WCAG 2.2の勧告
エグゼクティブ・フェロー 木達 一仁世界中で広く活用されているWebコンテンツのアクセシビリティに関するW3Cのガイドライン、Web Content Accessibility Guidelines(WCAG)の最新バージョン、WCAG 2.2が10月5日付けで勧告されました。前バージョンの2.1からは、およそ5年ぶりのアップデートとなります(コラム「WCAG 2.1の勧告」参照)。
バージョン2.0から2.1へアップデートされた際の流れを汲み、WCAG 2.2では認知障害や学習障害のあるユーザー、弱視のユーザー、モバイルデバイスを利用するユーザーへの対応が強化されています。具体的には以下に示すとおり、4つのガイドラインに関して都合9つの達成基準が新たに追加されました。
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ガイドライン 2.4 ナビゲーション可能
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2.4.11 隠されないフォーカス(最低限)(適合レベルAA)
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2.4.12 隠されないフォーカス(高度)(適合レベルAAA)
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2.4.13 フォーカスの外観(適合レベルAAA)
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ガイドライン 2.5 入力モダリティ
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2.5.7 ドラッグ動作(適合レベルAA)
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2.5.8 ターゲットのサイズ(最小限)(適合レベルAA)
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ガイドライン 3.2 予測可能
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3.2.6 一貫したヘルプ(適合レベルA)
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ガイドライン 3.3 入力支援
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3.3.7 冗長な入力(適合レベルA)
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3.3.8 アクセシブルな認証(適合レベルAA)
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3.3.9 アクセシブルな認証(高度)(適合レベルAAA)
個々の達成基準の詳細につきましては、字数の兼ね合いもあり本コラムでは取り上げませんけれども、ご興味ございましたら、12月14日に開催を予定しておりますWeb担当者のためのピンポイント講座 / WCAG 2.2 解説セミナーにぜひご参加ください。
また、バージョン2.0から存在していた達成基準、4.1.1 構文解析(適合レベルA)が、WCAG 2.2では削除されています。これにより、WCAG 2.2の達成基準の数は合計86となっています。達成基準の適合レベルごとの内訳や、過去のバージョンからの変遷は、以下の表にあるとおりです。
WCAG 2.0 | WCAG 2.1 | WCAG 2.2 | |
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適合レベルA | 25 | 30 | 31 |
適合レベルAA | 13 | 20 | 24 |
適合レベルAAA | 23 | 28 | 31 |
計 | 61 | 78 | 86 |
当社はWCAG 2.2の勧告を受け、「ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン(WCAG)2.2への標準対応の開始について」というニュースリリースを発行しました。WCAG2の適合レベルAに準拠したコンテンツの実装・検品を標準的にご提供する「標準対応」について、2024年1月以降はその品質基準にWCAG 2.2を採用する、というお知らせです。それ以降は、特別にご指定のない限り、WCAG 2.2に基づくアクセシビリティをご提供してまいります。
最後に、WCAG 2.2策定のこれまでの道のりを、アクセシビリティBlogに投稿された関連記事で振り返ってみましょう:
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2020年
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WCAG 2.2の最初の公開作業草案が発行されました(2020年2月28日)
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WCAG 2.2作業草案の更新(2020年8月17日)
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WCAG 2.2の勧告スケジュールと、次世代のガイドラインについて(2020年9月28日)
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2021年
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WCAG 2.2のドラフトが更新されました(2021年5月14日)
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2022年
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WCAG 2.2の勧告候補が発行されました(2022年9月7日)
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WCAG2から達成基準4.1.1が削除されそうな話(2022年12月12日)
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2023年
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WCAG 2.2の勧告候補が更新されました(2023年2月1日)
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WCAG 2.2の勧告候補が更新(2023年5月版)(2023年5月19日)
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WCAG 2.2の勧告案が発行、8月にも勧告へ(2023年7月20日)
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WCAG 2.2の勧告とWCAG 2.1の更新(2023年10月6日)
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