および内容の情報提供が求められるようになってきたといえる。
(中略)
発信される情報をパーソナルな人的・情報ネットワークを通して受容するという、高度な水平的ネットワークを介したコミュニケーションが増えていくであろう。
そして、ミツエーリンクスはマスメディア・パーソナルメディア連動型情報提供サービスを掲げ、テレファックスシステム(音声応答システムとFAX情報システムを連動したシステム開発)や音声サービスを展開していきます。
さて、ミツエーリンクスをWeb関連の会社として捉えたとき、その流れは10年単位で括れるように私は思います。Web事業のスタートは1994年期11月の「インターネットビジネス準備室開設」、および3月の「Webデザイン事業部を新設」です。より水平的なパーソナルメディアを追い求めていたミツエーリンクスにとって、Webの登場は「これだ!」と声が出てしまうほどの魅力を備えていたことでしょう。しかし、まだまだ黎明期のWeb業界は情報も少なく暗中模索の日々となりますが、幸いにも様々なチャレンジングな人々が参画し、徐々にWeb事業の規模が広がりました。そしてその拡大を支えるために2000年業界初となるISO9001取得し、クオリティをキープしてお客様にサービスを提供する品質土台が生まれました。
2004年期からの10年はWeb標準期といっていいかもしれません。2004年4月にはWeb標準に準拠したWebサイトリニューアルを行い、W3Cメンバーに登録、そして「Web標準準拠サービス」を開始します。まだまだ文書構造と視覚が分離されていないtableレイアウトばかりの中、いち早くWeb標準を意識した取り組みを行ったことはミツエーリンクスの強みとなり、また、その活動に共感してくれたエンジニアが数多く参画してくれました。更にはこの新たな取り組みにしっかり対応してくれた営業職、ディレクター職の功績も多大でした。このWeb標準にまつわる10年の奮闘が今のミツエーリンクスの礎になっていると強く感じます。
2014年からの10年は確立期といえばいいでしょうか。2010年頃、世界のWeb界隈ではCustomer Experienceのキーワードが増え始め、A/Bテストやパーソナライズ、MAなどのサービスが台頭してきました。このようにWeb業界の領域が広がる中、闇雲に新たなサービスに飛びつきたい欲求が生まれがちでもありましたが、そんな中、ミツエーリンクスはどこに舵をきるのか?と考え生まれたのが2014年期の「運用ファースト」というスローガンです。
Web標準を意識した設計や技術は人や機械に情報を伝えやすくするものでしたが、実は人や機械がWebを運用しやすくするものでもあります。ローンチ後の運用を第一に考え、再利用性の高いWeb標準準拠の設計・デザインを行うことで、より運用しやすいWebをお届けすることが可能となるのです。そのため、それまでのミツエーリンクスらしさをより強固にすることでお客様のお手伝いができると感じ、弊社は教育やマネジメントシステムのもと、Web標準について社員にとって当たり前のことで、かつ意識せずに行えるような状況へと昇華してきました。
さて、次の10年は2024年期にスタートします。ここ最近の流れに目を向けるとサーバーレス、ヘッドレス、Web3、分散型Webと、新たな世界が見えてきます。しかし、ふと思い起こすと、ミツエーリンクス創始のベクトルともなっている牧野昇氏の90年代予測「発信される情報をパーソナルな人的・情報ネットワークを通して受容するという、高度な水平的ネットワークを介したコミュニケーションが増えていく」の延長線上ではないでしょうか?つまりミツエーリンクスらしさから遠いものではないと私は感じています。
また、洗練されたAIの台頭が著しいですが、この分野においても取り組んでいきたいと考えています。元々ミツエーリンクスの礎的取り組みでもあるWeb標準は人のみではなく機械とのコミュニケーションを意識した仕様でもあります。この関連からAIとの対話を意識した取り組みはもちろん、AIを育てる取り組みも行っていきたいと考えております。
2024~2033を考えますと、私達の土台でもある日本の状況も意識すべきでしょう。2022年12月6日にゴールドマンサックス社が発表した「2075年への道筋」をみると、日本の未来は日出ルとはいえない将来が予測されています。
本レポートには成長の条件が5つ挙げられていますが、その1つに「教育」があります。先程から言及している「サーバーレス、ヘッドレス、Web3、分散型Web、AI」の発展はGitHubでの知的交流の貢献も大きく、なかには中高生が驚異的なコードを書いている様子も見られます。しかし残念ながら日本人はまだまだ少ないのです。この状況に危機感を持ったのか、すべての国立大学で2025年の共通テストから現在の「5教科7科目」に新たに「情報」を加え「6教科8科目」を課すことを正式に決定し、情報のカリキュラムもより高度なものと変化しています。
ミツエーリンクスとしても若い世代が私達、かつ、日本の担い手であり、その教育が重要であると強く意識しております。
2023年1月1日、ミツエーリンクスはCoderDojo Japanへの支援を開始いたしました。人的にも関わっていきつつ、未来を担う才能のサポートをしたいと考えております。
最後に、来る次の10年に向けて、私はこのVUCA、かつ新たなパラダイムを踏まえて、ミツエーリンクスらしさを再考していく所存です。ぜひご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
Newsletter
メールニュースでは、本サイトの更新情報や業界動向などをお伝えしています。ぜひご購読ください。