CMMI、中間達成報告!
取締役 IT事業部長 高田 淳志CMMI Maturity Level 2!
先月10月8日付、弊社はCMMIの公式アプレイザル(審査)を実施し、CMMIのLevel2達成を正式に評価されました(詳細は、会社案内「CMMI」、CSRサイトTOPICS「2004年10月8日 Web業界初、CMMIレベル2を達成」をご覧下さい)。
このコラムのコーナーに「CMMI、実践中間報告!(第1回)」として掲載したのが去年2003年3月ですから、ここまで1年と半年で到達したことになります。振り返ってみれば、「もっと早くたどり着けなかったものか?」と自問することもありましたが、順調なペースで進んだ時期、結論に至れずに遅々とした時期、出来たものをひっくり返して再考した時期、どのステップも価値のあるかけがえの無い過程だったと思います。
弊社では、ISO9001をはじめとした様々なマネージメントシステムを運営していますので、そのノウハウが今回の評価の礎になっていることは間違いないのですが、その土台の上に「ソフトウェア(システム)開発」というフレームを継ぎ足したのは、今回の評価対象であるシステムソリューショングループおよびマネージメントシステムを統括するマネージメントシステム本部の面々に他なりません。本来の通常業務においても各々の役割を担う彼らが、+αの活動としてCMMIのSPI(Software Process Improvement:ソフトウェアプロセス改善)に積極的かつ根気強く取り組んできた姿勢には、本当に頭の上がらない思いです(手前味噌ですが、まさに皆が「寝る間を惜しむ」くらいの意気込みで関わっていましたので)。
また、長期間にわたり、弊社を支援頂いてきたサティヤム コンピュータ サービス リミテッドの諸氏、とりわけ長期間に渡りご協力を頂いた荒川氏に、この場を借りて改めて御礼申し上げたいと思います。
なお、今回のコラムの表題も「中間...」という風にさせて頂きました。弊社では、今回の達成評価をゴールとはとらえていません。個人的なスキルや思考に依存せず、「Quality(品質)」「Security(リスク管理)「Cordiality(誠実さ)」の3つのキーワードを軸に、より安定的かつ確実なソフトウェア(システム)をお客様に供給していくための手段として、このCMMIという開発プロセスフレームワークを構築しました。ですから、今後も継続的により高いレベルを目指していくという点で、いつまで経ってもその取り組みは「中間」なのであり「ゴール」ではない、そんな意思を込めて敢えて「中間達成」という表現としました。
Level 2達成とはどういうこと?
Level2では、プロセスエリアと呼ばれる「要件管理」「プロジェクト計画」「プロジェクトの監視と制御」「供給者合意管理」「計測と分析」「プロセスと製品の品質保証」「構成管理」の計7つの領域それぞれ固有のゴールと、全ての領域で達成されていなければならない共通ゴールの全てのゴールを満たす活動がされているかどうかで、判定が決定します。
各プロセスエリアや固有ゴール、共通ゴールの詳細については、CMMIモデルの公式日本語訳翻訳版や、市販されている書籍等々の説明に任せるとして、これまでの活動と明らかに異なる点は、ソフトウェア(システム)開発を完成までに至らす様々な活動が、「管理・コントロール下に置かれる」という点です。
これまでの弊社開発スタイルの反省として、エンジニア個々のキャリアやスキルに頼っていた部分が大きく、また新しい人材の育成に関しても、その時々の状況任せという面が残っていたことは否めません。幸いにも、これまでは彼らの努力や工夫により、大方の開発案件は順調に進めてくることが出来ました。
しかし、技術的な変化がめまぐるしい時代となり、開発案件に対する達成ニーズも厳しいものとなってきました。弊社でお引き受けする開発案件も、規模がより大きく・難易度がより高く・かつ納期はより短く、という難しいものが多くなってきています。そのような状況下においても、プロジェクトの全ての活動はきちんと計画され、その計画に沿って管理されます。また、計画と実施との乖離が大きくなった場合にはそれを修正する機能が働きます。
ゴールに向かっての道のりがどのタイミングでも明確かつ的確に保たれ続ける、それがこれまでとの違いです。
そして次のステップへ
今回は、アプレイザルではファーストステップとしてLevel2をターゲットとしましたが、実際の改善レベルとしてはLevel3をターゲットとして約1年半取り組んできました。ですから、先ずはこのLevel3としての活動を完成させたいですね。
Level3では、さらに11個のプロセスエリアについてのゴール達成が必要となります。
やはり完全に安定したレベルという点で、Level3には早い時点で到達したいと考えています。各プロジェクトを運営していく上で過去のプロジェクト実績資産が参照されるようになります。また、全てのプロジェクトの結果が、以降のプロジェクトの参照データとなるべくプロジェクト実績資産に登録されます。そういったPDCAのサイクルがかなり強固に回転するようになるのがLevel3の結果だと思っています。
新たなジャンルとして歴史の浅い「Web制作」業界中のソフトウェア開発分野にあっても、その立場や特性に甘んじずに顧客満足を追求していこうという営みの一つとして今後もしっかり取り組んでいく決意です。
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